アムネスティ発表国際 緊急行動
(2000年6月2日)

アムネスティ日本支部 


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日本:死刑執行の危機にある9人の死刑確定囚
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AI INDEX: ASA 22/02/00
EXTRA 53/00

死刑 / 執行の危険
2000年6月2日

 日本で、現在獄中にある死刑確定囚のうち、最大9人が6月9日付近に、
死刑を執行されるかもしれないという危機にさらされている。日本の死刑執
行は恣意的かつ秘密主義に覆われており、誰の処刑が予定されているか
などについては公式には確認できない。

 死刑の執行は通常、夏と冬におこなわれている。当局はしばしば、処刑の
時期を国会の閉会や総選挙、祝祭日などの時期に合わせる。世論および国
会内での批判をかわすためである。国会は本日解散し、総選挙は6月の25
日の予定である。もし執行がおこなわれた場合は、これは当局が犯罪に対
して厳しくあたるつもりであるという世論に対するアピールであろう。

 執行が危惧される9人のうちの4人は人身保護請求を昨年12月に申し立て
た。また再審請求を申し立てた人がもう一人いる。しかし、こうした訴えがさ
れ、その結果が未だに出ていないにもかかわらず、執行されるかもしれない
という危惧をアムネスティは抱いている。1999年に処刑された5人のうち、人
身保護請求をしていた人が1人、また再審請求をしていた人が1人いた。

 9人のうちの3人が恩赦の請求をしているが、数日前にそのうちの一人の
請求が棄却されている。他の二人についての結果はまだわかっていない。

■背景情報

 日本での死刑の適用は恣意的であり、残虐である。死刑の執行方法は絞
首であり、家族や弁護人も事前には知らされない。また明らかに恣意的に
おこなわれている。通常は月曜日に法務大臣が死刑執行命令に署名し、死
刑執行がおこなわれるのは同じ週の木曜日か金曜日ということになってい
る。今回の死刑執行命令に法相が署名する可能性があるのは、6月5日で
あり、その場合、6月9日付近で死刑が執行されることが危惧される。

 日本の死刑廃止運動団体は来週、9人の確定囚が収容されている東京、
名古屋、大阪、福岡の拘置所を見張る予定である。

 アムネスティは死刑が生きる権利に対する侵害であり、残虐かつ非人道
的な刑罰の極限形態であるとして、日本政府に対してすべての死刑執行を
停止し、すでに下された死刑判決はすべて減刑し、死刑を廃止するための
措置を講ずるよう要求している。

 日本の、死刑存置を唱える人々は、政府による世論調査の結果を踏まえ
て、死刑が世論の圧倒的多数によって支持されていると主張する。だが、こ
うした世論調査は死刑をよしとする立場から設定されている。また重要な点
として、1989年から1993年にかけての事実上の死刑執行停止の期間、そ
れに対する強い反対意見なかったということがあげられる。

■行動要請: 日本政府に対し、以下の内容のアピールをファックス、速達、
E-mailなどで至急送付してください。
・9名の死刑確定囚が執行の危機にさらされていることについて、懸念を表
明してください。
・予定されている衆議院総選挙の前あるいは選挙期間中に死刑の執行を
行わないよう、要請してください。
・国内法において死刑を廃止するまでの措置として、すべての死刑執行を即
時に停止するよう求めてください。
・死刑廃止を目指す「市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二選
択議定書(死刑廃止条約)」を批准するよう求めてください。

■アピールの送付先:
宛先:	内閣総理大臣 森 喜朗
住所:	100-0014 千代田区永田町 2-3-1 首相官邸
E-mail:下記のURLから、アピールを送ることができます。
	http://www.iijnet.or.jp/sorifu/kantei/jp/question.html
Fax:	(03)3581 3883
要請文の書き出し:	内閣総理大臣 森 喜朗 様

宛先:	法務大臣 臼井 日出男
住所:	100-8977千代田区霞が関 1-1-1 法務省
E-mail:	 webmaster@moj.go.jp (法務省ホームページ)
g00680@shugiin.go.jp (臼井日出男事務所)
Fax:	(03)3592 7011、または(03)5511 7207
要請文の書き出し: 法務大臣 臼井 日出男 様

■アピールのコピーの送付先:
新聞社
朝日新聞
住所:	104-8011 中央区築地5-3-2 朝日新聞社 
Fax:	(03)3545 0285 (社会部)
	(03)3593 0438 (司法記者クラブ)

読売新聞
住所:	100-0004 千代田区大手町1-7-1 読売新聞社
Fax:	(03)3245 1277 (社会部)
	(03)3581 0434 (司法記者クラブ)

毎日新聞
住所:	100-0003 千代田区一ツ橋 1-1-1 毎日新聞社
Fax:	(03)3212-0636 (社会部)
	(03)3581-2684 (司法記者クラブ)

ジャパン・タイムズ
住所:	108-0014 港区芝浦 4-5-4 
Fax:	(03)3453 5456 (報道部)

アピールは至急送って下さい。6月30日以降にアピールを送付する場合に
は、アムネスティ・インターナショナル日本支部の「緊急行動(UA)センター」
までご確認ください。

アムネスティ・インターナショナル日本支部	
「緊急行動(UA)センター」(大阪事務所気付)
電話: 06-6376-1496  ファックス:06-6376-0340
E-mail: uacenter@magical2.egg.or.jp

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