菊田副代表挨拶要旨

「ペルーの日本大使公邸人質事件の背景には刑務所の処遇改善ということがありました。日本の刑務所もあれに勝るとも劣らない悲惨な状態にあります。日本政府は『日本型行刑は国際的にも認められている。』と報告していますが、とんでもないことです。いったい「日本型行刑」とは何ごとか、人権というのが「日本型」だとか「アジア型」だとかいって割り引かれてはならないのであって、人権というのは普遍的なものだと私は思います。
 ただ、前回も申しましたが、私ども市民運動が大きな声を出せば出すほど、当局はそれに何十倍もする勢いで壁を厚くし、向かってくる。ペルーではないですけれども、私どもは事実上、受刑者という人質を取られているようなもので、私どもの運動によってさら人権が侵害されるようなことがあってはなりません。
 昨年、私は『検証・プリズナーの世界』という本を出しまして、その中で「もし目に付くことがあれば連絡を下さい」と書きました。ある在監者から寄せられた手紙の中に、自分が懲罰中に、房の壁に2センチ四方の紙を貼り付けて、それから目線をそらさないように訓練させられたと書いてありました。本当にばかばかしい、こういうことが行われているようです。したがって私どもは細かいことで解決できることはしていかなければならないし、同時に世界的視野からの論点も問題視していかなければならない。私どもに与えられた使命というのは非常に重い。どうやって着実に人権を実のあるものにしていくか、ともに取り組んでいきたいと思います。」