44 遅まきの年頭報告 (2009年01月28日  掲載)  

 ちょっとこの個人サイトの更新の間が空くと、吉川は死んだのか、という問い合わせが、本人ではなく、近い友人たちのところに来るそうです。ご心配くださっているのはありがたいのですが、どうぞ、死んだかと思われる方は、ご遠慮なく、直接、電話なり、メールでお問い合わせください。 昨日は、直接のそういう電話をいただきました。「吉川さん、生きてるか? 女とお金以外で不自由してることはないか? その二つ以外なら、なんでも手を貸すぞ」といった電話でした。
 あまり、周辺にご心配を掛けては申し訳ないので、遅まきの新春ご報告を書くことにいたします。結構、なにやかやとあって忙しく、ベ平連のサイト(そちらもぜひご覧ください )のほうは、更新しているのですが、個人のほうはつい後回しになってしまうのです。
 「ご案内」欄にお誘いしたい行事の予定を載せました。そこでお会いしませんか。本来なら、事前にお知らせすべきだったのですが、1月17日の阪神淡路大震災14年目の日には、四谷駅前の聖イグナチオ教会で小田さんの業績を偲ぶ会があり、澤地久枝さんや宮田毬栄さんらと一緒に、私も、議員=市民立法運動などについてお話しました。この集会の簡単な報告は、ベ平連のサイトの「ニュース」欄に出ています。
 賀状について
 左に、私ども夫婦が今年差し上げた恒例の連名の賀状を掲げます。図をクリックしてくださると大きくなります。みなさまからも多数の賀状をいただきました。ありがとうございました。当たったお年玉は、年賀切手シートだけでしたが、10通もありました。これから郵便局へ行って、受け取ってくる予定です。暮れの大ジャンボ宝くじは、10枚買って、300円が1枚だけでしたが。1億あたれば、一人でも、反改憲の新聞意見広告を出そうなと、話し合っていたのでしたが残念でした。
 ところで、賀状ですが、連名のものを数年続けてきましたので、やめられなくなってしまいました。楽しみにしているというお便りもずいぶん頂き、「喪中なのでこちらからは賀状は出さないが、そっちからの賀状はほしい」などという依頼も、年末に何通かいただいたほどです。喪中のご挨拶のはがきを年末にいただいた方には、賀状は差し上げませんでしたが、年が明けてから、ほとんど同文の寒中お見舞いをお送りしました。
 「天国」の呼称については、「天郷」、「天園」ではどうだ、という示唆もいただきました。髭の写真には、賛否両論です。結構いいじゃないか、というご意見も多いのですが、「絶対反対、すぐ剃りなさい」という勧告だか、命令だかも何人もの、それも女性からいただきました。 あご髭は、放っておいたらどこまで長く伸びるものか、いささか関心がありますので、しばらくはこのまま(右の写真をクリックすると大きくなります)にしておこうかと考えているのですが……。
 ベ平連についての図書つぎつぎと
 
年末から年始に掛けて、ベ平連についての出版が続いています。小中さんの本についてはすでに書きましたが、それに続けて、ラミスさんと花崎皋平さんの著作が出ました。前者は、文化人類学者の辻信一さんがラミスさんにインタビューして、これまでのラミス           さんの活動と考え方をいろいろ語ってもらっている本で、どうして日本に関心を持ち、日本に住むようになったか、ベ平連との関係はどんなであったかなど、これまで語られなかったこともたくさん出てくる興味ある本です。タイトルは『エコとピースの交差点――ラミス先生のわくわく平和学』といい、大月書店刊 1,200円+税です。後者は、『風のふきわける道を歩いて――現代社会運動私史』、七つ森書館刊 2,000円+税で、これは
、「さっぽろ自由学校『道』」が2007年度の後期講座として開催した「花崎皋平が語る現代の社会運動―その歴史と思想」をもとにつくられたもので、60年代後半から現在に至るまでの日本、そして北海道の社会運動について、当事者として運動に関わりながらその思想を紡いできた花崎さんの個人史を交えて叙述されています。第一章では、札幌ベ平連の旗揚げや、デモについて、逮捕についてなど、北海道のベ平連運動の誕生と経過が詳細に語られており、ベ平連運動に関心を持つ人にとっては必読の書です。もちろん、その後の花崎さんのアジアとの関わり、男女の関係論、介護、先住民族アイヌへの関心、そしてピープルとしての生き方なども、詳しく語られています。本書の帯には、花崎皋平が「その個人史を辿ることで、いまを再確認し、今後の手がかりを得る」と記されています。
 また、私の著書ではないのですが、今、紀伊国屋書店から刊行中の『戦後日本スタディーズ』全3巻のうち、2月に発行される第2巻「1960〜70年代」には、ベ平連運動についての私へのインタビュー(聞き手は小熊英二さん)がかなり長く載る予定です。
 若い世代の間で、ベトナム反戦運動時代への関心が高まっているようで、これらのどの本にも、そういう人たちに向けて、あまりなじみでない用語や、個人について、かなりの注がつけられています。最近出た『季刊 現代の理論』18号(2009年新春号)には、高橋武智さんを招いてベ平連や脱走兵援助活動について話を聞き、いろいろ語り合った大学生たちの報告が出ています。青山学院大学などの学生有志団体「ブルーバーズ」の「市民運動の経験をどのように継承していくか」というレポートです。
 大学の講義でも、この時代の活動を取り上げた授業があちこちで企画されているようです。この春から夏にかけて、短期ではありますが、私も二つの大学で話をしないか、という依頼を最近受け取りました。
 これは昨年のことですが、講談社から出ている『週刊Nゲージ ジオラマ製作マガジン 「昭和の鉄道模型」をつくる』という雑誌の32号には、見開きで「盛り上がる『ベ平連』運動」という記事も載っていました(右の写真)。