瀬戸内海の埋め立て禁止を

 瀬戸内海沿岸などの六十五の市民団体でつくる環瀬戸内海会議(阿部悦子代表)は二十二日、瀬戸内海の環境破壊の現状を訴えるリポート「住民のみた瀬戸内海」を環境庁に提出し、埋め立てや廃棄物持ち込み、海砂採取を禁止するよう求めた。      リポートは同会議に参加している各団体からの三十五の報告をまとめた。       
 広島県福山市の古沢昭さんは尾道市漁協からの漁獲量の聞き取り調査結果を報告。一九六八年に比べワカメ、タコ、ノリなどがいずれも著しく減少しているとのデータを示し、埋め立てや人工干潟の造成を批判している。 
 香川県の市民グループは小豆島の内海湾を埋め立てる廃棄物処分場計画についてリポート。「すでに環境基準を一部満たしていない同湾の水質が一層悪化する」と懸念する。
 このほか、徳島県の吉野川河口干潟の環境悪化と河口堰(ぜき)計画問題、各地での海砂採取による生態系破壊や海岸線浸食などを取り上げている。
 環境庁の瀬戸内環境保全審議会は九月にも、瀬戸内海で人工干潟の造成など環境創造事業の導入について答申を出す予定だが、同会議の阿部代表は「環境創造事業は開発の免罪符に使われる恐れがある。環境保全のためには規制強化が大前提だ」と話している。
 リポートは千円で希望者に販売。問い合わせは電話0898(32)0100の同会議へ。

メモ

印刷ミスなどがあり再度印刷しているところだが、1998/06/28総会には、間に合う予定。瀬戸内海各地域で環境保護を願う現地の人の想いが、よくわかる内容で。1冊1,000円で販売。

トップへ戻る

環瀬戸内海会議