新利根・竜ヶ崎 城取清掃工場住民血液調査 1998/11/22

 ダイオキシンを排出しているとして竜ヶ崎塵芥処理組合の城取清掃工場(管理者・串田武久竜ケ崎市長)の操業差し止め訴訟を起こしているダイオキシン住民訴訟原告団(団長:横田誠)は11月22日、県に先駆けて独自に住民の血液調査を実施した。採取した血液はカナダの民間分析機関に送り、ダイオキシン濃度を調べる。
 城取清掃工場周辺の調査は、摂南大学の宮田秀明教授が、ガン死多発問題を機に土壌60検体、住民の血液54検体を採取し「住民血液・土壌の高濃度ダイオキシン汚染」を発表。これに対し茨城県は土壌調査を実施し、十二月末には住民の要望で百人規模の血液検査を予定している。
 県の土壌調査では7箇所行い「問題なし」としたことや、煙突から煙の出ていない日に大気汚染を測定したり、台風4号が近づいてくる8月27日に環境庁が大気、降下ばいじんのダイオキシン調査をしたりなどから原告団は「行政は信用できない」として急遽、独自の血液採取をした。
 採血は、午後三時頃から清掃工場近くの竜ヶ崎市高作町長戸地区公民館で行われた。今回の調査には女性三人を含む三十代から七十代までの住民十人が参加(竜ヶ崎市塗戸地区の住民3人、新利根町上根本地区7人)。「ダイオキシンに汚染されたと思う期間」などをアンケートに記入した後、医師が一人当たり四十ミリリットルの血液を採血した。
 今回の参加者のほとんどが県の調査にも参加要望を表明する予定で、県の対応も注目される。
 血中ダイオキシン濃度調査結果は平均176.3[pgTEQ/g]最高は577.5[pgTEQ/g]であった。以前行われた摂南大学宮田の平均99.8[pgTEQ/g]最高463.3[pgTEQ/g]と同様の値を示し、調査の確かさを確認する共に、調査を行った住民からは深いため息がでた。
 今回の調査は全て多くの方々のカンパによって行われる。まだ、調査費は集まりきっておらず、原告団では今後も引き続きカンパを募る

 アンケート項目に記入する参加者。                採血する上根本地区の女性。


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