マルクス=エンゲルス素描
エルネスト・チェ・ゲバラ/著
太田 昌国/訳・解説
2010年6月刊行
定価1000円+税
4-6変並製・116頁
ISBN978-4-7738-1009-7 C0023
あのゲバラが、マルクス=エンゲルスの簡潔な伝記を書き遺していた! キューバ革命後、キューバ経済の舵取りをした経験から経済学への関心を深めていたゲバラ。その後、コンゴからボリビアへと闘いの場を移していく最中、時間を見つけてはマルクス=エンゲルス研究のためのノートを書きためていた。「マルクスは、共感能力が世界じゅうで苦しむ人びと全体に及んでいるような人間的な人物で、真剣なる闘争と、揺るぎない楽観主義のメッセージを携えていたが、歴史によって歪曲され、石のごとき偶像とされてしまった」と語るゲバラ。今この時代に私たちは、マルクス=エンゲルスの、そしてゲバラの遺産から、何を引き継ぐことができるのだろうか。
【著者紹介】エルネスト・チェ・ゲバラ(チェ・ゲバラ,E.)
1928 アルゼンチンに生まれる
1956 旅先のメキシコで、亡命中のフィデル・カストロと出会う
誘われて、キューバ解放の武力闘争に参加
1959 キューバ革命勝利。キューバの市民権を授与される国立銀行総裁な
ど、経済関係の重要閣僚に就任
他方、経済使節団団長として各国歴訪
また、ゲリラ戦争論を含めた解放闘争論、社会主義経済建設論、
「新しい人間」論など広い分野で積極的に発言を行なう
1965 友邦=ソ連を批判して後、キューバを出国
1966 コンゴでの国際主義的活動に従事
1967 ボリビアでのゲリラ闘争中に捕われて、銃殺される
【著者紹介】太田 昌国(オオタ マサクニ)
南北問題・民族問題研究。現代企画室勤務。著書に『鏡としての異境』(記録社、1987年)、『鏡のなかの帝国』(現代企画室、1991年)、『〈異世界・同時代〉乱反射』(同、1996年)、『「ペルー人質事件」解読のための21章』(同、1997年)、『日本ナショナリズム解体新書』(同、2000年)、『「拉致」異論』(太田出版、2003年。現在は河出文庫)、『チェ・ゲバラ プレイバック』(現代企画室、2009年)など。