TKOPEACENEWS
 1面 NO.117 2013.1.1

新年のごあいさつ

東京平和運動センター 議長  長谷川 信康

 新年にあたり平和運動推進にご協力いただいている皆さんに挨拶申し上げます。東日本大震災・福島第一原発事故から二年が経とうとしておりますが、避難されている方が30万人を越えている状況が続いており、復興が捗らない状況にあります。
 放射能汚染被害は福島県はもとより、多くの県に出ています。山・農地・河川・湖・海、ゴミ焼却場・下水処理場が高い放射能汚染にさらされ、その廃棄する場所に困る事態になっています。
 一番怖いのは、廃炉になった原発構造物が安定していない事で、修復もならないまま推移していく事を考えると心配でなりません。
 また敦賀原発が活断層の真上にあるとか問題になっていますが、何処にあっても危険であり、福島原発事故の教訓をどう生かすか問われていると思います。電事連によると、全原発の使用済み核燃料プールの保管容量は2万630トンでこのうち7割近くが埋まり、残りは6400トン分しかありません。全原発が通常通り運転した場合、発生する使用済み燃料は年間千トンで、6年ほどで満杯になる計算です。廃棄物処理方法も確立しないまま今日まで原発運転を推進してきたのです。即刻廃炉にしてこの核廃棄物処理に当たらなければなりません。
 
 昨年、石原前都知事の釣魚島購入に対して政府は「尖閣国有化」を強行しました。
国益優先と叫ぶ人たちがこの領土問題で国家間の緊張を作り出していますが、真に国益になっているのでしょうか。また、米国は「尖閣諸島は日本の施政下にあり日米安全保障条約の適応範囲であるとし、それに加えてアメリカ議会上院が、その事を法律に明記する」としました。米国の財政破綻は深刻でこの領土問題を利用して東アジアにおける主導権を握ろうとしていますし、日本にもこれまで以上に軍事費の肩代わりを要求しています。
 自民党は衆院選の公約に改憲による「国防軍」の保持や政府が憲法解釈で禁じている集団的自衛権の行使容認を明記すると言い、更には改憲の優先順位に関し、まずは改憲発議要件を衆参それぞれの三分の二以上から過半数に緩和するとまで発言しました。
 
 昨年12月平和センター関東ブロック総会があり、翌日のフィールドワークで東松山の「吉見百穴」を見てきました。凝灰岩の丘陵地帯につくられた古墳時代後期(7世紀〜8世紀)の横穴古墳群です。百穴のある岩山の下には、敗戦間近に地下軍事工場がつくられました。
 現地でこの地下工場建設の説明を聞きました。1945年3月東京大空襲があったその月に、この地下工場建設のため軍の大将クラス数人が視察にきました。地下工場建設責任者は「この戦争勝てますか」と聞いたところ、全員口をそろえて「勝てるわけ無いだろ」と即応えたと言ったそうです。軍の上層部は敗戦を覚悟していたのですが、それから沖縄戦、広島・長崎への核爆弾投下と続いていったことを考えると、無責任な戦争指導者は最後まで無責任であったと言えるのではないでしょうか。

 年末の衆議院選挙では自民党の圧勝に終わり、安部自民党は憲法9条の改定、原発再稼働、TPP拡大協議等危険な道へ突き進もうとしています。平和運動の真価がますます問われる中、民意は自民党の圧勝と正比例していない事を確信し本年も先頭に立ち頑張る決意です。
宜しくお願いします。


 

狭山事件の再審開始と完全無罪を勝ち取ろう 
狭山東京実行委員会第18回総会(12.17)


 狭山東京実行委員会は、12月17日東交会議室において第18回総会を開催、事件発生50年を迎える来年(2013年)こそ必ず再審開始を勝ち取るための、取り組みを確認しました。総会第2部では、部落解放同盟中央執行委員で同埼玉県連委員長の片岡明幸さんの講演を受け、東京の各地区で取り組む仲間たちと労組や団体の皆さんが、運動を大きな輪にしていくための交流を行いました。 
 来年2月の東京集会の成功にむけ、各地域からの運動の積み上げを確認し合いました。
 


 狭山事件の再審開始を求める決議


 闘いは最大の山場に入りました。狭山事件の第3次再審請求を審理している東京高等裁判所刑事第4部は、2009年以来、東京港等検察庁、狭山弁護団と協議する「三者協議」を続けてきましたが、この「三者協議」がいよいよ大詰めを迎えています。
 これまでに11回行われた「三者協議」の中で、裁判所は検察に対して「狭山事件の未開示の証拠を開示するよう」勧告を出しました。これにしたがって東京高検も数次にわたって証拠開示を行いましたが、決定的な証拠として裁判所が注目していた、「殺害現場とされる雑木林の血痕飯能検査報告書」などは、「不見当(ふけんとう、見当たらない)」などとして開示しませんでした。さらにここに来て検察は、「これ以上の証拠開示は必要ない。三者協議もこれ以上やる意味がない」などと言い出しています。
 長い間具体的な動きがなかった狭山再審の闘いにおいて、ついに私たちは裁判所を動かし、三者協議を開始させ、検察に数次の証拠開示をさせることに成功しました。これは100万人を上回る署名の数に示されるように、狭山再審を求める闘いが世論の支持を得てきた証拠であり、再審実現にむけた実に大きな一歩です。しかし検察は、ここに来て再審開始に徹底的に抵抗する姿勢を示しています。間違いなく狭山事件をめぐる闘いは大詰めです。
 今こそ東京高裁は、新証拠の事実調べに踏み切り、再審開始にむけて動き始めるべきです。
 狭山事件の再審を求める闘いは、今最大の山場を迎えました。2013年は狭山事件発生から丁度50年です。これ以上の時間の経過は許されません。私たちは、来る2013年の闘いをあらゆる差別の撤廃と、基本的人権の確立をめざした闘いとして取り組みます。そして、必ず2013年こそ、再審開始と完全無罪を勝ち取ります。
 以上決議する。
2012年12月17日
狭山東京実行委員会第18回総会


1 狭山事件の再審を求める三多摩集会
 1 日 時   2013年2月7日(木) 
18:30〜
 2 場 所   立川市女性総合センター 「アイム」
 3 共 催   狭山東京実行委員会
三多摩平和運動センター
         部落解放同盟東京都連合会

2 狭山事件の再審を求める東京集会
 1 日 時   2013年2月20日(水)
18:30〜
 2 場 所   台東区民会館ホール
 3 主 催   狭山東京実行委員会

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