東拘建替署名、合計4506名分を提出。より良い拘置所への改善を求めます。

監獄人権センター事務局


私たちがお願いしていた「東京拘置所建替問題に関する署名」は、96年10月末日集約の1306名分を11月13日に、96年12月末日集約の3200名分を今年1月24日に、それぞれ法務省大臣官房営繕課(施設の施工・管理を担当)と矯正局に提出しました。このような法務省(しかも営繕や矯正局)宛の署名が合計で4506名分も集まるというのは、本当に画期的なことです。弁護士会と法務省との協議にいくらかでも良い影響を与えられたのではないでしょうか。ご協力くださったみなさん、本当にありがとうございました。

96年末、法務省大臣官房営繕課から東京三会東京拘置所建替問題協議会に舎房の構造等、計画の概要が示されました。舎房の窓は高さ70センチメートルの位置に1.2メートル四方の透明な防弾ガラスが入り、左右の端約12センチは房内からの開閉が可能(ただし網戸を設置)。外側に幅1.6メートルの巡視路をはさんで、縦約1.3メートルのすりガラスがはめ込まれ、すりガラスの上下の部分約50センチメートルずつはルーバー(よろい戸の斜めに入った“さん”の部分)となっている。つまり、房内からは防弾ガラスとルーバー部分の隙間を通し、空や地面は見ることができる、というものです。

現在のところ、ルーバーの角度は未定ですが、房の構造自体はほぼ決定、とのことです。確かに全面すりガラスよりは外が見える可能性があるだけマシかもしれません。しかし、イラストからも分かるとおり、「窓際に立てば空や地面がのぞけるハズ」というものであって、当局が房内での座る位置や姿勢までを規制している現状では、それも絵に画いた餅になってしまうでしょう…。

「房内から外の景色が見える構造を」との要望に、おそらくそれなりに応えた結果でしょうし、ある程度評価すべきでしょう。それでもこの計画案から垣間見えるのは、残念ながら営繕課と矯正局という法務省内部においてすら、行刑実務 に関する情報が共有化さ れていないという、情け ないほどの行刑密行主義 の実態なのです。

4月には海外の拘禁施 設の構造等に関して海渡 雄一弁護士によるレクチ ャーが、法務省において 営繕課職員向けにもた れる予定とのこと。一連 の協議を通じて一定の話 し合う前提を共有しつつ あるのも確かです。房の 構造、運動場、日照問題、 死刑場問題等々、この計 画にはまだまだ多くの問 題点があります。最後ま で、少しでもより良い施 設とすべく、ねばり強く 要請していきましょう。