<和訳>

憂慮する日本人から
アメリカの友人へのメッセージ

 巨大な在日米軍、特に沖縄の海兵隊の継続的な駐留によって日米の信頼関係が深刻に損なわれかねないことを、私たちは憂慮しています。沖縄の人々、日本中の米軍基地の近くにすむ人々は、平和的に尊厳を持って生きる権利をずっと奪われてきました。

私たちの土地から海兵隊を撤退させてください

沖縄の人々が反対してきた50年に渡る駐留
 日本の米軍基地の大半が集中している沖縄は、珊瑚礁と熱帯の海に囲まれた美しい島です。しかしながら、第2次大戦後、「銃剣とブルドーザー」を使ったアメリカ駐留軍によって、地元民は広大な自分の土地を取り上げられました。今日、沖縄の島の20数%が米軍基地によって占められ、そのいくらかは土地の所有者の意に反して強制的に借用地とされたものです。5月15日、3000人の地主の強制借用されていた土地の使用期限が切れました。しかし、日本の政府は使用期限を終えるのではなく、土地を継続借用できるように法律を変えてしまいました。沖縄タイムスと朝日新聞が4月に実施した世論調査では61%の沖縄県民がこれに反対であることが明らかになりました。また、80%の沖縄県民が、沖縄からの海兵隊の全面撤退を求めて交渉する知事の努力を支持していることが明らかになりました。私たち日本中の市民は彼らの意見を支持し、日本から海兵隊が全面撤退することを求めます。

女性や子供たちに対する性暴力
 50年間以上に渡って、女性や子供たちは暴力の恐怖の下で暮らしてきました。1995年9月、3人の米兵によって引き起こされた少女暴行事件は、反基地運動の勢いに火をつけました。しかし、不幸にも、これは50年間の占領の間に起きた初めての事件 ということでは全くないのです。
最もひどかったのは1955年9月3日、6歳の少女、由美子ちゃんに対する強姦殺人事件でした。彼女を強姦し、殺害した米軍人によって彼女の死体は海へと捨てられました。1949年の9月には9カ月の女の赤ちゃんがアメリカ軍兵士によって強姦されました。過去25年間を通して、4700件の犯罪が米兵によって起こされていると警察は発表しています。そのうち110件は強姦事件です。これらの犯罪の9割が海兵隊によって引き起こされています。強姦事件担当のある精神科医によると、こういった強姦事件の数字は実際よりもかなり低い数字であり、20人か30人に一人しか訴え出ることはないというのがほとんどであると報告しています。
 沖縄はアメリカが外国に大規模に海兵隊を展開している唯一の場所です。彼らの多くは10代、あるいは20代であり、彼らにとって初めての外国生活なのです。この変化には多くの困難がともない、それはその高い犯罪統計の中に現れています。

静かな生活を返して
 沖縄では文字どおり、基地がばらまかれており、多くの場合、一般市民の家から単なるフェンス一枚で隔てられています。ある基地では、近くの町が測定をし、軍用機からの騒音が毎日70デシベル以上が平均161回発生していると言うことがわかりました。これは沖縄の学校での教育に有害な影響を与えてきています。県環境保険部が発表したところによると、これらの学校の子供たちは難聴、大声、情緒不安定、睡眠障害、風邪をひきやすいなどの症例が高い発生率で起きています。

環境破壊
 沖縄での米海兵隊による実弾砲撃演習は山の緑を枯れさせ、赤土の流出を招き、川や海を濁らせています。珊瑚礁のリーフはこの汚染によって死につつあります。最近、明らかになったことでは、米軍は劣化ウラン弾を沖縄の鳥島で使用し、そして日本政府に対してアメリカ政府がこれを認めるのに、丸一年かかりました。この劣化ウラン弾は湾岸戦争で使用されたものと同種のものであり、湾岸戦争症候群の原因と疑われており、イラクの子供たちの間では、高い発生率のガンの発症が確認されています。

でも、米軍基地は必要じゃないの?
 私たちはなんども繰り返してアメリカと日本の役人から、「海兵隊は私たちを守るために、または東日本の安定の維持のために日本にいるのだ」と言われてきました。軍の役人と政治家は「朝鮮半島の安定のために海兵隊は必要なんだ」と教え込むのを好むようです。しかし、私たちは、(日本の)岸壁に何万もの海兵隊を配備するよりも、この緊張を扱う、よりよい方法があると確信しています。隣人との和解と信頼と相互扶助こそが私たちの安全にとって本当に必要なものだと思うのです。今日、私たちが求めるのは、軍事力の優位を求める「軍事の安全保障」ではなく、あらゆる面において永続的で、充実した暮らしの提供を求める「人間の安全保障」なのです。

私たちは何を共に出来るでしょう。そしてあなたは何ができますか。
 あなた方はきっと、なぜ私たちがこのアピールを私たちの政府にではなくアメリカの人々に対して訴えるのかと疑問に思うかもしれません。私たちは、自国の政府の方針についても、活動を行ってきています。でも、この働きかけは太平洋の両側に対して必要なのです。これは日本の問題であると共にアメリカの問題でもあるのです。
1、「クリントン国防見直し」、または「4半期防衛見直し」は現在進行中です。代議士に手紙を書いて、海兵隊の撤退を含む在日米軍の撤退を支持するように頼んでください。
2、あなたの意見や考えを手紙、FAXまたは電子メールでお寄せください。
 今日、私たちは沖縄の米軍基地の75%を占めている海兵隊の撤退を求めています。私たちの望みは軍事を使わないで、市民の連帯によって、日米の真の友好関係を築くことです。私たちはあなた方が沖縄と日本からの海兵隊の撤退に向けて何らかのアクションを起こすことを望んでいます。

【写真の注釈】
1965年4月、5歳の少女が米軍車両によってひき殺された。米軍統治の期間中、日本の警察でさえも立ち入ることができず、事実上、被害者に対して補償されることなど全くありませんでした。そしてその問題は今も続いています。1972年から1995年までに、52,497件の交通事故が米軍人によって引き起こされました。これらのケースの多くで、被害者とその家族は正当な補償もされずに来ています。