監獄人権センター事務局からのお知らせ
NEWS IN BRIEF


新潟刑務所で処遇の一部改善

今年4月以降、新潟刑務所の被拘禁者処遇が一部改善された。93年NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは拒絶されたが、今年9月のロド・モーガンさんは外国人として初めて新潟刑務所の見学を許可された。これは前滋賀刑務所長の小泉敏氏が新所長として赴任したためと見られる。次号に詳細を報告していただく予定。

ジャーナリストと在監者のアクセス権訴訟

8月10日東京高裁民事第16部(時岡泰裁判長)は、取材目的での面会を不許可とした拘置所長の処分の違法性を、対馬滋さん・名古屋拘置所の木村修治さん(87年死刑確定)が共同で訴えている、ジャーナリストと在監者との相互アクセス権訴訟において、控訴棄却判決を下した。死刑判決を受けた被勾留者と外部者との接見を許可するか否かは拘置所長の裁量的判断にまつべきとする不当な判決。原告側は現在上告中。次号に報告を寄せていただく予定です。

東京拘置所の改築計画浮上

月5日付産経新聞によれば、老朽化著しい東京拘置所の全面改築が96年から7年計画で行われるという。コンピューター制御の警備システムを備えた地上10階地下1階建ての管理棟などが計画されており、定員も現行の2500人から3000人に増やし、代用監獄の解消も期待できる(という)。 CPRとしては被拘禁者の処遇と刑務官の労働条件の改善という見地から法務省に対して要望を提出する予定。

府中刑務所革手錠国賠訴訟の証人尋問

前号掲載の府中刑務所受刑者による国家賠償請求訴訟において、来る12月1日(金)午後2時から東京地裁第511号法廷で、府中刑務所幹部看守らを証人とする反対尋問が行われる。被拘禁者に対する革手錠使用の違法性を真正面から問うこの訴訟の最大の山場です。多くのみなさんの傍聴をお願いします。

ブラジル・サンパウロ州の拘禁施設

ブラジル・サンパウロ州の労働党副委員長エロワ・ピエタ氏からCPR宛に刑事拘禁施設の人権状況についての報告が届いた。これによれば、刑事拘禁施設が当面する課題は以下の通り。
過剰拘禁、時に一人部屋に5人が収容されている。
看守による嫌がらせと暴行。B看守に対する低賃金。
被拘禁者に対する労働と教育の不足。D「半開放施設」の不足。
裁判手続の遅さ。この他、非公式の警察留置場に多くの受刑者が収容されているという。

在外イギリス人受刑者の救援NGO

国外のイギリス人被拘禁者やその家族・知人に情報や助言を与える人権NGO、"Prisoners Abroad"(「国外の被拘禁者」)から連絡を受けた。厳しい通信制限の下、現在10名のイギリス人受刑者と連絡をとっているが、日本では服役後の滞在が困難であることを指摘している。

ハリー・ウーさんが釈放される

北京国連女性会議を前に人権問題がクローズアップされた中国で、「労働改造所」という強制労働キャンプでの人権侵害の実態を人権NGOアジア・ウォッチと協力して告発していた中国系アメリカ人ハリー・ウーさんが7月8日、中国公安当局に逮捕され、8月24日禁固15年と国外追放処分の判決が下されて釈放された。ウーさんは上海生まれ。学生時代の1957年に政治犯として労働改造所に19年間収容され、その後米国籍を取得、労働改造所の人権問題や囚人の臓器売買問題などを告発していた。
詳報:アムネスティ・インターナショナル日本支部
中国調整グループ
〒169 新宿区西早稲田2ー18ー23 スカイエスタ2階

死刑廃止フォーラム95

大きな刑事事件が世間の注目を集める中、「今・もう一度死刑廃止の大きな声を」を合言葉に、「死刑廃止国際条約の批准を求める死刑廃止フォーラム90」と「死刑廃止を推進する議員連盟」は、来る12月2日(土)午後1時から東京・九段会館で「95死刑廃止フォーラム」を開催する。団藤重光元最高裁判事、二見伸明議員、田英夫議員、中山千夏、コント「ザ・ニュースペーパー」、ヤドランカが出演。
連絡先:港区赤坂2ー14ー13 03-3585-2331
港合同法律事務所気付 死刑廃止フォーラム