現代企画室

お問い合わせ
  • twitter
  • facebook

現代彫刻論
物質文明との対峙

中原 佑介/著
北川 フラム/編集代表
池田 修/編集代表
加治屋 健司/解題執筆
粟田 大輔/解題執筆
2012年4月刊行
定価2500円+税
B5変並製・284頁
ISBN978-4-7738-1211-4 C0070

[中原佑介美術批評選集第6巻]
3.11後の世界で、中原佑介は何を語っただろうか?

「批評に理論物理と詩の結合を求めた中原が、機械文明の危機を思わせる震災下に美術を通じて何を語ったか、考えずにはいられない。」(椹木野衣)



現代において、古典彫刻の概念は崩壊し、「彫刻」という概念が成り立たなくなっている。世界における「彫刻」の歴史を「物質」の観点から捉え直し、その変貌と矛盾を衝いた1965年(増補版82年)の名著・『現代彫刻』の復刊に加え、『現代彫刻』以降、60年代後半〜80年代に新たに展開された彫刻についての文章を集めた。

【著者紹介】中原 佑介(ナカハラ ユウスケ)

1931年8月22日、兵庫県神戸市に生まれる。本名・江戸頌昌(えどのぶよし)。神戸市立成徳国民学校、兵庫県立神戸第一中学校を経て、1948年、旧制第三高等学校理科に入学。学制改革に伴い、翌年京都大学(新制)理学部に入学する。1953年同物理学科を卒業、同大学院理学研究科に進学し、湯川秀樹研究室で理論物理学を専攻した。1955年、修士論文と並行して書いた「創造のための批評」が、美術出版社主催第二回美術評論募集第一席に入選したのを機に美術批評の道に進む。1970年に第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人間と物質」のコミッショナー、1976年と1978年にヴェネツィア・ビエンナーレのコミッショナーを務めるなど、数多くの展覧会の企画に携わり国際的に活躍。2000年からは、越後妻有アートトリエンナーレのアートアドバイザーを務めた。京都精華大学学長、水戸芸術館美術部門芸術総監督、兵庫県立美術館長、美術評論家連盟会長などを歴任。2011年3月3日、79歳で死去。



主な編著書:『ナンセンスの美学』現代思潮社、1962年/『現代彫刻』角川書店、1965年/『見ることの神話』フィルムアート社、1972年/『人間と物質のあいだ—現代美術の状況』田畑書店、1972年/『ナンセンス芸術論』フィルムアート社、1972年/『大発明物語』美術出版社、1975年/『現代芸術入門』美術出版社、1979年/『現代彫刻』美術出版社、1982年(改訂新版、1987年)/『クリスト—Christ works 1958—1983』草月出版、1984年/『ブランクーシ—Endless beginning』美術出版社、1986年/『80年代美術100のかたち』INAX、1991年/『兵士の物語』評論社、1992年/『一九三〇年代のメキシコ』メタローグ、1994年/『なぜヒトは絵を描くのか』フィルムアート社、2001年/『関係と無関係—河口龍夫論』現代企画室 、2003年 など