2002年2月23日・監獄人権セミナー

「日本の監獄がタイヘンだ!!―過剰収容と昼夜間独居拘禁をめぐって」のご案内

 「犯罪白書(2001年版)」によると刑務所などに新たに収容された受刑者数は2万7,498人(同12.3%増)で、受刑者の収容率は103.6%。被告、容疑者を加えた総収容率は95.4%でしたが、2001年12月末時点の数字で100%を上回る見込み。法務総合研究所によると、全国の刑務所のうち3割で受刑者が収容定員を超えており、東京・小菅の東京拘置所の建て替え工事も前倒しし、現在6万4,000人余りの総定員を3,000人以上増やすとしています。また、各地の刑務所でも、雑居房に2段ベッドを導入、6人部屋に8人収容、集会室を居房に転用、食堂を改築して収容棟にする、などの緊急対策により、被拘禁者の生活状況や刑務官の労働条件はますます悪化する傾向にあります。

 収容施設の不足が喧伝される一方、2000年10月に植田至紀議員(社民党)が提出した質問主意書によれば、全国の刑事施設において全受刑者の4.43%もの多数が昼夜独居(厳正独居)処遇を受けている実態が明らかになりました。さらに2001年7月に植田議員が行った追跡調査の結果、10年以上、厳正独居とされている受刑者が依然26名いることが判明しました(北九州医療刑(旧・城野医療刑)8名、宮刑5名、岐阜刑5名、大阪刑4名、旭川2名、八王子、広島、各1名)。受刑者をこのように長期間にわたって昼夜独居拘禁に付することは憲法第31条及び第36条、監獄法第15条、監獄法施行規則第27条1項及び第47条、市民的・政治的権利に関する国際規約(国際人権B規約)第7条及び第10条、拷問等禁止条約第16条に違反する重大な人権侵害です(ニュース第28号参照)。
 CPRは、2002年1月11日、この26名の受刑者について、昼夜独居拘禁を止めて集団処遇に変更し、仮釈放が可能な環境調整その他適切な措置を行うよう各刑務所長宛てに勧告するよう求めて、全国8弁護士会に人権救済申立を行いました。
 
 こうした中、実際に厳正独居処遇を体験してきた元受刑者の方と、龍谷大学法学部教授で全国の刑務所の過剰収容状態について調査されている石塚伸一さんにお話を聞く機会を設けることができました。ぜひご参加下さい。

 ■日 時:2002年23日(土)午後3時30分開場、午後4時開演
 ■場 所:日本キリスト教会館6階 7のA・B号室
(地下鉄東西線「早稲田」駅下車、2・3B出口より5分)
 東京都新宿区西早稲田2−3−1 電話03-3205-5411
 ■講 演:元・受刑者の方
  「体験者が語る“ゲンセイドッキョ”」
      石塚伸一さん(龍谷大学法学部)
   「いま日本の刑務所は?―過剰収容の実態」
 ■参加費:300円