2000/11/07 城取清掃工場に対し、住民が賠償提訴

 竜ヶ崎地方塵芥処理組合が操業してきた城取清掃工場(現在は操業を停止している)周辺の民家の井戸から発ガン性の高いヒ素、重金属が高濃度で検出された。これらの地下水汚染にて健康被害が出ており地元住民は11/07に、処理組合を相手取り、汚染除去と損害賠償を求める訴訟を水戸地裁土浦支部に起こした。


水戸地裁土浦支部に入る原告と弁護士(梶山弁護士、坂本弁護士)。

 城取清掃工場は焼却灰による高濃度のダイオキシン被害と共に、敷地内に投棄した焼却灰による地下水汚染が深刻な問題となっている。焼却灰投棄は清掃工場の谷間に不法投棄処分を行っていたものであり、漏水対策など一切行われていない。また創業時には、敷地内に素掘りの焼却炉煙突清掃用調整池があり、住民の調査では高濃度のダイオキシン汚染が確認されている。
 地下水汚染防止対策は1977年から義務化されているが、これ以前の埋立地は全国に二千以上ある。この問題は、城取清掃工場だけの問題だけでは無い。
 周囲の民家には上水道が施工されておらず、井戸水を利用している。最も高いヒ素濃度は1リットル当り0.08[mg(ミリグラム)]であった。水質基準では0.01[mg]であり、実に8倍もの高い値である。この井戸水は1999年4月に行われた茨城県環境対策化分析において、ヒ素、水銀、鉛にて水質基準を超えていた。
 同民家では水質悪化により二度井戸を掘りなおしている。井戸ポンプは故障し、電気ポット、炊飯器も交渉した。ボイラーは爆発した。洗濯機のゴムホースを開いた所、黒い固まりがびっしり付着していた。依頼を受けた茨城大学農学部・久保田正亜教授の調査でマンガンである事がわかった。大量のマンガンは中枢神経が麻痺して免疫力が低下する恐れがあると言われている。そして、一家五人のうち二人がガンで死亡した。

 1997年11月から始まった、城取清掃工場に対する操業停止と損害賠償の民事訴訟は、原告の大部分が和解をしている。そこには田舎町ならではのしがらみも多い。原告団事務局長である金子さんは、具対策のなり行政や、約200世帯が生活をしている井戸水が汚染されている現状で泣き寝入りは出来ないと語る。竜ヶ崎塵芥処理組合は自らの汚染をみとめ、早急に住民の命をまもる対策を施す必要がある。
 私も何度か、金子さんの調査水の採取に同行した。その中でこんな話があった「うちの井戸水は、市販されているミネラルウォーターよりも美味い。だけど、呑むことは出来ない」と。井戸水からはヒ素が水質基準を超えていた結果が出ていた。人は水無しでは暮らす事は出来ない。行政の本当の役割を竜ヶ崎塵芥組合は真剣に、そして真摯に考えて行動すべきだろう。

カンパ送り先
竜ヶ崎自然と環境を守る会:郵便振替口座:00130-8-419099


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