TKOPEACENEWS
 1面 NO.121 2013.5.21

5.15 沖縄平和行進に6000名
「復帰41年 5・15平和とくらしを守る県民大会」3500名の参加で開催

 復帰41年の平和行進は、5月11日の宮古コースを皮切りに、連日続けられ5月19日の「復帰41年 5.15平和とくらしを守る県民大会」に総結集しました。東京平和運動センターは18日から20日の日程で38名が参加しました。18日は辺野古基地建設に反対する「ヘリ基地反対協」の現地テントを訪問、安次富代表の力強い決意を受け、カンパを手交し連帯表明を行いました。
 19日は行進前と大会中にすさまじい豪雨に襲われましたが、最後まで全国の仲間と連帯し行動を終えました。なお、東京からは三多摩平和運動センターの47名など、各労働組合や団体ごとに参加、総数は200名近い参加となりました。

 「復帰41年5.15平和とくらしを守る県民大会」は3500人参加のもと開催されました。山城博治沖縄平和運動センター事務局長の司会のもと、最初に全員で力強くシュプレヒコール。崎山嗣幸実行委員長(平和センター議長)が「沖縄では爆音被害による生活破壊が常に起きている。日本は果たして主権国家なのか。今後も平和への思いを高めていこう」と主催者あいさつ、藤本泰成平和フォーラム事務局長は「橋下発言に沖縄差別の言葉に腹の底から怒りが湧く。命としっかりと向き合う新しい国を出発させたい」と連帯あいさつ、新垣邦男中部市町村会副会長(北中城村長)の激励あいさつ。参加首長、各級議員、新川秀清第3次嘉手納基地爆音訴訟団会長、島田善次普天間から爆音をなくす訴訟団長、安次富浩へリ基地反対協代表委員が、紹介されました。韓国からのゲストとしてソン・ガクホさん(韓国「開拓者たち」代表)と日本軍「慰安婦」被害者のキム・ボクトン(金福童)さん(写真)のあいさつが行われました。米軍基地被害を受けるピョンテク(平沢)から来たソンさんは「米軍基地、出て行け」と日本語で力強く訴え、キムさんは、「慰安婦」問題を巡る日本維新の会の橋下共同代表の発言を批判するとともに日本政府の謝罪と補償を求め、「戦争で国の力が弱ければ、皆さんも必ず被害に遭う。力を合わせ、戦争のない世界をつくろう」と語りました。
 そして、平和行進各コース本土代表、八重山・宮古・東・西・南の報告が行われました。大会宣言が読み上げられたあと、崎山議長の音頭のもと全員でガンバロー三唱を行って集会を終えました。


5.15沖縄県民大会の、金福童さんの発言を伝える、沖縄タイムス(5.20)記事の紹介
金さん、慰安所の実態証言     

5・15大会


「国家による性暴力に遭い、人権を踏みにじられた少女のことを知ってますか」。韓国人の元「従軍慰安婦」、金福童(キムボクトン)さん(87)が、舞台の上から「慰安所」での生活を語り始めると、会場は静まり、地をたたく雨の音が響いた。
 金さんが14歳のころ旧日本軍に連行された場所には、複数の部屋を備えた慰安所があっ
たという。金さんは「日本政府は民間人が慰安所をつくったとしているが、(戦時下の)民間人があのような慰安所を準備できただろうか」と軍の関与を指摘。「日本政府はうそをつかず、公式に謝罪してほしい」と訴えた。
 「台湾、中国などの慰安所を回り、1日に数十人の相手をさせられた」という金さん。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長が「慰安婦は必要だった」と発言したことに「政治家が暴言を吐くことができないよう、皆さんが力を合わせてください」と参加者に求めた。
 大会後の取材に対し、24日予定の橋下市長との面談について「何を言うか、相手がどう答えるかは会ってみないと分からないが、私と彼との気持ちが合わなければ、闘いが始まる」と語った。
 沖縄での米兵による性犯罪には「軍事基地があるから、性暴力の危険性が高まることは歴史が物語っている」とし、基地撤去の必要性を強調した。


 
平和とくらしを守る5・15沖縄県民大会宣言

2013年5月19日

 1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効され、沖縄を日本から切り離し、そこから「県民の苦難の日」が始まった。それを置き土産に日本は国際社会に復帰した。それから、20年後の1972年5月15日に沖縄は復帰したが、「即時無条件全面返還、平和な島・沖縄」を強く望んだ県民の願いとは裏腹に米軍基地は居座り続け、戦後61年、そして、復帰41年たった今日、基地機能はさらに強化されてきた。こうしたなか、沖縄が「屈辱の日」としてきた4月28日に政府主催の「主権回復式典」を開催したことは、断じて容認できるものではない。米国追従・日米同盟を優先し.国民、県民の声に耳を傾けることのできない、今のこの国は主権国家と言えるはずもない。
 私たちは、昨年9月に10万3千人が結集し、「オスプレイ配備に反対する9・9県民大会」を開催した。さらに、今年1月には県内全41すべての市町村の長および議会議長、県議会の各会派の代表が署名、捺印したオスプレイ配備の撤回と普天間基地の県内移設に反対する「建白書」を安倍総理に手渡した。しかし、日米両政府は昨年10月1日に欠陥機オスプレイを普天間基地に強行配備し、両政府の合意に違反したオスプレイが連日、住宅地の上空を我が物顔で飛び回り、県民に大きな不安も与え続けている。本土においても、山口県岩国基地を拠点に低空飛行訓練が開始され、さらに全国で訓練を実施しようとしている。また、今年の夏以降には普天間基地に新たに12機を追加配備し、さらに空軍仕様のオスプレイを嘉手納基地に配備する計画も明らかにした。一方、沖縄防衛局は、3月22日に辺野古新基地建設に関する埋め立て申請書を姑息な手段で沖縄県に提出するとともに、東村高江では反対派住民を強制排除し、ヘリパット建設を推し進めている。このような、日米両政府による差別的な基地負担に県民の怒りは収まらない。

 他方、自民党安倍政権は、過去の植民地支配と侵略を認めた村山談話を否定するとともに、7月の参議院選挙で憲法96条の改正を公約にかかげ憲法9条を改正し、戦争する国づくりへ突き進もうとしている。防衛大綱の骨子では、島しょ防衛の強化の名のもと、沖縄の自衛隊の強化、オスプレイの導入を公表した。まさにアジア諸国の脅威になろうとしている。また、大阪橋下市長の従軍慰安婦の容認と米軍への風俗の活用発言は、女性に対する人権をあまりにも軽視し、不見識であり市長、政治家の資質はまったくなく、即刻辞任すべきである。
 このような米軍、自衛隊基地、憲法改悪が取り巻く状況の下、私たちは、復帰41年目の5・15平和行進を実施した。本島3コース、宮古、八重山コースを含め計5コースで3日間、力強い行進を展開した。政府の米国追従と差別的な沖縄政策によって押し付けられる不条理に厳しく抗議し、各地で、日米両政府に県民が一丸となって闘う決意を交換しあう実り多い行進となった。また、今回の行進にも全国各地から1,300人余の県外参加者があり、県内参加者と随所で交流、意見交換をし、反戦平和の創造を誓い合い、この平和行進を盛り上げる原動力となった。
 私たちは、今年の5.15平和行進を締めくくるこの大会において、平和行進と本大会の成功をともに確認しあうとともに、引き続き、日米両政府によって進められる米軍再編、それによってもたらされる沖縄ならびに全国の米軍基地の強化、拡大に反対することを表明する。さらに、続発する米兵による凶悪犯罪を糾弾し、日米両政府に対し米軍犯罪の温床になっている日米地位協定の抜本的改正を強く要求する。また、2年が経過した東日本大震災の早期の復興と原発の再稼動を許さず、脱原発社会の実現を確認する。最後に戦争への道に踏み出そうとする政府の戦争策動、憲法改悪に抗し、わが国とアジア近隣諸国、そして世界平和のために闘い抜くこと確認した。そして、このことを本大会において宣言する。


自民党などの改憲案を斬る!−施行66周年憲法記念日集会

 5月3日、平和フォーラムは「自民党などの改憲案を斬る!―施行66周年憲法記念日集会」を600名の参加者のもと日本教育会館ホールで開催されました。
 世界各地で戦争が絶えない今日、日本の憲法を高く評価する声は世界に広がっています。しかし、昨年12月の衆議院総選挙は、自民党や維新の会など改憲勢力が合計すると衆議院議席数の3分の2を大きく超えるという重大な結果をもたらしました。すでに、改憲発議を3分の2から過半数に引き下げる憲法96条改定に、安倍首相は積極姿勢を見せ、「維新」やみんなの党と連携した動きもすすめられています。こうした動きを踏まえて憲法の意義と改憲論の問題点をともに考え、憲法を具体的に生かしていく糧にしようという主旨の学習集会として開催されました。
 主催者を代表して福山真劫代表、4月25日に発足した立憲フォーラム呼びかけ人大河原雅子参議院議員のあいさつ(下記メッセージ)につづいて、「憲法の基本原理と昨今の改憲論」と題して清水雅彦日本体育大学准教授、「国際人権基準から見た日本の外国人の人権問題」と題して大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター客員研究員の師岡康子さんの2人の講演が行われ、最後に、藤本泰成事務局長がまとめと今後の取組についての提起を行いました。


憲法記念日によせて
2013年5月3日
立憲フォーラム


 1947年5月3日に日本国憲法が施行され、今日で66年が経ちました。戦後、日本は過去の戦争の反省から出発し、国民主権と人権の保障を要とする立憲主義のもと、日本国憲法は国民の間に定着し、日本の発展のために大きな役割を果たしてきました。
 いま、この日本国憲法が大きな危機に直面しています。安倍晋三首相らが、憲法改正の発議の要件を衆参各院の総議員数の3分の2から2分の1にしようと動き始めたのです。その理由に「日本は発議要件が厳しい」ことをあげています。しかし、これは事実ではありません。アメリカや韓国など多くの国が発議要件を日本同様に「3分の2」にしていますし、発議後も厳しい要件を備えています。では、なぜ2分の1に固執するのでしょうか。それは第9条などの改正がなかなかできないので、改正が実現しやすくなるように、まず「ルールを変えてしまえ」というのです。
憲法とは、国民が権力者に守らせる最高規範です。これが、立憲主義の根本原理です。安倍首相は「国民の手に憲法を取り戻す」と言っていますが、自分たちが縛られている憲法という最高規範を、自分たちの思い通りに変えやすくする、ということは「国民の手から憲法を奪う」ことになりかねません。
 すでに明らかにされた自民党の憲法改正案は天皇を元首とし、自衛隊を国防軍にかえ、基本的人権を制限できるように「公共の福祉」を「公益及び公の秩序」にすりかえるなど、戦後日本社会の規範・枠組みを変えようとしています。また、4月28日には沖縄県民の抗議を無視して「主権回復」式典を強行するなど、改憲への地ならしを着々と推し進めています。また、日本維新の会は綱領で「日本を孤立と軽蔑の対象に貶めた」占領憲法を大幅に改定する立場を明らかにしました。こうした動きは憲法改正の是非の立場をこえて、立憲主義の土台を壊しかねない事態であると私たちは考えます。
 そこで、これらの憲法をめぐる動きに危機感を共有した超党派の議員が集まり、4月25日に「立憲フォーラム」を立ち上げました。国民から「ここを変えないと生活に悪影響が出る」、「この条文があるために権利が侵された」などの声がたくさん起こって、はじめて、立法府たる国会で改正を検討するというのが真の憲法改正の筋道です。
憲法は主権者たる国民のものです。私たちは、このような国民をおきざりにした改憲の動きをくい止め、立憲主義を守るために、全力を尽くします。

以 上

立憲フォーラム(顧問)赤松広隆、江田五月、岡崎トミ子、菅直人、照屋寛徳、又市征治、横路孝弘
(代表)近藤昭一(副代表)阿部知子、水岡俊一、吉田忠智(幹事長)辻元清美(事務局長)江崎孝
(事務局次長)那谷屋正義(幹事)大河原雅子、
篠原孝、武内則男、松野信夫、吉川元


2013.6.20
新規制基準決定に対する共同声明

原水爆禁止日本国民会議
原子力資料情報室


 6月19日、原子力規制委員会は、原発に関わる新規制基準を決定した。この決定と同時に実質上同基準が政令等として公布され、7月8日には施行する予定となっている。
 原子力規制委員会はこの新規制基準づくりにあたり、「あくまで科学的判断を基とする」と述べてきた。しかし決定された新基準が、2011年3月の東電福島第一原発事故の究明に立脚し、科学的、技術的に純化した新基準たりえているかと言えば、不十分な基準だと断じざるをえない。
 原発そのものが危険な存在であり、過酷事故の想定は無限にあるとする認識に立つなら、科学的、技術的見地の規制によって、そのリスクを補えるのかという前提に私たちは疑問をもつ。しかし、もしかりに、新規制基準がこの疑問に応えるものであるなら、それ相応に科学的、技術的規制でなければならないが、原発推進勢力の隠然たる圧力の中、規制基準は薄められ、原発の再稼働に道を開く方便となるものなら、許されるものではない。
 新基準には、いくつかの点で誤りがある。
 原発の立地条件の適否を問う立地審査指針で集団線量の考え方を退けていること。
 福島第一原発事故で応急対策の柱とされてきた常設直流電源設備(第3系統目)、第二制御室など「特定重 大事故等対処設備」に係る基準に5年間の猶予を与えること。
 単一故障の仮定に立って構築され、外部電源以外の共通要因が考慮されていないこと。
 原発の40年制限に例外を与え、明らかな規制基準の後退を裏付けるもの――などである。
 また、原子力規制基準と原子力災害対策は一対をなすべきであり、「再稼働」の是非は、規制基準と同等に当該施設自治体および周辺自治体の原子力災害対策が確立されることを条件とされねばならないが、原発の基準と防災対策は切り離されている。
 そして、今回の新基準の策定過程で大きな疑問となるのは、5月10日まで行われたパブリックコメントへの応募意見について、充分な審議がなされなかったことだ。
 また、新基準を運用する規制行政の態勢の問題がある。
 検査体制、人員など、総合的な観点からの対応が重要だが、「再稼働」に関わる審査は、安全規制管理官および安全規制調整官らによって行われると思われる。BWR(沸騰水型)担当の管理官は前原子力安全・保安院原子力発電検査課長、PWR(加圧水型)担当の管理官は前原子力安全・保安院原子力安全基盤課長ではないか。調整官らの多くも、原子力安全・保安院で審査や検査に当たってきた。「規制の虜」になってきたかれらが正しく審査を行えるのか疑問でならない。
 いずれにしても、新規制基準の法制化によって、不十分な新基準によって審査され、手続きとして原発の再稼働の扉を開くこととなる。
 これでは原発事故の再発を防げない恐れが高く、だからこそ、原水禁と原子力資料情報室は、拙速な新基準の施行をするべきでなく、パブリックコメントへの対応含めて、改めて新規制基準を問い直すことを求める。その上で、再稼働審査にあたっては、新基準と防災対策を一体のものとして関連付けたうえで厳正な審査をするべきと考える。

●タイトル頁に戻る ●目次頁に戻る ●機関紙頁に戻る ●次頁に進む