2011,2,8 大阪市病院局長 瀧藤 伸英様      〒532−0002      大阪市淀川区東三国1−12−6      岡本隆吉      TEL:06−6392−4441      要望書  貴センターは昨年12月10日に、入院患者の女性に対して家族の承諾を得て、臓器移植法に基づき脳死判定を実施して臓器摘出をされました。 この事例について関連資料の公開を求め、貴センターから公文書を特定していただき本年1月5日公文書開示を受けました。ところが開示された公文書に@脳死判定結果記録に脳波測定記録が添付されていなかった事とA法的脳死判定後に判定医から報告を受けて組織で脳死を審査・確認していない事が判明いたしました。@の疑問については後日脳波記録の部分開示を受け、保管実態の確認も得たので解決いたしましたが。Aについては2名の脳死判定医は任命するが、判定医の判定行為に間違いが無かったか審査して最終的に脳死を確認する極めて重大な判断をする体制が欠けていた事です。人の生き死を左右する事ですから体制の改革或いは要綱の変更を含め検討いただくよう以下要望致します。後日文書で御回答いただく様お願い致します。                     記 1、過去に金沢大学で脳波記録紛失事件が発生しました。当時金沢大学は厚生労働省の指 示を受けて調査委員会を設置して調査しました。結果脳波記録は発見できませんでしたが、原因は脳死判定記録に脳波記録を添付していなかった事と院内の脳死判定委員会で判定医の報告のみで脳死を確認してしまい、脳波記録や検査記録、判定記録を誰も目にしないままでした。そこで金沢大学は再発防止対策として脳死判定委員会要綱を変更し、審査項目の中に「判定医は委員会に出席して、脳波記録、検査データ等を提出し・・・説明・・」を項目として加え、更に「・・・諸記録類を確認して脳死判定の審査を行う。」の項目も加え、人の生き死を左右する脳死判定とその確認を慎重かつ的確とする姿勢を示した。貴センターはこうした過去の事例について承知していなかったのか、又厚生労働省から具体的指示は無かったのかについてお示し下さい。 2、貴センターの「大阪市立総合医療センター倫理委員会法的脳死判定専門部会要綱」の内容では、2名の判定医の任命と判定実施のゴ―サインは出すが最も肝心な判定医が判定してその結果を報告させて記録類を審査、確認してその上で脳死を最終確認する手順を省いていますがその理由をお示し下さい。 3、脳死判定の間違いは許されない事です。勿論判定医は専門的知識と経験を有している人が任命されます。しかし過去の判定では多くの判定に間違いや判定やり直し、判定途中での中断等もあります。現状では専門部会は脳死について最終確認の責任放棄をしているようなものです。早急に改善なり要綱の見直しをするお考えがありますか。お示し下さい。 以上 添付資料:金沢大学の改正された脳死判定委員会要綱