司会:お話を始める前に監獄人権センターの副代表である菊田先生にご挨拶をいただきたいと思います。
菊田:どうもお久しぶりでございます。本センターも7年目を迎えたということです。私も、去年出しました『受刑者の人権と法的地位』(日本評論社)という本についで、『受刑者の法的権利』(三省堂)という本を出版いたしました。できれば周りの人たちにも薦めていただきたいと思います。
もう一つ、6月の中旬以降、フランスのストラスブールで、「第1回死刑廃止世界大会」が開催されます。いろいろ知るにつけて、この大会は非常に大きな意義があることが分かってまいりました。免田栄さんを筆頭に、私が名目団長ということになって、被害者の方も含めて、総勢17名が当地に参ります。ヨーロッパ評議会の会期に合わせて開かれるNGO大会で、いろいろの宣言、催し物などが3日間にわたって行われるということで、その間、特に日本とアメリカに向けて死刑廃止を訴えようという目論見があるように聞いております。そのためには日本の死刑の現状を可能な限りいろんな手段を通じて知ってもらうような活動をしなければならないということで、今準備を進めております。
アメリカでは、ご存知のように38年ぶりの連邦刑務所の死刑執行が予定されていましたが、一旦延期され、関係者に処刑の模様がビデオで公開されるということに決まりました。台湾でも2004年度には死刑廃止をしようということを法務長官が宣言しました。いよいよ日本だけが、集中的に批判を浴びるような環境になってまいりました。外圧に頼る訳ではありませんが、21世紀を迎えて大きな動きが出てきたということは願ってもないことで、可能な限り私どもは一生懸命これにかけて頑張りたいと思っております。皆さんのご協力をお願いしてご挨拶とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。