2月25日(日)CPR第2回総会
記念講演会へご参加ください


阿部圭太(事務局)


 きたる2月25日(日)午後1時より、八丁掘の都立勤労福祉会館(JR京葉線・営団地下鉄日比谷線「八丁堀」駅下車徒歩5分)第一会議室において、監獄人権センターの第2回総会及び記念講演会を開催します。
 総会では、まず、昨年3月の設立以来の活動報告、会計報告を行います。獄中からの相談への対応、訴訟の状況、刑務官部会の新設、各種セミナーや学習会の開催等、なかには通信ではお伝えしきれなかった活動もありました。また、CPRの厳しい財政状況もご報告し、会費・寄付の納入と会員の拡大のお願いもしなければなりません。これらを踏まえて、今後のCPRの活動方針についても会員の皆さんのご意見を伺いたいと考えています。
 記念講演は、「監獄改革と人権−国際人権NGOに学ぶー」と題して、イギリスから、ナクロ(NACRO)のディレクターであり、ペナル・リフォーム・インターナショナル(PRI)の事務局長でもあるヴィヴィアン・スターンさんと、英国ブリクストン刑務所の所長であるアンドリュー・コイルさんのお二人(お二人はご夫婦です)からお話していただきます。

 ナクロ(NACRO)は、犯罪者のケアと再定住のための全国協議会といい、政府の担当省庁から多額の助成金を得て、地方の諸団体やたくさんのボランティアの協力を得ながら、地域と刑務所を結び、施設内では獄中者の社会復帰を支援しつつ、地域でも自立して生きて行けるように出獄者・ホームレス・失業した若者たちにさまざまなプログラムを実施して、犯罪の防止と刑事司法・刑罰制度に関する提言や活動をおこなっている独立した団体です。
 PRIは、ヨーロッパのみならず、旧ソ連地域、アジア、アフリカ、中南米諸国まで世界各国に会員を擁し、人権問題に関わる団体・弁護士・研究者と更に矯正担当の公務員・政府担当者と協力関係を保ちながら、監獄内の状況の改善と望ましい刑罰制度への提言などをおこなっている国際人権NGOです。
 CPRの講演の中で、ヴィヴィアンさんには、PRIが世界各地で監獄改革のためのセミナーを開催したり、情報交換などをはじめとする活動を積極的に展開してきた経験をお話ししていただきます。日本の監獄改革における市民の役割、CPRの活動についても考えていきたいと考えています。
 アンドリュー・コイルさんは現役の刑務所長で、PRIのメンバーとしての活動はもちろん、イギリスの刑務所長協会に所属し、過剰拘禁をはじめとする劣悪な獄中の状況を改善するために発言し行動している方です。
 コイルさんは、1990年にヨーロッパ拷問禁止委員会(CPT)がイギリスの刑事施設の調査を行い、「非人道的及び品位を傷つける取り扱い」が行われているとしたブリクストン刑務所に、調査の後、着任しました。その後、まず彼は、マスメディアを刑務所に招き入れ、旧態依然としたやり方になれた刑務所の職員を説得し、地元の各種団体とも協力しながら、犯罪者の社会復帰と獄中の状況の改革を成し遂げました。その所長としての改革の経験とともに、この数年で大きく改革されたイギリスの刑務所をめぐる状況、またその一方で犯罪者に対するより苛酷な取り扱いを求める一部の政治家や世論に抗して、改革を推し進めてきている最新の状況も含めてお話ししていただきます。
 この他に、今回イギリスからゲストをお招きするということで本企画を後援していただいたブリテッシュ・カウンシルでは、2月26日(月)にナクロ(NACRO)の活動を中心にスターンさんにお話しいただきます。また、一橋大学では28日(水)午後2時から、イギリスの刑務所制度の改革の動向についてのセミナー、日弁連では29日(木)午後2時から日弁連会館2階講堂「クレオ」で、国連被拘禁者最低標準規則などの国際人権基準を実効的に実施していくためのマニュアルとしてPRIが作成した「メイキング・スタンダーズ・ワーク」の意義などについてお話ししていただく予定です。なお、この「メイキング・スタンダーズ・ワーク」は記念講演会までに、日本語に翻訳し、出版できるよう準備が進んでいます。

 現在予定されている来日スケジュールは以下のとおりです。
2月21日(水)来日、22日(木)夜大阪にて講演(予定)、23日(金)、24日(土)京都、広島訪問、25日(日)午後1時〜CPR記念講演会、26日(月)午後6時30分ブリティッシュ・カウンシルでの講演会、28日(水)午後2時から一橋大学にて講演会、29日(木)午後2時から日弁連会館にて講演、3月2日(土)帰国。詳細については当センターまで、お問い合わせください。