現代企画室

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ウッドローズ

ムリドゥラー・ガルグ/著
肥塚 美和子/訳
2011年12月刊行
定価3000円+税
4-6上製・452頁
ISBN978-4-7738-1116-2 C0097

人間の悲しみの底から生まれる再生の力。バラに似たウッドローズの固い実を水に入れると、そこからポンとたくましい種が飛び出てくる、そんな奇跡のような力。果てしなく傷つけ合う男女や文化のちがいを乗り越えた人間の古くて新しい可能性が、インドの女性作家によって祈りと共に、今の日本に生きる私たちに手渡される。(津島佑子)



(内容紹介)女として生まれたがゆえに抑圧され、時には暴力にさらされ、苦悩しながら前半生を送ってきた4人の女性と、夫を失ってから生気も失い泣き暮らした母を持つひとりの男。5人はそれぞれ、お互いに繋がりをもっており、ほぼ半世紀にわたる一人ひとりの来し方を、現在を行きつつ語るという形で展開する物語。「ウッドローズ」とは、物語の中で象徴的に扱われている「セイロンアサガオ」のことである。

【著者紹介】ムリドゥラー・ガルグ(ガルグ,M.)

1938年生まれ。最も著名なヒンディー語作家の一人。1970年に作家デビュー。小説、戯曲、シナリオ、エッセイなど、広範な執筆活動を展開しているほか、コラムニストしても活躍。インドの主要な文学賞を受賞。本書「ウッドローズ」(原題Kathgulab)で、2004年のVyas Samman賞を受賞。また2001年にはアメリカの人権擁護団体Human Rights WatchのThe Hellman-Hamet Grantを授与されている。作品はインドのほとんどの言語に留まらず、英語、ドイツ語、チェコ語などに翻訳され、高く評価されている。

【著者紹介】肥塚 美和子(コエヅカ ミワコ)

1944年神奈川県・座間生まれ、千葉育ち。東京外国語大学ヒンディー語科修士過程修了。修士過程在学中の1968年、デリー大学留学。1971年から約2年間、在コルカタ日本総領事館で日本語講座講師を勤める。1974—2003年、NHK国際放送ヒンディー語リスナーズコーナーを担当。1974年より大谷大学、1981年より追手門学院大学などでヒンディー語講師を勤め、現在に至る。

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