No.0201

2002年は民衆の世界への飛躍の年

紅茶農園にエクスポージャー:APWSL総会(1998年 スリランカ)

APWSL日本委員会 共同調整委員  渡邉 弘

 APWSL日本委員会の会員の皆さん、そして国際連帯活動を日々追及している皆さん。新しい年を、決意を新たに迎えられたことと思います。今年は3年に一度のAPWSL第8回総会が1月26日から29日にかけタイのバンコクで開催されます。
 前回のコロンボ総会から3年、世界経済のグローバル化がますます進行し昨年の11月にドーハで開催されたのWTO(世界貿易機関)閣僚会議では「中国と台湾」が
新ラウンドに参加することになりました。世界をまたにかけ労働者からの汗と血から富を奪う多国籍企業とそれを支える少数の富める国家が新たな市場を奪い合いという構図が一層明らかとなってきました。
 昨年、グローバルビレッジ日本が開催した『フェアトレードキャンペンーン』で来日した衣料労働連盟(APWSLバングラディシュ委員会の構成団体)書記長のアミン氏は児童労働や女性労働者の劣悪な状態を報告した上で「世界的に有名なメーカーもバングラディシュで衣料を生産している。年間の収入が220ドルの労働者の生産するものが先進国で高い値段で売られている実態を理解してもらいたい。せめて衣服を身に着けるとき貧しい国々の労働者の姿を思い浮かべてもらいたい」と訴えました。一日働いても100円の賃金しか手に入らない労働者、それが原因で争議が起き
れば資本が他国へ移るだけ。そうした多国籍企業が競争のためのルールを作るWTOは暗黙の了解事項があります。それは、私たち民衆が国境を超え「底辺に向けた競争」を強いられることを前提としているということです。
 APWSL日本委員会は関東と関西に事務所があり、両委員会が車の両輪のように機能しています。関東では「底辺に向けた競争」に対抗する視点を探るため00年、01年と連続したセミナーを開催し、関西では様々な労働団体や市民団体に積極的に係わり合い「下からのグローバル化」を作り上げようと活動を展開してきました。
 1999年11月WTOシアトル閣僚会議が多くの第三世界と労働運動、市民運動の共同した行動によって失敗に終わりました。この年以降、IMF、世界銀行総会、サミット等世界の富を独占する国が集まる会議の度ごとに民衆の側でも世界的な規模で対抗会議や集会が開催されてきています。
 昨年11月関西、関東と相次いでATTAC(市民のために金融投機に課税を求めるアソシエーション)日本委員会が結成されました。反グローバル化の運動が肌に触れることができるようになってきた兆しであります。
 APWSLの役割はこうした状況の中でますます重要な位置を占めるようになってきました。APWSL第8回バンコク総会はアジア太平洋地域における草の根レベルの国際連帯運動の真価が問われる総会となります。

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