7 ビラまきへの弾圧について 12月23日の東京・葛飾での出来事 (2004年12月27日記)

 昨日(26日)の一般紙(『朝日』、『毎日』)に報じられたことですが、『赤旗』では前日の25日付けの社会面トップにこの出来事は報じられていました。12月23日に東京・葛飾区で起こったビラ撒きをしていた人の逮捕事件です。
 Aさん(47歳)は、日本共産党の「都議会報告」「区議団だより」などを、マンションで配布していて逮捕されたのですが、一般紙の報道では、逮捕時の詳しいことが報じられておらず、そのときのかなり異常な状況が明らかにされていないので、『赤旗』の記事の一部を以下に引用します。

 ……Aさんは「都議会報告」や「区議団だより」などを七階建てマンションに配布中、部屋から出てきた男に「何をまいているのか、迷惑だからやめろ」と呼び止められました。「正当な政治活動ですが、あなたが入れてほしくないのなら、入れませんので何号室ですか」といって部屋の番号を確認しようとしたとこ話で警察に「PC(パトカーのこと)で来い」「ガラ(身柄のこと)はおさえた」「警備課につなげ」などと警察用語を使って連絡しました。Aさんはやってきた警察官とともに亀有署に行ったところ「住居不法侵入」容疑で逮捕されました。
 また、同著は二十四日午後六時すぎ、Aさん宅の家宅捜索までおこないました。捜査官十数人を動員し、玄関前を封鎖、党地区委員会の立ち会いを認めないなどの異常なものでした。……(『赤旗』12月25日、15面トップ)

 この『赤旗』の報道が事実とすれば、この逮捕は、明らかに警察による計画的な行動です。その場から警察に電話をした男の話し方の内容からして、これはどうみても警察官か、公安調査庁の人間でしょう。Aさんが入った部屋の住人が、たまたま警察官の家だったということもあるかもしれませんが、それよりも、Aさんの行動をずっと尾行して監視し続けていた警官が、先回りをしてこれからビラを入れるであろう部屋に入り込んで、Aさんが撒きにくるのを待ち受けていた、と推測するほうが 確率は高そうです。とにかく、立川の3人を75日間も拘留したというのは、極めて異常な抑圧措置でしたが、今回の葛飾の逮捕も、その状況は異様すぎます。マンションの郵便受けにビラを入れるのが「住居不法侵入」だとされるのならば、政党や市民団体などの正常な宣伝活動はほとんど不可能となってしまい、立川の無罪判決がのべたような、「優先的地位が認められる」べき民主主義社会の根幹をなす」「政治的表現活動」が禁止されることになってしまいます。
 この逮捕は、立川市の自衛隊監視テント村の活動家3人の無罪判決がおりた直後であり、今度 の逮捕事件の翌24日には、東京地検八王子支部が、テント村活動家の無罪判決について東京高裁に控訴しています。
 権力は、この立川での無罪判決に、強い危機感を抱いたのでしょう。とにかく、軍隊になるべき自衛隊の官舎に対し、市民が反戦ビラを撒くのが認められるなど、絶対に許せないと思い、反撃に出てきていると見るべきだと思います。
 市民の側からの、これに対するいっそう強い反撃が必要だと思います。、