会場からの質疑応答
Q:一般市民と獄中者の接触の機会は?
A:日本では獄中者へのボランティアはできません。参観も学術研究とか限られた内容で、施設長が許可するような、矯正保護、法曹、大学関係者がほとんどです。
Q:看守が受刑者に暴行するのを見たり、体験したことは?
A:看守が受刑者に?その反対も(笑)。ないとは言えないです、人が人を扱っている所だから。私も看守・看守部長・係長時代は何回かあります。いまでは反省していますが…。
Q:細かい所内規則などは必要か?
A:70年代後半に、終戦直後に採用した経験豊かな刑務官がごそっといなくなった。その後すべてを規則で型にはめていく管理ができ上がったのです。その経験しかなくなっているので、一挙に変えるのは困難でしょう。少しずつ緩和していくしかないと思う。
Q:外国人の処遇はどうなっているのか?
A:1年間で40か国から、730名の外国人が入所。受刑者は男子は府中、女子は栃木に収容されるので、それなりの対応ができる。未決は全国に散らばっているので問題がある。
Q:死刑確定者の処遇はどうなっているのか?
A:中の処遇は未決に準じるが、外部交通はどこの施設でも裁判になっているが、現状は受刑者扱いになっている。
Q:職員に対して国連処遇最低基準等の研修は行われるのか?
A:講義ではやっていない。「実務六法を買って読みなさい」と言われるが、誰も読んでいません。
Q:獄中医療について。
A:250人ほどの医者の定員は埋まっているが、大学病院から交替で来る程度。中規模施設なら医師が一人いて、その指示で看護婦がやるような仕事は準看護士の資格を持つ職員が行う。医師が全てを行う体制にはない。
Q:行刑の密行主義について。
A:受刑者の人権を盾に隠してきた。隠すことで1万7千人の職員全体が疑われるのです。刑務所の必要性をもっとアピールすればいい。職員に口止めするなら、彼らの役割を当局がPRすべきです。
セミナー当日答えきれなかった質問に対して坂本さんが回答を寄せてくださいました。
Q:刑務所内で規律違反があったときの懲罰委員会ではどのように審理が行われるのでしょうか
[これは3年前に小倉刑務所に実際に2年間服役し、懲罰委員会にもかけられた経験をお持ちの方からの御質問です]。