7・4反G8札幌行動・集会宣言

7.4札幌集会で採択された集会宣言です。

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抑圧された者たちの連帯でG8サミットを葬り
新自由主義による残虐な支配を打ち破ろう!

「貧困・不安定雇用・社会的排除はもうたくさんだ!反G8札幌行動」
7・4集会宣言

 格差と貧困は絶望的なほどに深まっている。世界的規模で富を独占し政治権力を行使する一部の者たちは、新自由主義というイデオロギーを振り回し、非人間的な抑圧と搾取を誤魔化し、正当化してきた。この弱肉強食の市場原理絶対主義により、今や、世界の上位資産家10%が世界の資産の85%以上を所有しており、下位50%の人々の総資産は世界のわずか1%にしかならない(2000年のデータに基づき2006年に国連大学世界開発経済研究所(UNU-WIDER)が発表)。
 G8サミットは、このような新自由主義グローバリズムを世界各国に押し付け、世界の政治・経済を牛耳ってきた。わずか8カ国による世界の談合支配という傲慢さは、まさに新自由主義の本質的な不平等・非公正性と同じ顔を持つものである。特に94年の労働大臣会合の開催以降、G8サミットは「労働市場の改革」=雇用の流動化・不安定化と「社会保障の適正化」=失業保険や生活保護などのセーフティーネット・所得再配分策の削減を、毎年繰り返し主張してきた。途上国への援助や債務放棄などの決定はことごとく反故にされてきたにもかかわらず、労働市場の自由化・流動化と社会保障の削減は、各国で着実に進められてきた。その結果、途上国においても先進国においても、雇用は一層不安定化し、格差と貧困が深刻化し、福祉施策は切り捨てられ、社会的弱者は排除され、基本的人権が脅かされている。

 私たちは、失業者、ホームレス、日雇労働者、不安定低賃金労働者、移住労働者、移民、土地無し農民、女性である。障がい者、セクシャルマイノリティ、民族的マイノリティである。スラム住民、被差別民衆である。所得の機会を奪われ、また、働いても貧困ライン以下の収入しか得られず、公共サービスや社会的インフラからも排除され、社会の底辺で苦しむ私たち・仲間たちは、生活の形態や場は異なっても、同じ新自由主義政策の犠牲者である。
 貧困と不安定雇用と社会的排除にさいなまれ苦しめられてきた私たちは、今日、それぞれの生活現場、労働現場、闘いの現場から、そして日本の各地から、世界の各地から、G8サミットが開催されるこの北海道の地に集結した。それぞれが置かれた社会状況は表層的には様々であれ、いずれも新自由主義による深刻な犠牲者であることを、今日のこの集会で私たちは確認した。そして、この悪魔の支配を断ち切るために、私たちはそれぞれの個別状況と個別課題の枠組みを乗り越え、広範な連帯による意思表示と闘いを展開することをともに確認しよう。

 先の新潟における労働大臣会合における議長総括にも見られるように、現在の新自由主義政策が格差を生み出していることを、G8諸国はしぶしぶ認めざるを得なくなっている。しかし、忘れてはいけない。やつらは、わたしたちが告発する諸問題を理解しているかのような口ぶりをしながら、新自由主義が持つ非公正な本質を「ささやかな負の一面」として矮小化し、個別の課題について恩恵的な支援策で誤魔化すことを常套手段としている。
 わたしたちが要求するのは、そのようなふざけたまやかしの対応などではない。新自由主義というイデオロギーを完全に放棄し、それに基づく各種政策を転換して、労働者の権利や所得の公正・公平性、生存権を含む基本的人権の完全なる保障を要求しているのである。G8首脳に助力をお願いしているのではなく、G8サミットの自己解体を要求しているのである。
 歴史的に支配者は、被抑圧民衆を相互に対立させることで支配体制を維持してきた。しかし、今日ここで打ち固められた私たちの連帯は、限定的・恩恵的な支援策で切り崩されるものではない。私たちは、支配者が求めるような底辺に向かう競争を拒否し、それぞれの直面する課題と地域を乗り越えて広範に連帯し、新自由主義グローバリズムにNO!を突き付ける。それぞれの闘いに呼応し、地球の裏側からでも連帯の行動を起こす。そして、抑圧と搾取のない平等かつ公正な社会=「another world」を獲得するまで、闘い続けることをここに宣言する。

搾取・抑圧される者たちの連帯で、新自由主義による残虐な支配を打ち破ろう!
経済的強者による世界支配=G8サミットを葬り去ろう!

2008年7月4日
「貧困・不安定雇用・社会的排除はもうたくさんだ!反G8札幌行動」
集会参加者一同