NEWS IN BRIEF


事務局からのお知らせ
MSWの出版賛同金を募ります。

「また金か」とあきれるなかれ! ニュースにすでに何度か紹介した被拘禁者処遇最低標準規則などの国際的諸準則を実効あるものとするためのマニュアルMSW(Making Standards Work)の翻訳出版がPRIセミナーまでに予定されている(日本評論社より出版)。そこで出版前ではありますが、MSW出版賛同金を募ります。もちろん出版後はMSWを送付します。賛同金は、弁護士5000円、一般は実費2500円です。必ず「MSW出版賛同金」と明記の上、CPRまで振込んでください。よろしくお願いします。


旭川刑務所の磯江さん、厳正独居解除

95年10月23日、旭川刑務所の磯江洋一さんが厳正独居処遇を解除され、夜間独居に移転し、即日工場へ出役した。逮捕から16年4ヶ月、受刑者となってから13年2ヶ月ぶりに、他の受刑者との生活が実現した。磯江さんは「突然のことで、とまどっている」。CPRとしては旭川刑務所と法務省矯正局の決定を歓迎したい。(次号報告予定。)


95年12月21日死刑執行に抗議する

宮澤法相(当時)によりまたしても3名の死刑が執行された。CPRは死刑の執行に強く抗議するとともに、今後も日本の死刑廃止・執行停止、死刑囚処遇の改善に取り組んでいく。 1月11日に発足した橋本新内閣・長尾新法相に対しても死刑執行停止・死刑廃止を要請しよう。
宛先:〒100 東京都千代田区霞ヶ関1ー1ー1 法務省(または 〒115 東京都北区赤羽台4ー17ー18ー409)
FAX03ー3592ー7011 法務大臣 長尾 立子 様


CPR企画『監獄と人権』出版

益永さんの投稿(13ページ)にある通り、明石書店より『監獄と人権』が出版された。これはCPRニュースレターに掲載された訴訟の詳報を中心に、監獄の人権状況を解説したもの。被収容者の方には特別割引価格(定価2500円を2000円で)でお分けします。書店で、拘禁施設の中の人は事務局まで郵送申し込みで、ぜひ購入してください!


ビデオ『人権小国ニッポン』完成

拷問等禁止条約の批准を求める会が中心となって製作を進めてきたビデオ『人権小国ニッポンー拘禁施設における拷問』が完成した。横浜刑務所革手錠訴訟(ニュースVol.6参照)のほか代用監獄・死刑制度・入管施設なども取り上げ、体験者の生々しい証言をもとに日本の拘禁施設の実態を視覚的に訴える貴重な資料となっている。全55分、定価6000円。(申込先:ビデオ『人権小国ニッポン』製作委員会、電話03-3330-2026)


四国弁連が刑務所調査で決議

95年11月10日高松市で開かれた四国弁護士連合会の定期大会で「…当連合会は、刑務所に対し、刑務所被収容者の刑務所内での処遇などについての人権救済の申立てに対する弁護士会の事情聴取については、刑務官が立会いなくして行われることが保障されるよう要望する」との決議を全会一致で採択した。徳島刑務所などからの人権救済申立を意識したものと思われる。


死刑囚裁判の記録閲覧不許可

死刑判決が確定した刑事裁判記録の閲覧を福岡地検小倉支部が不許可にしたことにつき、石塚伸一さん(北九州大学)が福岡地裁小倉支部に準抗告。地検小倉支部は石塚さんの学会発表を引用し、「死刑廃止の立場から確定判決を批判」「死刑執行を阻止することを目的」「純粋な学術目的と認め難い」とする釈明書を提出していたことがわかった。95年12月26日、石塚さんは「思想信条の自由に対する侵害」と反論する意見書を提出した。


IPWに年次報告を提出

世界の拘禁施設の年次報告書『被拘禁者の状況:レポート1996』を作成中のNGO国際監獄監視機構International Prison Watch(IPW;本部リヨン)に対し、CPRから日本の状況について報告を行なった。統計的データの他、磯江さんの13年ぶりの厳正独居解除、6名に対する死刑執行、横浜・府中刑務所での革手錠訴訟などを報告した。


欧州拷問禁止委がスウェーデンに勧告

91年にヨーロッパ拷問禁止委員会(CPT)はスウェーデン政府に、ストックホルム拘置所の居房と運動区域における換気、被拘禁者に提供される活動が不十分であると勧告。94年10月の訪問では、換気には改善があったものの、改善に時間がかかりすぎたこと、「制限」(注:日本の「接見禁止」、検察が請求する)下の被拘禁者の運動施設利用がほとんど改善されていないことを批判している。被拘禁者は一日の適当な時間(例えば8時間以上)を居房外での有意義な活動にあてるべきとした、前回の勧告をはるかに下回っているとCPTは結論した。
ほぼ未決拘禁者の半数に課されている外部との接触を禁じる「制限」は、未決期間中継続し、上訴すれば刑確定まで続くため、CPTは強く批判していた。今回面会した2名の被拘禁者は、それぞれ17ヶ月間と20ヶ月間、面会・信書・他の被拘禁者との接触を禁止されていた。
スウェーデンの制度は犯罪捜査の必要と制限の賦課との適度なバランスを作り出しておらず、制限下にある者の保護基準の多くを満たしていないとCPTは結論している(PRIニュースより)。