学校から

「2019年小学校教科書採択 道徳と社会科の実態」に参加して 
 

2020年1月12日掲載

(「戦争教科書」はいらない!大阪連絡会主催)

 今回の集会では、1.小学校教科書採択報告 2.教育再生首長会議など右派の動向 3.各地からの報告 4.特別報告「日韓関係の今を考える」の柱で行われた。会場では「なるほど、そう考えるのか、そうだそうだ、必要な取り組みはこれだ…」と真剣に聴いているのだが、文にまとめるとなるとあまりの幅広さに上手くいかない。感想を簡単に書きます。

<事実を知ること>
採択への動きや結果について、また、右派動向について、とても分かりやすく報告されていた。ボーとしていては気づかない水面下の事実を知ることは、教科書採択に限らず、思考や行動への視点を持つための第一歩だと再確認した。

<考える観点を持つこと>
私も勤務校で教科書採択の意見を書いた(理科)が、1週間ほどの期間で、多くの教科書を勤務時間内で読んで判断するのは、到底無理である。しかし、判断する観点を持っていれば、ポイントをチェックすることができる。特に道徳や社会では、どんな観点を持つかによって判断が大きく変わるので、自分が学習するだけではなく、周りに広げていくことが必要だ…。また、採択された教科書を使用する際にも、その観点を生かして、教え方を考えていかねばならない。

<行動すること>
外向きに動いていくこと、これが私に取っては一番難しい。上記で「周りに広げていくことが必要だ…。」と切れ味の悪い文末になっているのは、そのせいである。現場で、道徳教科書を使って真面目に道徳教育に取り組んでいる人たちに、その問題点を伝えられていない。新元号を習字や写真で取り上げる人たちに、そのもつ意味を問えていない。私が道徳の教科化に違和感を持ち、触れたくないという思いがあるからか。しかし、今はそんなことを言っている場合ではない、ということも実感はしている。
 感想と言うよりも、反省になってしまいました。
 
 最後に、この集会で強く感じたのは、私たち市民の草の根的な取り組みが、何かを変えていっている事実でした。一進一退はあるにしても、批判された道徳教材がなくなったり、採択に市民アンケートが重視されてきたり、モラロジー研究会が学校から後退していったり。カン・ヘジョンの講演や各地からの報告の中でも、市民運動の力強さと大切さを感じました。
(末 廣)