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NEWS IN BRIEF


統一獄組が「面会・差入れハンドブック」

初めて拘置所を訪れて困惑したことはありませんか?こういった方のために、96年1月に統一獄中者組合が「面会・差入れハンドブック(東京拘置所版)」を作成・発行しました。この小冊子は、面会・差入れのやり方を図解入りで非常に丁寧に解説しています。すでに大好評で増刷済み。本来なら法務省矯正局のサービスとして発行されるべきですが…。改訂作業の際には当局との建設的な意見交換が実現するとよいですね。送付希望の方はCPR事務局、または統一獄中者組合(連絡先:東京都荒川郵便局私書箱45号)まで(できれば送料を、とのこと)。


死刑確定訴訟記録、閲覧不許可を取り消す

 死刑囚の刑事確定訴訟記録の閲覧不許可処分の取り消しなどを求めた準抗告で、福岡地裁小倉支部刑事1部(濱崎裕裁判長)は今年3月28日、処分を取り消し、閲覧を認める決定を出した。検察は@死刑事件の記録は法務大臣が執行命令を発するまでは常に使用中、A記録閲覧を認めた場合、死刑確定者の心情の安定を乱し、逃走、自傷に及ぶ恐れがある、B請求者は死刑廃止論者で死刑囚への執行阻止を目的としており学術研究とは認められない、と主張していたが、裁判所は認めなかった。検察は即時抗告し、現在最高裁で審理中。


新民訴法、文書提出命令部分を先送り成立

現在開かれている第136回国会で新民事訴訟法が成立。当初の法案では「公務員の職務上の秘密に関する文書について、その監督官庁が承認しないものは、裁判所の判断手続を要することなく、文書提出命令の除外対象とする」となっており批判が多かった。成立した法では、「私文書については提出を一般義務化する。公文書については一般義務化の対象外、ただし情報公開法の制定後、これと整合する形で見直す」こととなった。拘置所や刑務所での処遇を争点とする国家賠償請求などでは、ほぼすべての証拠類は「公務員の職務上の秘密に関する書類」に属している。情報公開法案の策定には積極的に発言していきたい。


情報公開法要綱案発表、審議すすむ

4月24日、行政改革委員会が情報公開法要綱案を発表し、現在民間・関係省庁から意見を聞いている。要綱案では「不開示情報」として「犯罪の予防・捜査、公訴の維持、刑の執行」といった情報が明文で規定されている。これでは死刑の問題、刑務所・拘置所の処遇など、行刑関連情報は一切公開されないことになる。前述の文書提出命令規定制定の基準ともなるため、非常に重要。10月の要綱最終案発表まで、情報公開の理念を生かす方向での改善を求めていきたい。


東京拘置所改築問題続報

 5月15日に東京三会改築問題協議会と法務省矯正局営繕課との協議が行われた。改築に日弁連やCPRの意見を反映させる見通しは依然厳しいが、営繕課は今後6月中にアメリカ・シカゴ、オランダ、ポルトガルの各刑事施設を視察する、とのこと。今後海外視察を踏まえての意見交換を求めたい。また、日弁連でも各地の施設立替問題の取り組みの交流なども計画しており、今後とも注目していきたい。


映画を通して死刑を考えるシネマ&トーク

来る7月6日(土)17時30分開場、18時開演、東京・有楽町朝日ホール(JR・地下鉄「有楽町」「銀座」駅下車Tel03-3284-0131)で、日本ヘラルド映画の後援、映画『デッドマン・ウォーキング』試写と、ピーター・バラカン、山田洋次、竹下景子の各氏によるトークが行われます。入場料は1500円。ぜひ。
問い合わせ先は死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90(Tel03ー3585ー2331)、アムネスティ・インターナショナル日本支部(Tel03ー3203ー1050)。(本文11ページに記事)


山口刑務所で受刑者の自主性育てる処遇

Y(26歳未満の成人)A(犯罪傾向の進んでいない者)級施設の山口刑務所では受刑者の自発性を育てるため2年前から受刑者自らが選曲し、DJを務める音楽番組があるという。そのリクエストカードを紹介したのが『塀の中のリクエストカード』(山口刑務所編、KKベストセラーズ)。CPRとしても山口刑務所の建設的姿勢を評価したい。同時に山口以外の施設においてもこのような試みが行われることを期待したい。(96年6月6日朝日新聞夕刊より)


入管問題調査会『密室の人権侵害』を出版

『密室の人権侵害〜入国管理局収容施設の実態』が、入管問題調査会の編集で、現代人文社(問い合わせTel 03ー5379ー0307)から出版された。「入国管理局収容施設という密室の中で何が起こっているのか?」を、T部「多発する入管での暴行事件」、U部「知られざる入管行政」、V部「人権保障の観点から」の三部構成で解説する。定価2000円。