抗議声明                               2022年2月27日 一般社団法人日本透析医学会  理事長 武本 佳昭 殿 やめて!!家族同意だけの「脳死」臓器摘出!市民の会 尊厳死法いらない連絡会                          代表 弁護士 冠木 克彦 1.本日、私達は、「東京都公立福生病院透析中止死亡事件を問う 第2弾」の集会に参加し、専門家も交えて討議した結果、参加者一同を代表し、貴学会に対し以下の点について強く抗議します。 2.同事件の遺族が損害賠償を求めていた公立福生病院事件について、2021年10月5日東京地方裁判所は、同裁判所の判断として「透析中止の判断が患者の生死に関わる重大な意思決定であることに鑑みると、一件記録上、本件患者に対する透析中止に係る説明や意思確認について不十分な点があったといえる」として和解を勧告し、同日和解が成立し、裁判は終了しました。   貴学会は、同事件が新聞報道された約2ヶ月強を経た2019年5月31日にステートメントを発表し、拡大倫理委員会の見解として、「本症例では患者さんの血液透析終了の意思は固く、透析終了の真摯な意思は明らかであったとのことです」と事実関係を認定して、「患者さんが自ら血液透析終了の意思を表明しており、その意思が尊重されてよい事案であると判断しました」と述べており、この判断はカルテの中に患者が「こんなに苦しいなら透析した方がよい。撤回する」と明言していることを知りながら、あえて公立福生病院を擁護する声明を発表しています。同声明での「患者」の「透析終了の真摯な意思は明らかであった」事実自体が誤りであることが裁判所の判断で明らかにされた今、貴学会は、同声明が誤りであったことを広く公表する義務があります。 3.貴学会は、同声明について誤りをただすことなく、2020年4月17日「透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」を発表していますが、現実に発生した公立福生病院事件についての間違った判断のうえにあぐらをかいてもっともらしい提言を発表するなど、社会に信用されるはずがありません。 4.よって、貴学会は、直ちに、2019年5月31日のステートメントが誤りであったことを認め、かつ、その事実を公表した上で、同誤りの反省のうえに立った提言をなすべきであるにもかかわらず、あたかも自らが正しい立場に立っているかのごとくにふるまうことに対し、強く抗議するものである。                                          以上