TKOPEACENEWS
  3面 NO.14/01.1.1発行

東京平和運動センター
2001年1月〜5月にかけての活動について

◆平和をとりまく情勢について

1.北東アジア
 21世紀を目前に控えた世界は、紆余曲折がありながらも、冷戦構造の崩壊から、各地の民主化と人権確立、脱原発をはじめ環境保護運動の高まりなど、「平和・人権・環境」の新世紀を築こうとする努力を強めています。北東アジアでも、南北朝鮮首脳会談の実現後、世界各国が相次いで北朝鮮と国交を結ぶなど、明らかに緊張緩和が進んできました。しかし、日本は「過去の精算」などの20世紀の負の遺産を克服できず多くの課題を山積したまま、この世界の流れに総じて逆行する動きを強めて、21世紀の幕開けを迎えました。

2.憲 法
 憲法調査会をめぐる議論は、本年「制定過程」「21世紀の日本のあるべき姿」のテーマで進められ、終盤、憲法第9条をめぐる論争に入り始めました。1月末からの通常国会では、さらに激しい論争となる見込みです。焦点は、憲法の禁じた「集団的自衛権」の導入の是非をめぐるものになろうとしており、前文および第9条など憲法を擁護し、国際的にも評価されている平和主義の先進性を広くアピールすることが一層求められています。
 一方、偏狭なナショナリズムに基ずく国家主義的な逆流の動きも急速に強まっています。とりわけ教育分野では、日本の戦争責任、憲法の理念や核廃絶をも否定する新しい教科書をつくる会など、「自由主義史観」が登場し、全国各地の議会や教育委員の選定などにまで影響を及ぼしはじめています。在日の地方参政権の確立や戦後補償の取り組み、さらには日朝国交正常化にあたっても、大きな妨害となっています。また、教育改革国民会議の報告では教育基本法の見直しとともに、「奉仕活動の義務化」が盛り込まれ、18歳以上に1年間に及ぶ義務を検討するなど、実質的な徴用(徴兵)までうちだされるに至っています。1月末からの通常国会には関連法案も提出されることになっており、来春季から前半期の大きな重点課題となります。

3.核兵器廃絶
 核兵器をめぐる現状は、3万発を越す核兵器の存在と、未臨界核実験やABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約に抵触するNMD(米本土ミサイル防衛)などのミサイル防衛問題などが出てきています。
 また、インド・パキスタンに代表される核拡散の動きも未だ解決の道筋が見えていないのが現状です。核をめぐる全般的な状況はまだまだ厳しいものがありますが、核軍縮に向けた新たな動きも生まれています。
 4月に開催されたNPT再検討会議において、新アジェンダ連合を中心となった努力により、核兵器保有国に「核兵器廃絶の明確な約束」を公約させました。公約の内容はまだまだ不十分ですが、21世紀に向けて「核の究極的廃絶」から「核廃絶への明確な約束」へと大きく前進し、展望が開かれたことは大きな成果です。

4.沖 縄
 7月21日からの「サミットは何だった」という声に代表されるように、米軍機墜落事故、米兵の犯罪、実弾砲撃演習を初めとした広大な陸・海・空域での激しい訓練によって県民の命を奪い、環境を破壊するなど基地による沖縄県民の過重な負担について解決せず、普天間基地の移設の条件としての「15年使用期限」などについては、米大統領と話す機会と時間は十分に会った日本の首相と知事は一言も発言しないなど、沖縄県民の本当の声を無視し、米大統領に21世紀も沖縄の基地を手放さない事を演説されるようではまさに「沖縄県民の願い素通り」となっている現状に変わりはありません。
 知事や市長など首長や行政が基地建設を容認しようが、この間の「県民投票」「名護市民投票」「米軍嘉手納基地包囲行動」などなど沖縄県民の圧倒的多数が米軍基地の整理・縮小・撤去を求めていることに変わりはありません。
 日本の政権は今、新ガイドライン関連法に基づいてNMD(米本土ミサイル防衛)への協力やTMD(戦域ミサイル防衛)構想への参加、日本国内でのガイドラインを先取りした日米軍事演習など軍事同盟の強化、自衛隊にあっても空中給油機導入など他国に脅威をあたえる動きも出てきています。このような動きのなかでますます沖縄の米軍基地が強化されようとしていますが、名護市辺野古沿岸域への新基地建設計画を白紙に戻させる。SACO合意の見直しなど求めた闘いが重要になります。県内移設に反対する取り組みを国際的、全国的に連携していくこととします。

5.脱原発
 ヨーロッパや台湾をはじめ核社会からの脱却の潮流が世界に広がる一方で、日本は52基(商業用原発51基)の原発が稼働しており、相次いだ核施設事故の反省もなく、今秋期、原発推進特措法の成立、東海再処理施設の再開とそれに続く「もんじゅ再開」の動き、同じく原子力長計作業、さらにはCOP6会議での原発推進の主張に至るまで、世界に際だつ原子力利用推進国の姿をさらけだしました。
 持続可能な循環型社会という国際的にも共通の点から、日本の姿勢を洗い直し、自然エネルギーの利用を含めた日本の環境運動の戦略が求められています。

6.環 境
 政府は21世紀の環境政策の基本となる新環境基本計画をまとめ、地球温暖化防止、生物多様性の保全などの戦略や、経済的手法も含めて検討されようとしていますが、COP6会議に対する姿勢に見られるように、実行性ある対策がとられるか疑問視されており、市民運動などと連携して取り組みを進める必要があります。さらに、食の安全性確保はもとより、世界的な人口増加に対して、来年から本格化するWTO交渉が、今後の世界的な食料・環境に与える影響が極めて高いものであり、国内外の運動と結んだ取り組みが重要になっています。(COP6=気候変動枠組み条約第6回締約国会議)

7.狭山事件
 私たちは、99年7月8日東京高裁刑事第四部高木裁判長が決定した、「狭山事件の再審棄却」を怒りをもって糾弾します。13年間一度も現場検証、事実調べも行なわず、弁護団が提出した数々の新証拠、元警察官の証言、犯行現場での目撃者の証言などなど何ひとつ採用せずに棄却決定を出しました。また国際人権委員会からの証拠開示の勧告にも従わず、検察庁に命令すらする事なく非常に反動的な裁判運営であったといえます。
 現在、刑事第五部において「異議審闘争」が闘われています。この闘争も長期化が予想されます。東京平和運動センターとしても狭山実行委員会の一員として完全勝利まで闘い抜く決意です。2月9日の東京集会の成功を勝ち取るためさらにご協力をお願いします。

◆具体的な活動について

1.北東アジア非核化セミナー
 日 時  2001年1月30日(火)〜31日(水)
 ・場 所  韓国カソリック大学

 ・主 催  平和フォーラム
 ・内 容  北東アジアの平和と非核化をめざしての共同行動と交流
 ・参 加  中央より要請があれば代表を派遣したい。

2.2・9東京集会に向けての街頭宣伝行動
 ・日 時  2001年2月2日(金)17:00〜18:00
 ・場 所  JR有楽町駅前(交通会館前)

 ・主 催  狭山東京実行委員会  
 ・規 模  100人
 ・内 容  東京集会への参加要請と狭山事件の完全勝利に向けた行動
 ・参 加  各団体、労組1名

3.全国基地ネット交流集会in大分日出生台
 ・日 時  2001年2月4日(日)13:00〜
             5日(月)12:00
 ・場 所  大分県別府市内および日出生台演習場周辺

 ・主 催  全国基地ネットワーク
       日出生台対策会議(大分平和センター、社民党大分、部落解放同盟大分)
 ・協 力  平和フォーラム
       九州ブロック労組会議・平和センター連絡会
 ・規 模  400人
       (全国50人、九州150人、大分200人)
 ・内 容  2月4日
       ・基調講演
        「北東アジアの緊張緩和と日本の戦後補償」
        講 師 和田 春樹氏
            (東京大学名誉教授)
       ・全国の活動報告など
       2月5日
       ・日出生台現地交流、演習場視察と抗議行動
 ・参 加  各団体、労組1名以上
       (東京平和運動センター発40号12/4要請)

4.狭山事件の再審を求める2・9東京集会
 ・日 時  2001年2月9日(金)18:00〜20:20
 ・場 所  千代田公会堂

       地下鉄九段下駅下車3分
 ・主 催  狭山東京実行委員会
 ・規 模  800人
 ・内 容  石川一雄さんの完全無罪獲得と記念講演
       ・「松川事件の体験から」
         佐藤 一さん(評論家)
       ・佐藤さんは松川事件の冤罪を晴らした長年の闘いについて報告、特に検察の隠しもつ証拠を開示させ無罪を勝ちとった体験の報告
 ・参 加  平和センターには600人の要請がありますので、センター発49号12/5で要請

5.非核・平和条例を考える全国集会inヨコスカ
 ・日 時  2月10日(土)13:00〜11日(日)12:30
 ・場 所  横須賀市文化会館

 ・主 催  全国集会実行委員会
       (神奈川県平和運動センターなど)
 ・規 模  1,000人
 ・内 容  2月10日
       ・記念講演「地域から平和をつくる」
        山内 徳信氏(元沖縄県読谷村長)
       ・問題提起
        「非核・平和条例運動の意義」
         江橋  崇氏(法政大学教授)
       ・参加者全体での交流
       2月11日
       ・3分科会開催〜原子力空母と原子力災害など
 ・参 加  平和フォーラム、神奈川県平和運動センターなどから参加要請がありますので、東京地公労を中心に別途要請します。

6.歴史をねじ曲げる偏狭なナショナリズムを許さない
  2・11集会(仮称)

 ・日 時  2月11日(日)13:00〜16:00
 ・場 所  神田YMCA会館3F

 ・主 催  平和フォーラム 
 ・規 模  500人
 ・内 容  「昭和の日」の制定や靖国神社特殊法人化や、徴兵につながる「奉仕活動の義務化」などナショナリズムの台頭を許さない集会
 ・参 加  各団体、労組1名以上(別途要請します)。

7.米軍普天間基地県内移設反対闘争支援、第2回沖縄基地ツアー
 ・日 時  2月24日(土)〜26日(月)
 ・場 所  沖縄県名護市・那覇市など

 ・主 催  東京平和運動センター
 ・規 模  50人
 ・内 容  米軍普天間基地県内移設反対と沖縄県内の米軍基地視察と沖縄戦争の戦跡めぐり、沖縄の仲間との交流
 ・参 加  平和センター発42号12/12で要請しています。

8.日朝国交正常化など北東アジアの平和環境を醸成する取り組み
 ・日朝国交促進国民協会の取り組みに協力するとともに、市民グループと連携して、国交正常化に向けた取り組みを進め、2月後半ないし3月に集会が予定されています。
 ・「周辺事態法」など新ガイドライン関連法の発動やその準備を許さない取り組みを進めます。とりわけ、自治体・民間協力について非協力の取り組みを進めます。2月の非核港湾条例横須賀集会などに協力します。
 ・臨時国会では、自民党内の偏狭なナショナリズム勢力の動きなどによって実現しなかった「永住外国人地方参政権付与法案」を通常国会で実現させます。そのため全国署名を開始します。市民グループが計画している2月下旬から3月の全国リレー集会2月20日の院内集会に協力し山場では全国集会も計画します。

9.原子力安全委員会との公開討論会
 ・日 時  2月24日(土)13:00〜16:00
 ・場 所  東京周辺

 ・主 催  原水禁国民会議 原子力安全委員会
 ・内 容  JCO臨界事故総合評価会議が原子力安全委員会へJCO臨界事故についての最終報告書を提出し、その際「提言と要請」を提出しました。その中に公開討論会の実施を掲げました。「JCO臨界事故の原因と責任」をテーマにした公開討論会
 ・規 模  未定
 ・参 加  別途要請します。

10.被災47周年ビキニデーと平和フォーラム全国活動者交流集会
 ・日 時  3月1日(木)17:00〜3日(土)12:00
 ・場 所  静岡市内

 ・主 催  原水禁国民会議 平和フォーラム
 ・内 容  第五福竜丸が被災して47年を迎えます。久保山愛吉さんの「私を最後の犠牲者にしてほしい」との遺言にもかかわらず、昨年9月のJCO臨界事故では2人の尊い命が失われました。放射能犠牲者はいまだ生み出されています。被爆47周年にあたる3月1日ビキニデーの集会と全国活動家の交流集会
 ・参 加  各団体、労組1名

11.狭山事件の再審開始と全証拠開示を求める東京高裁・東京高検への要請行動
 ・日 時  3月下旬
 ・場 所  東京高裁前集合

 ・主 催  狭山東京実行委員会
 ・規 模  30人
 ・内 容  東京集会の決議と再審開始と全証拠開示を求める要請
 ・参 加  各団体、労組1名
       (日時が決定しましたら改めて要請します。)

12.東京平和運動センター第5次平和視察団・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)派遣の要請
 ・日 時  4月4日(水)〜4月8日(日)
 ・場 所  北朝鮮・ピョンヤン市

 ・主 催  東京平和運動センター
       連合東京
 ・規 模  全体で60人、東京平和運動センターは10人を予定
 ・内 容  国交正常化に向けて労働者・市民との交流
 ・参 加  ・すべての団体、労組から代表派遣を要請します。
       ・これまで平和視察ツアーに参加された方々にも要請します。
       ・東京平和運動センター個人会員の皆さん。
       ・関東ブロック平和運動センター連絡会にも要請します。

13.反核燃の日4・9全国集会
 ・日 時  4月8日(日)13:00〜9日(月)12:00
 ・場 所  青森市、六ケ所村

 ・主 催  原水禁国民会議、青森原水禁
 ・規 模  1,000人   
 ・内 容  4月8日全国集会と市内デモ
       4月9日核燃料施設視察
 ・参 加  各団体、労組1名(別途要請します)

14.東京平和運動センター第12回定期総会
 ・日 時  4月下旬を予定
 ・場 所  総評会館会議室を予定

       (具体的日程の決定を待って要請します。)
       なお、平和フォーラムは4月25日を予定しています

15.ストップ・プルトニウム、チェルノブイリ事故15周年集会
 ・日 時  4月26日(木)
 ・場 所  未定

 ・主 催  原水禁国民会議と市民団体
 ・規 模  1,000人
 ・内 容  15年目を迎えるチェルノブイリ原発事故を忘れない行動と日本のプルトニウム利用政策転換とMOX燃料利用に抗議する集会。
 ・参 加  場所など明らかになった段階で要請します。

16.憲法施行54周年集会
 ・日 時  5月3日(木)
 ・場 所  未定

       (具体的日程の決定を待って要請します)

17.2001年度「沖縄平和行進」
 ・日 時  5月12日(金)〜15日(日)
 ・場 所  沖縄県内3コース

 ・主 催  沖縄平和運動センター
 ・規 模  2,000人、東京は50人
 ・内 容  米軍普天間基地県内移設反対、米軍基地の整理・縮小・撤去を求めての行動
 ・参 加  沖縄から具体的要請がありしだい文書を発送します。

18.石川一雄不当逮捕38ケ年糾弾!狭山再審要求!事実調べ・全証拠開示実現!中央総決起集会
 ・日 時  5月23日(水)13:00〜16:00
 ・場 所  日比谷野外音楽堂

 ・主 催  部落解放同盟中央本部、部落解放中央共闘会議
 ・規 模  10,000人
 ・内 容  石川さんの完全無罪を勝ち取る全国集会と都内デモ
 ・参 加  各団体、労組は中央本部より指示があります。

19.署名活動などについて
 @食品衛生法の改正・充実強化を求める署名
 A「もんじゅ」の廃炉を求める署名
 Bフランスの核実験関連文書の公開を求めるハガキ要請

20.その他予想される行動について
 @「循環型社会」改革や地球温暖化防止などの取組み
 A食の安全を守る取組みとMTO交渉などの課題

以 上


●タイトル頁に戻る

●目次に戻る ●1頁に戻る  ●2頁に戻る