コスタリカの平和と協力

市民O

 かなり前に防衛大生(と称する人)と電子メールを使って、武力は国家にとって必要か否かと言うテーマで、しばらく論戦をしたことがありました。その過程ではっきり分かったのは、先方の思考形態としては、軍事は国家にとって必要不可欠との基礎の上に立って、様々な状況を構築しているだけということでした。これでは、論争するだけ無駄であって、国家にとって軍事は不要かどうかを見つけることは不可能でした。かなり真剣に取り組んだだけに、本当にがっかりしました。

 そこで、軍事を取り入れないで、国家を構成できるものかどうか、はっきりと理論構築が出来ないものかと、しばらくの間、模索をしていました。ところが、すでにその実例があったのです。それが「コスタリカ」だったのです。しかも、50年以上もその体制を維持しているというのですから、一時的な体制で無いことは確実です。軍事を取り入れない国家は成り立つものであることはすでに証明済みでした。あとは、それぞれの事情に従って、いかにして実現するかだけだったのです。

 日本では、憲法で非戦を宣言しています。しかし、実際には世界第二の軍事大国です。現在の日本は不景気とされています。国家財政は天文学的な借金を抱えています。そのような危機的な財政状況にもかかわらず、自衛と称する軍事費に、毎年数兆円も浪費しています。しかも、この中には軍人恩給などの退役軍人関係の経費は入っていませんので、実質的には、この数倍が軍事費として、むなしく消えています。この軍事費が無くなれば、日本の国家財政はかなり緩和されるのではないでしょうか。これだけ考えても、日本を 非武装国家にする意義は十分にあります。

 コスタリカは地続きで隣国との国境を接していますので、軍事侵略の危険性が常にあるでしょう。しかも、隣国では長い間の内戦が続いていますので、ちょっとした情勢の変化で、隣国の軍隊が進行してくることは、当然に考えられます。そのような悪条件でありながら、50年もの間、非武装を貫いてきたのです。

 ひるがえって、日本では国境は海です。外国に出かけることは「渡航」という一大事なのです。歩いては、絶対に国境を越えることは出来ません。これを逆に考えれば、これほどまでに、外国からの侵略が出来にくい地理的条件を持った国は他には無いのではないでしょうか。しかも、強い経済力を持っています。勤勉な国民性も有しています。コスタリカに比べれば、はるかに非武装が容易な条件がそろっています。このような好条件の中で、非武装国家の建設が出来ないはずはありません。さらに、憲法でも、非武装宣言をうたいあげているのです。「実現は可能」との大前提は、絶対に間違いありません。実現に向けて邁進するか否かの心持ち一つと思います。

 私は、インターネットを市民運動に活用するための市民団体JCA−NETの理事をしております。微力ながら、こちらの方面で、何らかのお手伝いをさせていただきます。

 最後に、コスタリカの鉄道のことで考えたことを述べます。路線はあるのですが、かなり前の災害により甚大な被害を生じて、未だに完全に復旧できないため、残った細切れの路線を使って、細々と貨物輸送のみに使っているとのことです。今後、ハイテク産業の誘致を国家事業として、経済成長を行っていくと聞きました。そうであるなら、そのインフラとして、鉄道は重要な位置を占めるのではないでしょうか。

 ひるがえって、日本の鉄道事情を見るに、斜陽産業とまではいかないでしょうが、かなりの縮小を余儀なくされておりますので、鉄道技術者の失業が少なくないと思われます。外国に居住できる方は、鉄道復旧ボランティアとして、コスタリカの鉄道復旧に貢献されたら、お互いの利益につながるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?この鉄道の話は聞きかじりですので、詳しい状況は分かりません。また、私は鉄道技術は知りませんので、実状を聞いても、全く役に立たないと思います。どなたか、調査をお願いできないでしょうか。


インデックスページに戻る