TKOPEACENEWS
 1面 NO.143 2016.1.1

新年のごあいさつ

東京平和運動センター議長  佐藤 光夫

 新年明けましておめでとうございます。旧年中は、東京平和運動センターの活動にご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年、日本は戦後70年という大きな節目を迎えることができました。戦争体験からの不戦の誓いがこれまで引き継がれ、日本の象徴とされる平和憲法により、基本的人権の尊重、国民主権、平和主義が守られるものと、国民のだれもが信じてやみません。
 私はなぜ日本から米軍基地を撤去することができないのか、ましてや沖縄県民の総意を無視し、辺野古新基地建設を強行に推し進めるのか、全く理解できません。また、福島第一原発事故が発生し5年目となる今も、事故の収束目途が立たず、避難者も約18万2千人という現状の中で、原発を強行に再稼働させようとするさまは、狂気の沙汰としか思えません。日本国民の人権を守るのは日本政府であるはずが、安倍首相は自らの判断により、最高法規である憲法を無視し、一強多弱の国政により、今や、強権政治ともいえる歪んだ政治運営により暴走をし続けています。
 昨年9月19日未明には、安全保障関連法を強行採決により成立させ、本年3月29日を施行日とする方針を固め、いよいよ戦争のできる国として名乗りを上げようとしていますが、私たちは、安全保障に関わる事案は最高裁で憲法上の判断はしない現実を受けとめ、安全保障関連法を撤廃させる策を講じるべきだと思います。歴史的背景の中で、敗戦国となった日本は、今日においても、アメリカの支配下であることが、如実に表れているにもかかわらず、国民を嘲るように事実をあくまでも隠ぺいし、長期政権を目論む安倍首相をこのまま放置していれば、戦後70年間培ってきた平和は崩壊の一途を辿る他ありません。日本国憲法のうえに日米安全保障条約が横たわり、それに付随した日米地位協定に則り、在日米軍をどのように運用するかは、在日米軍の上層部と高級官僚により組織される日米合同委員会のなかで決められており、安倍政権が発足しアメリカへの従属性が増していることからしても、安倍内閣に権限が与えられていないことは一目瞭然です。
 また、福島第一原発事故の教訓を生かそうともせず、停止中の原発再稼働については、日米原子力協定の下、日本が一方的に決められないことを目の当たりにすることになり、今更ながら、国民を無視した政治運営は、米国の支配下であるが故にまかり通る事に気付かされ、不可解だった点がようやく結びつきました。
 米国は自国民の人権を守っても、支配下にある日本国民の人権を守ることはしません。それは直近の課題であるオスプレイの配備と飛行訓練にも垣間見られ、日本国民の住居上空は訓練空域であるにもかかわらず、米軍基地内にある自国民住居の上空は飛行禁止である実態は言語道断です。私たちは、日本全域が治外法権の場と化している現状から目を反らすことなく原点に立ち返り、法治国家のあるべき姿を見極め、軍産複合体を国策とするアメリカとの従属性を完全に断ち切り、真の平和な日本の構築に向け、大衆運動として大きなうねりをつくることが求められています。
 昨年6月23日には、東京1000人委員会が主催した「戦争への道を許さない6.23東京集会」を日比谷野外音楽堂で開催し、結集した2,500人で二度と過ちを繰り返さないことを誓い合いました。また、10月25日には、「オスプレイの横田基地配備に反対する10.25東京集会」を三多摩平和運動センターと共催で開催し、多摩中央公園に結集した2,300人で、オスプレイの配備撤回をはじめ横田基地撤去に向け、横田基地を完全に包囲できる規模に輪を広げていくことを確認しました。
 今年7月には第24回参議院議員選挙がありますが、反戦平和、反基地、憲法擁護、脱原発、を目指し、安倍政権を絶対に退陣に追い込むため、全力で取り組む所存ですので、なお一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。結びに、今年一年が皆様にとって実り多き年となりますようご祈念申し上げるとともに、平和運動センターは、今後も平和の担い手として、平和、人権、環境を守り抜くため、全力で取り組むことをお誓い申し上げ、年頭の御挨拶とさせて頂きます。共に頑張りましょう。



戦後70年 
2015年を振り返って

2月
 
狭山事件の再審を求める東京集会(2.19事件から52年、石川一雄・早智子さんが決意表明)

4月

 辺野古新基地建設反対支援行動
 抗議船「美ら海」で出航、海上保安庁が妨害。 東京平和運動センターは、5回にわたり現地行動に派遣

6月

 戦争をさせない東京1000人委員会主催「戦争への道をゆるさない6.23集会」(日比谷野音)に2500名結集。各地で全国署名運動も展開


8月

被爆70周年原水禁大会 長崎大会で高校生1万人署名活動の訴え


9月

 代々木公園に2万5千人

9.19安保法制強行採決
 
猛暑をまたぐ連日の闘い、幅広い国民の声を無視し、安保法制が強行採決された

10月

 東京平和運動センターと三多摩平和運動センター共催で「オスプレイの横田基地配備に反対する東京集会」2300人が結集

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