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船橋市史跡文化財案内より



二宮神社社殿

所在地  船橋市三山5丁目20番地1号
管理者  二宮神社


社伝によれば、二宮神社の創立は弘仁年間(810〜24)であるといわれている。現在の社殿が安永年間(1173〜1781)の再建になることは、二宮神社の棟札によっても、また、各部の建築様式によっても間違いない。
本殿は大正11年10月に、そして拝殿は大正14年に、それまでの茅葺屋根をそれぞれ銅板葺に葺き替えて、大規模な模様替えをしている。しかし、茅葺屋根から銅板葺屋根に改造を加えても、社殿の文化財としての価値は失われていない。
この社殿の平面形式は、江戸時代に流行した権現造である。ただし、拝殿から弊殿にいたる床面の高さは、拝殿と弊殿を同じレベルにしている。
この神社は正面の鳥居から参拝するのが正しく、大工棟梁もそこにデザインの工夫をしている。正面の鳥居をくぐると、参道はいったん低くなり、谷を横断して進むように設計されている。そして石段を昇り終わるころに拝殿の向拝の唐破風が見えてくる。石段の途中でしばしたたずんで、向拝の屋根から観賞を始める。屋根の正面の鬼瓦、大きく雄大な唐破風の曲線、そして雄渾な彫刻・・・・と、少しづつ目を下に向けていきながら石段を昇りきると、拝殿の全景が見えてくる。だから、拝殿の大きさからして向拝が大きく、唐破風も当然大きいのである。
拝殿の周囲は背面を除き回縁となっており、建具は横桟の多い舞良戸である。拝殿及び弊殿の天井は格天井である。社殿の側面に回り全景を観賞すれば、本殿の屋根及び床面が拝殿より高いことがすぐに理解できる。本殿は流造りで、棟上に千木と勝男木を飾る。また、本殿の全体を彫刻で飾っている。軒の組物及び腰組も当時の正規の宮大工の手法によって意匠と造作がなされている。


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制作 千葉大学文学部哲学専攻 
田久保 崇士 E-mail:ttakubo@alles.or.jp