平成23年7月19日 山形県情報公開・個人情報保護審査会会長 様 〒532−0002 大阪市淀川区東三国1−12−6 岡本隆吉 印 電話・FAX 06−6392−4441 平成23年6月23日情個審第8号でご連絡いただいた意見書を、処分庁の諮問理由説明書に対する反論としてまとめましたので提出いたします。 意見書 処分庁が諮問の理由説明書で述べている以下について反論します。 1、 第3の1−(2)アの主張について。 処分庁は個人を識別する事のできる情報を拡大解釈して法人職員までも不開示の対象としていますが、基本的に不当であると考えます。条例第6条第1項2号は個人が識別される事のみを持って不開示を正当としたものではなく、除外規定もイ〜ニがあり、 特別な場合のみである事を規定しています。不利益を被るおそれや開示することで業務遂行に支障が起きるならばおそれや支障の程度をより具体的に示し、それが一般常識の範囲以内をもって認められるもので、この原則を曖昧にすると、条例の目的が損なわれてしまいます。処分庁の主張は不当な不開示拡大を招くもので取り消しを求めます。 2、 第3の1−(2)エの主張について。 臓器移植法は患者の臨床的脳死診断(現行法は脳死とされる状態)が実施(脳死判定基準の内無呼吸テストだけを除く全ての確認)がされて、始めて患者家族に脳死状態を告げて臓器提供の機会がある事やドナーカードの確認をすることができる。つまり臓器提供の手続きを始めることができるように定めているのが臓器提供のガイドラインです。本件の場合は開示資料の記載から臨床的脳死判断を2月8日に実施しています。ところが開示された公文書@は2月7日付のもので、前記ガイドライン手続きに反して「臓器提供に関する対策会議」を開き家族が承諾書も提出していない時期、しかも患者に救命治療を優先すべき一番大事な時、臓器摘出のスケジュールを決めています。法やガイドラインに反した行為を防止する上にも開示して広く国民に知らしめて行くことが重要と考え開示請求をしています。一病院の内部情報とか業務に支障などの理由は、法律やガイドラインを順守した上で言えることで、不当な行為を正当化する手段に情報不開示条項が拡大使用される事はあってはならない事と考えます。不開示を取り消し、患者の固有名詞が特定されない最小限の範囲でのみ不開示を限定して開示すべきと考えます。 3、 第3の1−(2)オ及びカの主張について。 処分庁は開示することでの支障やおそれを主張していますが、いづれも具体的ではなく、更に処分庁は公的側面を持った医療機関であり、公平・公正・透明性を確保する責務があります。この立場を考え開示への積極性を望みます。いづれも不開示部分を最小限に限定してその他は開示すべきと考えます。 4、 第3の2、の主張について 処分庁は「脳死判定結果及びその関連資料」を全面不開示としていますが、本人が特定されない内容で開示できる資料はたくさん存在します。不開示部分を最小限に限定して開示すべきです。本件臓器摘出事例については患者の情報を本人の了解も無く、且つ救命治療が最も必要な時期に外部の多数に公表して臓器提供に関する対策会議を開いています。もちろん全員が医療関係者や地方公務員であり当然守秘義務はかかっていると考えますが、少なくとも患者本人はガイドラインで定められた臨床的脳死判断がされる一日前ですから、本人の意思が最も重要視されるべき時間帯です。救命に反する臓器摘出の段取り会議が開かれる事を患者が望んでいたとでも言うのでしょうか。処分庁は自らに都合のいい情報はいち早く流し、開示請求者に不開示条項を拡大解釈して全面不開示する事は、本条例の目的に反した行為であり、臓器移植法の公平、公正、透明性をもないがしろにする行為であると考えます。 以上を意見として提出いたします。 以上