大阪府情報公開審査会 会長 鈴木秀美様  2011年9月29日  やめて!!家族同意だけの「脳死」臓器摘出!市民の会  〒532−0002  大阪市淀川区東三国1−12−6  岡本隆吉  印  電話06−6392−4441  平成23年5月11日付で情報公開請求、同5月25日付で部分公開決定通知書、及び非公開決定通知書について同年7月15日付異議申し立て、同年9月6日付「大公審第43号」でご連絡いただいた「弁明書の送付及び反論書の提出について(通知)」に基づき下記に反論を意見書としてまとめて提出致します。   意見書  処分庁が諮問の弁明書で述べている以下について反論します。 1、処分庁の第3弁明の理由1、臓器移植については承知している。2、本件臓器摘出についても承知している。3、本件決定の適法性について以下具体的に反論する。   (1)本件部分公開決定についての@について   処分庁は条例第5条を引用して「一般に他人に知られたくないと望む事が正当であると認められるものをみだりに公にする事のないよう最大限の配慮をしなければならない」として今回の非公開の理由の一つとしている。しかし何を根拠に「知られたくないと望む事が正当であると認められる」との考えに至ったのか不明である。そもそも臓器提供は一般に美談として報道され命のリレーと社会一般には受け止められるよう宣伝報道されている。また臓器移植法に基づく臓器提供の為の費用や諸経費を含め一般医療と比べ特段の配慮がなされ、国から臓器提供者の遺族に対して表彰もされている。また臓器堤供病院においても臓器提供遺族に対して得別な対応をしている事は承知の事実である。特段の不正や、やましい事がない限りは「他人に知られたくないと望む事が正当」と言った考え、判断に至る事は無い。又いずれは各臓器提供事例が国の検証会議の基で専門的検証が実施され検証報告として公表される事が一般的である。この事実経過からも処分庁が「他人に知られたくないと望む事が正当」とした情報判断は間違いで本件事例の非公開判断は不当である。そもそも臓器移植法が制定された平成9年では参議院で原案が修正され付帯決議をつけて可決された。その付帯決議7では「・・・判定が臓器確保のために安易に行われるとの不信を生じないよう、医療不信の解消及び医療倫理の確立に努めること」が明記され、公平公正かつ厳格な脳死判定を求め、医療不信の解消に努めることが決議されている。言い換えれば他人に知られたくないと願う家族がいたとしてもこの法の精神の基に国民に不信を与える秘密主義や隠蔽を戒めている。また法第一条の「目的」では「・・・移植医療の適正な実施に資する事を目的とする」と定めている。適正な実施を判断したい国民に可能な限り情報を提供し「適正に実施」した事を公表する事は法の基に臓器提供した医療機関の責務である。異議申立人は法に基づき適正に実施されたか否かを判断したいが為に公開請求している。条例の範囲を超えた法の目的からも処分庁の非公開理由の主張は不当である。処分庁はそもそもの情報判断を間違い勝手に他人に知られたくないものと判断して非公開にした事は不当である。本人が特定される個人名等を含め非公開部分を最小限に限定して他の部分は公開することを求める。      (2)本件部分公開決定についてのAについて  処分庁はスタッフとして参加した看護師、技師名を非公開の対象としているが、いずれも公務員が公務として仕事に係わったのであり、処分庁が非公開の根拠としている条例第9条1号の不当な乱用で不当ある。そもそも公務員は日常の公務で名刺交換したり氏名を表示して公務についている。本件情報公開についてのみ非公開とする根拠は存在しない。しかも処分庁は非公開の根拠を条例第9条の1号を理由に「一般に他人に知られたくないと望む事が正当であると認められる」と抽象的で誤った情報判断を基にして非公開を範囲拡大、乱用している。条例第8条の不開示条項を根拠としていない事からも範囲拡大、乱用している事が証明できる。行政側のこうした範囲拡大や乱用で、本来の情報公開制度が歪められる事のないように、本年4月22日政府は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律の一部を改正する法律案」を国会提出している。その中では公務員等の職務の遂行に関する情報について、公務員等の氏名が原則として開示の対象にされている。日常的に公開している氏名を情報公開の時だけ、又今回だけ非公開とする事は不当な処分であり、関わった職員の氏名の公開を求める。 (3)本件不存在による非公開決定について  処分庁は異議申立人が当初公開請求した項目「3、脳死判定結果及び関連資料」を恣意的に脳死判定記録書及び脳死判定確実実施証明書を対象外として処分している。これは明らかに条例第2条定義に反している。異議申立人は当初から関連資料の公開を求めている。その関連資料が何処で作成されたか、どの会議で資料として提出され確認されたか等知る由もない。法律で作成が義務付けられている資料であるから公開対象として公開を求めていた。また処分庁は脳死判定記録書及び脳死判定確実実施証明書等は法が閲覧可能な者について限定していると主張して最初から勝手に公開請求対象外の扱いをしていた。これは異議申立人の公開請求内容を一方的に変更して対応していた事でこのような恣意的な対応は条例第3条の「・・公開を求める権利が十分に保障されるように、この条例を解釈し運用する事…」にも違反し配慮を欠いた許せない判断であり厳しく反省すべきである。更に処分庁が主張する「法は閲覧可能な者を限定している」は当然の事である。閲覧はそのもの全て内容を閲覧する事が出来るのである。つまり全部開示を家族に限定して保障したものである。異議申立人は家族ではないので当然部分公開を想定して公開請求をしている。法は情報公開の対象にすることを禁じているものではない。直接閲覧に限定しているだけである。だからこそ臓器移植事例の検証会議が脳死判定記録書及び脳死判定確実実施証明書等も検証した結果公開される検証報告では脳死判定記録書の一部も含めて公開されるのである。処分庁が主張するように法が閲覧を限定しているから公開の対象外であるならば当然検証会議での公開や一部でも検証報告で公開する事は法違反となる。また異議申立人は処分庁以外の臓器提供機関に同様の公開請求を行い脳死判定承諾書や臓器摘出承諾書、法的脳死判定医任命書、脳死判定記録書、脳死判定的確実施証明書、脳波記録等の部分公開を得ている。処分庁だけが非公開対象としているのは法的にも条例上も不当な判断処分である。処分を改め非公開を最小限に限定した上での公開処分を求める。 2、以上の通り処分庁は不当な非公開理由を主張して部分公開とし、又独断、恣意的に異議申立人の公開請求項目を変更して条例第2条及び同第3条に違反して対象外としたり、不存在処分をする等の不当な処分をしてきた。法及び条例に沿った適切的確な判断の基に運用するべきである。 以上