TKOPEACENEWS
  2面 NO.6号/00.4.28発行

核燃・プルトニウムいらない4・9 反核燃料の日行動

今村 修(青森県反核実行委員会委員長)


 崩壊した「安全神話」
 青森県が核燃料サイクル施設を受け入れた屈辱の日である4月9日の反核燃集会に、全国からお集まり頂いたことに感謝とお礼を申し上げます。
 ご承知のように、原発などでの事故や事件が続く中での、東海村の臨界事故は、「原子力の安全神話」を完全に崩壊させ、中部電力の芦浜原発計画を断念に追い込みました。
 また電力の独占体制も自由化と規制緩和により崩れ去り、経済的コストが問われています。2010年までに原発を20基つくるという国の原発立地計画や長期エネルギー需要見通しも下方修正へと追い込まれました。

原子力サイクルの見通し立たず
 皆さんの努力でプルサーマル計画は頓挫しています。また、六ヶ所再処理工場も建設が大幅に遅れ、取り出したプルトニウムを燃料に加工する工場の建設は未だ明らかになっていません。
 再処理工場の建設を担当してきた日本原燃サービスの豊田元会長は、「六ヶ所再処理工場施設は旧式で、新たな技術を開発し経費を5分の1にしないと採算が取れない」と指摘しています。
 電力会社の本音は濃縮や再処理の中止で、青森県を「核のごみ捨て場」にするという話ばかり聞こえてきます。
 すでに、低レベル核廃棄物のドラム缶が13万本、海外からの返還高レベル核廃棄物が273本貯蔵されています。さらに、使用済核燃料も運び込まれようとしており、核のゴミだけがどんどん溜まるばかりで、この搬入阻止の闘いが重要となっています。

◆原子力にかわるソフトエネルギー
 もう原子力でお湯を沸かし、蒸気で発電機を回して電気を作るという時代は終わりで、風力や太陽光発電、さらに水素を使った燃料電池などのソフトエネルギーに移りつつあります。
 家の中に洗濯機程度の機械を設置すると、電気も冷暖房も、温水も確保出来るという燃料電池は、莫大な経費をかけ送電線を引くという、これまでの巨大発電を根底から覆し、風力や太陽光とともに、必要な場所で必要な量だけ発電するという小規模分散型の新しいシステムで、電線のない社会を実現します。

◆団結し闘い抜こう
 4・9反核燃の日を契機に、『もんじゅ』や東海村再処理工場の稼動、プルサーマル計画の再開を許さず、脱原発・脱プルトニウム社会の実現に向け、さらに、原発を生み出した世界のすべての核兵器廃絶に向け、各地の闘いを一層強化することを訴えます。


●集会アピール


 1985年4月9日、私たちはこの日を忘れてはならない。県知事と県議会が多くの声を無視して「核燃サイクル施設」の受け入れを表明した日…。
 以来、15年目をむかえた今日、「施設」には全国の原発から出た低レベル放射性廃棄物はもとより、フランスからの返還高レベル放射性廃棄物・ガラス固化体も運び込まれ、まさしく核のゴミ捨て場となっている。
 また完成しても稼動するのかどうかわからない使用済み核燃料再処理工場の建設も進められ、県、六ヶ所村と事業者は使用済み核燃料の本格搬入に向けて「安全協定」を締結しようとしている。
 この間、チェルノブイリ・ふげん・もんじゅなどでの原発事故、東海村再処理施設の火災・爆発事故、ついに昨年9月30日には東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー (JCO)」東海事業所で臨界事故が発生、周辺住民が避難したうえに、犠牲者まで出してしまった。
 にもかかわらず、日本政府や事業者はその原因をあいまいにし、責任を認めないまま安全を強調し、今なお原子力推進の道を突き進んでいる。
 しかし、海外を見ると状況はまったく異なっている。
 イギリス・フランスは高速増殖炉から撤退、アメリカも再処理を断念、ドイツ・スウェーデンは脱原発に向けての具体的な取り組みを始めている。風力・太陽光などの利用や燃料電池の研究開発など、環境を考えたエネルギーの多様化が進められている。
 私たちは「原発・核燃いらない」と必死に叫び続けてきた。これからも「再処理・プルトニウムいらない」と叫び、闘い続ける。
 核燃のない青森を、青い森と青い海、そして青い空を子どもたちに引き継ぐために……。


2000年4月9日
第15回4・9反核燃の日青森県集会


●集会スローガン

一、総選挙闘争に勝利し、反動化する自公など連立政権を打倒しよう!

一、再処理工場の建設を止めさせ、脱原発・脱プルトニウム社会を実現しよう!

一、使用済み核燃料の搬入を止めさせ、「核のゴミ捨て場」化を阻止しよう!

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