121. 私もパネリストになる 公開討論会、「デモかパレードかピースウォークか――世代間対話の試み――」ヘのご案内 (2004/03/29掲載

 「論争・批判」欄の No.9 でもふれましたように、『論座』3月号に載せた私の小論をめぐって、ようやく議論が起こってきました。揶揄や誹謗に近い不毛なものが多かったのですが、このほど、そうではなく、もっときちんと議論しようという動きが出てきました。斎藤まやさんたち、「はてみ」の若い世代のグループと、千葉大学の小林正弥さんが中心となっている「地球平和公共ネットワーク」による公開討論会の企画です。私もそのパネリストの一人として出席します。以下に、主催団体からのご案内を転載します。関心をお持ちの方のご参加をお誘いします。

  「デモかパレードかピースウォークか ――世代間対話の試み――」
 

 平和運動の発展を願う皆様に

  3・20の世界統一行動が終わり、次の段階を考える時になったと思います。平和運動のあり方をめぐって、最近、『世界』『論座』などで重要な議論がなされています。

 『世界』3月号では辺見庸氏が「抵抗はなぜ壮大なる反動につりあわないのか――閾下のファシズムを撃て」で、「デモだかパレードだか」に怒りの表現が欠けていることについて、「私たちのファシズム」が「パレード」を歪めていると批判しました。これに対しては、『世界』4月号の「読書談話室」で高田健氏が「傍観するか、内在するか」という反論を掲載しておられます(※1)。
 
 また、『論座』3月号では、吉川勇一氏が「デモとパレードとピースウォーク――イラク反戦運動と今後の問題点」を寄稿され、反戦運動論や、運動内部における議論の少なさを指摘されました(※2)。また、天野恵一氏は『インパクション』139 号(今年1月)の鼎談「イラク派兵と『改憲』――反戦運動の課題をめぐって」で、9・11以後に現れてきた若い世代の反戦運動を厳しく批判しつつ、「運動文化の完璧な世代断絶」を指摘しておられます。

 つまり、平和運動のあり方をめぐって、世代間によって発想の相違が存在し、相対的に年長の世代から若年世代への批判がなされているということができるでしょう。平和運動がさらに発展するためには、このような問題について公共的な議論がなされることが必要だろうと思います。 

 平和公共哲学研究会は、平和問題を中心にして開かれた議論の場を作ることを目的としています。また、公共哲学において世代間関係は中心的な問題の一つであり、私たちは世代間対話を通じて、「世代継承生成性(generativity)」を実現することを主張しています。そこで、平和運動において、世代間対話の場を作り、運動の世代継承や発展を促進することは、この研究会の主題に正にふさわしと愚考します。

 そこで、第2回平和公共哲学研究会では、私よりも年長の世代から吉川勇一・天野恵一氏、 若年世代から小林一郎氏をお招きして、以下のような公開討論会を行うことに致しました。また、吉川氏は、小林正弥についてもHPで批判的な言及をされておられます(※3)ので、小林正弥もパネリストとして発言することに致します。そこで、司会は、論争の場となった『世界』編集長の岡本厚
氏にお願い致しました。タイトルの主題「デモかパレードかピースウォークか」は、この企画の起点となった吉川氏の上記論稿に即して付けられています。 
 地球平和公共ネットワーク関係では、発起人の一人・千葉眞先生が朝日新聞で「注視したい新しいデモーー『平和の術』創造の可能性」(2001年3月18日、夕刊)を3月20日直前に寄稿され、「平和への結集」にも言及されました。また、来月号の『世界』では、私が司会した対談――小林一朗氏・川口創氏(名古屋のイラク 派兵差し止め訴訟に関わる弁護士)・草野史興氏(長崎で高校生として平和運動)――が掲載されます。

 私達としては、「ものすごい、つながりようもない断絶」(天野氏)に絶望することなく、あくまでも世代間対話によって、世代差を超えた「平和への結集」を追求したいと願っております。そこで、研究会終了後に、第4回「平和への結集」会合を開催する予定ですので、ご関心のある方はご参加を歓迎致します。 
                          (文責:小林正弥)

※1.高田氏の詳細な反論「困難を乗り越える闘いに内在するか、それとも外部から嘲笑するか」は、以下を参照。確定稿は、『技術と人間』3月号に掲載。
http://www4.vc-net.ne.jp/~kenpou/seimei/takada.html
※2.吉川氏のHPに掲載。
http://www.jca.apc.org/~yyoffice/
「最近文献」61.なお、「論争・批判」9で、この論稿への反響が批判的に扱われています。
※3.上記HPのNews(100.最近の状況についてのご報告やら意見やら 2003/12/17掲載 )。
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第2回平和公共哲学研究会(公開討論会)

【タイトル】
「デモかパレードかピースウォークか ――世代間対話の試み――」

【パネリスト】(発言順)
吉川勇一(元ベ平連事務局長、「市民の意見30の会・東京」事務局)
小林一朗(CHANCE!pono2/環境・サイエンスライター)
天野恵一(『インパクション』編集委員)
小林正弥(地球平和公共ネットワーク発起人、公共哲学ネットワーク代表)

【司会】
岡本厚(『世界』編集長)

【日時】
4月11日(日) 開場13:15、18:30頃終了予定。

【場所】
荻窪地域区民センター 第1・第2集会室
荻窪駅南口より徒歩12分
地図はこちらです↓
http://www.yoyaku.city.suginami.tokyo.jp/HTML/0001.htm 
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/map/map.asp?home=H04890&t=1071735668052 

【参加費】
一般:1000円、学生:500円

【タイムテーブル】
時刻 通し時間
13:15 開場
13:45 0:00 趣旨説明(小林正弥) 10分
13:55 0:10 司会者挨拶(岡本厚) 5分
14:00 0:15 問題提起1(吉川勇一) 30分(※)
14:30 0:45 問題提起2(小林一朗) 30分(※)
15:00 1:15 問題提起3(天野恵一) 30分(※)
15:30 1:45 問題提起4(小林正弥) 30分(※)
  
16:00 2:15 (休憩 10分)

16:10 2:25 司会からの論点整理 10分
16:20 2:35 各論点についての討論 60分

17:20 3:35 (休憩 10分)

17:30 3:45 発言用紙の紹介 10分
17:40 3:55 討論の続き、もしくは発言用紙の内容についての討論  30分
18:10  4:25 司会・各パネラーからのまとめの発言 20分
18:30 4:45 主催者からの終了の挨拶

(※)問題提起は、できれば20分、最長30分(時間厳守)。

【注意事項】
・タイム・テーブルや終了時刻は、当日の議論の流れに即して変更する可能性が あります。
・主催者および司会者の指示に従ってください。従ってもらえない場合は退場していただくこともあります。
・会場からの発言は、発言用紙に記入してもらう形を予定しています。
・この催しの終了後、地球平和公共ネットワーク主催の「平和への結集」会合を開催する予定です(18:45ー20:45)。続けて参加可能です。
・なお、この研究会は、後日の公開のためにビデオなどで記録を取りますので、この旨予めご了承ください。


主催:地球平和公共ネットワーク、協力:はてみ
問い合わせ先:公共哲学センター public-philosophy@le.chiba-u.ac.jp 
              電話/ファックス 043−290−3028
       はてみ:090-9108-5831(斎藤)