名古屋刑務所の元受刑者が、革手錠を使用した暴行で看守らを告訴

2002年11月15日監獄人権センターが記者会見で発表



 11月15日、午後2時より、監獄人権センターは記者会見を行い、次のことを公表しました。
名古屋刑務所の職員らを刑事告訴したことを報告する、監獄人権センターの弁護士
秦 雅子(左) 海渡雄一 監獄人権センター事務局長(右)の両氏
監獄人権センターが作成した、革手錠のレプリカ
数名の看守が収容者の体に馬乗りになり、不自然な体勢のまま身体を強烈に締め上げ、そのまま長時間放置することで、拷問のような苦痛を与えるために使用されている疑いがある。
 告訴人の男性は、2001年10月3日、2002年2月14日・21日の3回にわたって、同刑務所の警備隊長ほかの看守によって、集団で殴る、蹴るの暴行を受け、革手錠によって身体を強く締め上げられるなどの虐待を受けた、と訴えています。
 告訴人の男性は、名古屋刑務所で服役中に、他の収容者がたびたび看守らに暴行を受ける現場を目撃し、その状況を自分のノートに記載していたものを職員から強制的に破棄させられ、またその後、肩をつかんでひきずりまわし、床に倒されるなどの暴行を受けました。
 こうした事実を法務大臣に訴えるために、巡閲官への「情願」をたびたび行ったが、まともな調査もされないまま放置されました。
 男性は、その後発覚した、名古屋刑務所での死傷事件に関して、弁護士に以下のように語っています。

 この間、私はなんとか手段を尽くして、刑務所内の暴行の実態を明らかにして改善を求めようとしました。けれども実際には、訴えを踏みにじられたり、無視されたりして、結局変わりませんでした。私の訴えがもっと早く取り上げられていれば、その後の名古屋刑務所での死傷者が生じることもなかったと思います。