70 節分も過ぎて……。いろいろなこと。 (2012年02月06日  掲載)  

 前号で今年の初めのことをいろいろと書いたのですが、それからもう一月が過ぎ、節分も過ぎてしまいました。こひと月の間にも、何やかといろいろありましたので、あったこと、やったこと、感じたことなど、順もなしに並べて
みます。お急ぎの方はどうぞ飛ばしてください。

◎誕生日のお祝いのおもちゃ 節分が過ぎて2月5日となると、連れ合いの祐子の誕生日でした。私の誕生日はまだ来月なのですが、今年はなぜか、少し早いけれど……と、私の誕生日のお祝いを送ってくださる方がいました。セガ・トイズの「夢いぬ ラスラドールレドリバー」です( 左の写真)。35センチほどの大きさで、中に電池が入り、いろいろと動くおもちゃの犬なのですが、頭や背中、頬などを触ると、いろいろな動きや声を出します。手を叩くと音のする方向を向き、話しかけると答えて反応したりするのです。説明書の対応表にあるようにはなかなかうまくその通りには動かず、あまり頭がいいとも思えないのですが、いろいろ触ったり、「いぬ!」とか「うーワン!」「バカ!」などとどなってりして、結構、時間を忘れてしまいます。この説明書には、「対象年齢4才以上」とありました。81歳になると、こういう玩具がまたちょうど合ってきているとでも思われたのでしょうね。

◎横須賀に2度行って。服部学さんのお別れ会 1月中に、1週間内2度、横須賀まで車で行ってきました。私の家からですと、第2横浜線の高速を通ると2時間少しで横須賀に行けます。一度は、前号の本欄で書きました1月10日に亡くなられた横須賀市民グループの活動家で物理学者、服部学さんの「お別れ会」でした。普通ですとお通夜、葬儀ということになるのですが、服部さんの集まりは、仏壇も僧もなく、花と写真が飾られたお棺の前に花を添えるだけの形だけで、あとは美味しいワインや食べ物のたくさん並べた部屋で、服部さんへの思いが多くの人たちから語られる集まりでした(右の写真)。服部さんは、元立教大学原子力研究所の所長もされており、最初は原子力の平和利用への研究をされていたのですが、途中でそれを批判されるようになったようで、所長も辞退されました。原水爆禁止運動では、最初から原水爆禁止日本協議会に参加、そこでの専門委員の活動をされていましたが、原水爆禁止運動の分裂には強い批判を持ち、例えば、原水協(後に共産党系)と原水禁(途中で作られた社会党・総評系)とのそれぞれのバッジを並べて胸につけて原水協の集まりに出るようなことまでしました。分裂・対立が激しくなってからは、原水協からも離れ、夫人の翠さんとともに、横須賀の市民グループで米軍海軍基地への反対運動などで活動を続けました。私は、服部夫妻と一緒に1986年に、NLP(夜間発着訓練 Night Landing Practice)基地建設反対運動で、三宅島まで多くの活動家とともに船ででかけたこともありました。1993年の10月、横須賀の第8回「でピースフェスティバル」での憲法展示で、服部さんが出したスケルトン・クイズは名作だと、高い評判を受けました。右のクイズ、どうぞお考え下さい。
 夫人の翠さんは、「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の機関誌『便り』に、ほとんど毎号に「潮風の町から」という連載エッセイを載せられていますが、昨年には、それまでのものをまとめた著書として潮風の町から』非核市民宣言運動・ヨコスカ発行 ¥800)が発行されています(左の写真)
 
◎ベン・シャーンの展示会 2度目の横須賀は、神奈川県立近代美術館で開催された「ベン・シャーン クロ スメディア・アーティスト」展に出かけることでした。昨年12月初めから今年1月末に開催されたものですが、友人の太田昌国さんの賀状に、「今年の事始めは、『ベン・シャーン展』鑑賞でした。ナチス占領から解放されたパリを思って描いたという『解放』は、いつ観ても子どもの表情に硬さがあって、タイトルと登場人物の表情の間にある齟齬が、この作品の深みなのかと思えてきます。久保山愛吉さんを描いた作品は福島(!)県立美術館所蔵なのですが、「福竜」の訳語はなんと“Lucky Dragond”です。その伝でいけば「福島」ぱ“Lucky Island”だというカタログの文章があって……。」と書いてありました。この2点だけでもぜひ観てほしいと思ったのです。
 展示を観てゆくには、まず2時間か2時間半ぐらいはかかるだろうと思っていたのですが、実際は3時間半以上かかりました。とにかく、よくもこれほど多くの作品を、個人所有のものも含め、全国、全世界から集めたものだと感心するほどのたくさんの展示品でした。そして、衝撃的な久保山愛吉さんの肖像の絵(右の写真)はもちろん、それ以外にも心を打たれたり、いろいろな思いを浮かばせたりする作品がたくさんありました。ぜひ多くの方に観てほしいと思い、知人や運動の仲間たちに勧めましたが、関東地方では神奈川の美術館の展示が残念ながら1月で終わってもうありません。2月11日から3月20日までは名古屋市の名古屋美術館、4月8日〜5月20日は岡山県立美術館、そして6月3日〜7月16日は福島県立美術館で開催が行なわれます。近くの方は、ぜひご参加ください。東京、関東の方でも、まだの方は名古屋や福島まで出かける価値はあると思っています。

◎ビキニ・デーと『ここが家だ』
 もうすぐ3月1日がきます。その日は、ご承知のように1954年、ビキニでアメリカの超水爆の実験が行なわれ、「第五福竜丸」の被爆を受けた日でした。ベン・シャーンがこのことを扱った絵本があります。2006年に刊行された絵=ベン・シャーン、構成・文=アーサー・ビナードの『ここが家だ――ベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社刊 1680円)です(左の写真)。これは第12回日本絵本賞を受賞した本でもあります。これも絵も文も凄いとしか言えない絵本(「凄い」と言っても、決して眼をふさぐような怖い絵などではありません)です。まだの方は、ぜひご覧になってください。

◎二つの演劇のご紹介 絵画と写真などの美術展のことを書きましたので、続いて文化的な話を続けます。近く東京で行なわれる二つの催しです。(左の二つの写真、クリックすれば、大きく読めます。)
 一つは2月25日(土)〜26日(日)に銀座8丁目の「博品館劇場」で行なわれる「ミュージカル わだつみのこえ」です。昨年秋にわだつみ会も支援したこのミュージカルが高く評価され、再演されることになったのです。25日(土)は18:00から、26日(日)は14:00からと18:00からの3回です。料金は全席指定で7,000円です。詳しくは主演の「ミュージカル座」の公式WEB http://www.musical-za.com/ をご覧ください。電話の問い合わせは 048-825-7460です。
 二つ目は、3月28日(水)18:00〜に六本木の「俳優座劇場」で行なわれる集まりです(会費:1,000円)。「俳優座9条の会」と「みなと・9条の会」の共催で、ここでは、「群読日本国憲法」(構成:吉原公一郎。演出:安川修一)で、神山寛、小笠原良知、ほか劇団俳優座、青年劇場、一般の人も含めた登場の群読です。つくった吉原公一郎さんは、何十年前からの知人です。また、この群読とともに.長野県の「無言館」館主、窪島靖一郎さんの「『無言館』のこと」という講演があります。前売り券の郵便振込口座は、00150-0-482483 で、電話連絡は 03-3586-3651 です。どちらも参加するつもりですが、みなさんにもお勧めします。
 なお、俳優座と吉原公一郎さんと言えば、今年の11月に吉原さんの作品「世紀への黙示録」、「破談」を踏まえた戯曲『いのちの渚(仮題)』が俳優座によって上演されます。演出は落合真奈美です。この小説は、22年も前に、吉原さんが原発事故のシビア・アクシデントを想定して連載されていたものですが、東電の圧力で連載を中止に追い込まれ、また、20年前には劇団民芸が上演されるはずだったのに、それも中止に追い込まれたものでした。3・11事故があったこともあり、やっとこの戯曲が上演されることになったわけですが、吉原さんは、私への賀状の中で、「作品の上演は嬉しいことですが、原発事故が小生の妄想であった方がもっとよかったのですが……」と書かれていました。この上演についての
詳細は、俳優座の以下のサイトを見てください。 http://www.haiyuza.net/公演案内/2012年-いのちの渚-仮/ 

◎「無言館」の絵のことと「意見広告運動』のこと
 私が主要に参加して運動の場にしてもらっている市民グループ「市民の意見30の会・東京」では、機関誌『市民の意見』の表紙に毎号カラー印刷で、この「無言館」の絵を一点ごとに紹介していますが、これはとても評価されています。ありがたいことに、『市民の意見』は毎年、読者の数がどんどん増加しています。年2,000円ですが、未加入でしたらご参加して下さいませんか。この会は、毎年、5月3日に全国商業紙ほかに平和憲法・反自衛隊派兵反対などの全面広告を掲載しています。昨年からは反原発の問題も大きくふれました。今年も5月3日に意見広告を載せます。現在、賛同の支援を訴えているところです。詳しくは、意見広告運動のWEBをごらんください。http://
www.ikenkoukoku.jp/  この「意見広告」HPの直近1ヶ月のアクセス数は、5,000件でした。ちなみに「意見30の会」HPの直近4ヶ月の件数は、1,440件でした。このアクセス件数は意見広告運動への注目度がかなり高いことがうかがえるかと思います。

◎西東京市での反原発デモなどの運動 私の住んでいる西東京市は、地域での反原発行動としてはわりと活発だと思っています. 本サイトの「ニュース欄」の.236には、12月のデモの報告として「脱原発の12.4西東京集会・デ」を載せました。この市内での第5回目のデモが2月にあります。2月26日(日)13:30 西東京市役所田無庁舎市民広場(西武新宿線田無駅南口下車 徒歩3分)集合です。デモは13:30〜 市民広場〜田無駅周辺〜青梅街道〜西武柳沢駅周辺〜しじゅうから公園で、15:00〜からは、フリートークが、しじゅうから公園&柳沢公民館(17:00終了予定)でありますお問合せ先は、TEL&FAX:柳田さん 042-461-3246 /阿部さん TEL 042-424-3410(夜間) メール: nonuke-ntyo@nifty.com  twitter:http://twitter.com/nonuke_ntyo/ です。左のポスターをクリックすれば、大きな画面になります。
 また、2月18日(土)の午後には、柳田真さんの講演会「東京電力福島第一原発事故から1年」が、西東京市柳沢公民館(西武新宿線西武柳沢南口下車徒歩1分、地図は 
http://g.co/maps/zyxkw )の視聴覚室で行なわれます。資料代:100円。主催「原発はいらない西東京集会実行委員会」、連絡先は 090-7832-2524 谷川さん先です。(予約不要)

◎まったく個人的なこと 一番最初に個人的な誕生日のことなどを書きましたが、最後もまったく個人的なことです。
 前号で母の白寿の話を書きましたが、母の誕生日祝いとして、福寿草の鉢と芽のふくらんだボケの鉢を贈りました。ボケは鉢だけにして、頭にはそうしないでね、と言っておきましたが、喜んでいました。そして、前号で紹介した駄洒落のような文が、本号の『市民の意見』の「読者のおたより」のトップに載せられることになりました。これ、吉川さんのお母さんなの?と何人もの方から言われました。依然元気で、新聞などに載っていたクイズの文章つくりを毎日考えていたりしています。どうも、100歳まで行きそうですね。ボケたのは、私の方が進んでいるようです。脳梗塞の結果なのか、それとも関係のない脳軟化症かアルツハイマーになっているのか わからないのですが、言葉が出なくなる状態がますますひどくなっているようで、当然知っているはずの名詞や動詞がヒョッと出なくなるのです。別の機会には出てくることがあるのですが、ある時期には、いくら考えても、その言葉が頭に出てこないのです。とくに食品の名前などがひどく、スーパーで物を買うのに困ってしまうこともあるのです。それで、情けない話ですが、手帖には、例えば「野菜――アスパラガス(茎)、ブロッコリ(緑、蕗に似てる)、セロリ、うど、三つ葉、春菊、青梗菜(チンゲンサイ)、青葉、茗荷……」とか、「食品――マヨネーズ、マスタード、ケチャップ、わさび、生姜、芥子、ナンプラー(魚醤)、山椒、木の芽……」などと書いています。パッと出ないとき、手帳を見るのです。困ったことです。文章を作ることもとても難しくなり、時間がえらくかかるようになっています。
 このサイトの中で、以前、寒くなって水の使いに指が荒れて困ると書いたことがありましたが、親指や人差し指の皸(赤切れ)はひどく、台所仕事が辛くなっています。でも、食事つくりはとても好きになってきて、つぎつぎとレシピが増えています。先日につくった大根と牡蠣の味噌汁は、簡単なものでしたが、味噌汁とはこんなに美味いものか、とあらためて感じる思いでした。一昨昨夜の鶏のから揚げも、一昨夜の麦とろめしも、また今夜の寄せ鍋も旨く食べました。もっとも、失敗もあり、先日は、賞味期限を3日ほど過ぎた生スルメ烏賊を、まだ大丈夫だろうと思って、ワタまで使って大根との煮物を作って食べたのでしたが、直後からひどい胃痛となり、汚い話で申し訳ありませんが、2度も吐瀉をすることがありました。生ものの賞味期限はやはり気をつけなければいけないですね。  以上、駄文を失礼いたしました。