「千葉市の2つの制度導入の動きにNPOはどう取り組むのか?
(NPO法人条例個別指定、プラザ指定管理者)
〜8月31日「千葉市『市民自治』に係る提言」報告会から」

千葉市は来年4月から、2つの制度の導入〜@NPO法人条例個別指定制度(一定の基準に適合するNPO法人を市が条例で個別指定する制度)、A千葉市民活力創造プラザ(以下、「プラザ」という)に指定管理者制度〜を目指しています。10月にも関係条例案のパブリック・コメント手続き、12月市議会で審議・採決というスケジュールが考えられます。
前号(第66号、7/19発行)では、昨年度開催したプラザ「市民自治げんき塾」公開講座を踏まえた当センターの「千葉市『市民自治』に係る提言」を紹介しました。この提言の中に、上記の2つの制度の導入も含まれています。
8月31日にプラザで開催した報告会では、上記の差し迫った2つの制度導入への取り組みについて情報・意見交換をしました。
ともかく行政主導で制度を導入すればよいというのではなく、「地方自治の原則」=「市民自治」を尊重し、当事者が対話し議論を積み重ねるという手続きを踏みたいものです。
そのためにはNPO側からの積極的な提案、働きかけが不可欠です。
本稿では、当日出された意見を簡単にまとめてみました。
■NPO法人条例個別認定制度について〜指定基準のハードルを下げる
・「市民から一定の支持を受けている法人を指定する」という要件から、例えば「市民等の寄付金の経常収支額に占める割合が10%以上」「年間3000円以上の一定額以上の寄附者が平均50人以上」の規定がつくられるのが一般的だが、スタート時は、会員(理事を除く)からの寄附も含める、1万円×20人なども可とする、市民等には千葉市民以外の人からのものも含めるなど、「一定の支持」の要件を緩和することにより、制度の目的である「市民の寄附の促進及び認定NPO法人の増加」を図る。
・審査結果に対する不服を言える場を設ける。

■プラザ指定管理者制度化について
・条例案本文のみならず、管理要領、評価基準、審査結果などすべてオープンにして議論することが基本。
・NPO側も個々のNPOが「安売り」で自分の首を絞めるのではなく、行政との対等な協働・パートナーシップを推進する拠点に相応しい管理運営のあり方を考えるべきだ。たとえば、八王子市民活動支援センターは公募によらず特命で八王子市民活動協議会(H24年3月末現在、正会員99名(内、団体62、個人60))が.選定されている。八王子市では、地域に密着したコミュニティ関連施設など、市民との協働を推進するという市の政策に沿った施策展開を行う場合、公募の例外として特命により選定を行うことができるとされている。

■これから
今後、あまり時間もありませんが、10月後半には市民研究所として八王子市民活動センターを訪ね、管理運営の実態、経緯について調査する予定です。情報を収集し、できる範囲でNPO,市民に呼びかけ、行政、議会に積極的に働きかけていきたいと考えています。
(市民研究所・川本幸立)

追記
・「千葉市指定特定非営利活動法人の指定の手続き等に関する 条例(案)パブリックコメント実施中(平成25年11月1日〜12月2日):千葉市ホームページ参照

・千葉市市民活動支援センターの指定管理者募集の案内(応募期間 平成25年11月18日〜22日) :千葉市ホームページ参照




BACK