TKOPEACENEWS
 1面 NO.109 2012.2.29


〜ついに重い扉が動きはじめた〜
狭山事件の第三次再審開始・完全無罪を勝ち取ろう

『狭山事件の再審を求める東京集会

(2012.2.17)

 2月17日、「狭山事件の再審を求める東京集会」(主催:狭山東京実行委員会)が台東区民会館ホールで開催されました。夕方から、雪が舞う中、210名が参加、熱気あふれる集会となりました。
 集会冒頭、主催者を代表して、長谷川信康・実行委員会議長(東京平和運動センター議長)が「自白の強要とこれにもとづく犯人デッチ上げという、権力犯罪を許すことはできない。再審・無罪判決まで闘おう」と決意表明しました。
 つづいて、石川一雄さんと妻の早智子さんが挨拶〈右写真〉「ついに重い扉が動きはじめた」ことへの実感と必ず無罪を勝ち取るまで闘う決意を述べました。
 本橋事務局長の集会基調提起の後、狭山事件主任弁護人の中山武敏弁護士が弁護団報告を行いました。中山弁護士は報告とともに、部落差別にもとづく権力犯罪との闘いにかけた自らの思いを熱く語り、参加者に大きな共感を与えました。
 後半は、各地域・労組など12団体の代表がそれぞれの取り組みと決意を表明、集会決議(下記参照)を確認して終了しました。

狭山事件の再審開始を求める決議

 ついに重い扉が動き始めました。2009年12月16日、狭山事件の第3次再審請求を審理していた東京高等裁判所刑事第4部は、東京高等検察庁に対して「狭山事件の証拠を開示するよう」勧告しました。
 裁判所は、具体的に8項目の証拠を指定して開示するよう勧告しました。これに対して東京高検は、2010年5月13日、4項目36点の証拠を開示しました。そしてこれ以降、今日までに計3度の証拠開示が行われました。
長い間具体的動きがなかった狭山再審のたたかいにおいて、ついに私たちは裁判所を動かし、検察に証拠開示させることに成功しました。これは100万人を上回る署名の数に示されるように、狭山再審を求める闘いが世論の支持を得てきた証拠であり、再審実現に向けた大きな一歩です。
 しかし、検察は、この期におよんでも、裁判所が勧告した全ての証拠を開示していません。特に問題なのは、「雑木林の血痕反応検査報告書」など重要な証拠を全て「不見当」、つまり「見あたらない」として開示していないことです。この東京高検の姿勢は、非常に不誠実で、真実解明を妨げるものと言わなくてはなりません。
 長い間、この国では検察が証拠をでっち上げたり、無実の証拠を隠したりすることはないと信じられてきました。しかし、2010年発覚した「郵政不正事件」の捜査で、この神話は完全に崩壊しました。狭山事件の証拠開示に対する検察の不誠実な態度は、狭山事件の証拠についても意図的な隠ぺいがなされていると感じさせられます。私たちは、東京高検がこのような態度を改め、直ちに前証拠を開示するよう強く要求します。
 狭山闘争は、今40数年の歴史の中でも最も重大な局面を迎えているといえます。
 狭山事件は部落差別にもとづくえん罪です。私たちは、この2012年の闘いをあらゆる差別の撤廃と、基本的人権の確立をめざした闘いとして取り組みます。そして、必ず再審開始と完全無罪を勝ち取ります。    

以上決議する。


2012年2月17日 
狭山事件の再審を求める東京集会





「さようなら原発1000万人署名」を成功させよう
2.11 「全国一斉行動in東京」
      再稼働を許すな!さようなら原発1000万人アクション」 
  
代々木公園に12000名

  2月11日、東京・代々木公園で開かれた「全国一斉行動in東京 再稼働を許すな!さようなら原発1000万人アクション」の集会には、12000人が参加しました。呼びかけ人の大江健三郎さん、澤地久枝さん、落合恵子さんの他、福島から、永山信義さん(福島県平和フォーラム)、増子理香さん(つながろう!放射能から避難したママネット@東京)、菅野正寿さん(福島県有機農業ネットワーク)からの訴え、さらに、俳優の山本太郎さん、タレントの藤波心さんが発言をしました。集会後、東京平和運動センターなど労働組合を中心とする仲間は、新宿中央公園に向かってデモ行進を行いました。

 大江健三郎さんは、福島県の農漁民の苦悩を宮沢賢治の詩に重ね、「静かに怒りを燃やす姿を、私たちの声として生かしていこう」、そして「原発が出す核廃棄物を、私たちは孫の代まで残すことになる。それは人間が決してやってはいけないことで、倫理に反するものだ」「原発を一掃することは、もっとも大きく根本的な人間の倫理。原発を止めるという決意を、子供たちにはっきりと言うことが希望の灯りである」と訴えました。

署名数 4,193,872 筆(2月17日現在)
5月末日まで延期し、署名活動を継続


 
最終締め切り日を2月28日に予定していた、「さようなら原発1000万人署名」は、5月末日まで締め切りを延期し、署名活動を継続することが決定いたしました。
 これは、現在署名数が目標に達していないこともあり、継続を希望する皆様からのたくさんの声をいただいていることや、今夏にかけて、国のエネルギー政策が議論される情勢を受けたことによります。
「さようなら原発一千万人アクション」 呼びかけ人 澤地 久枝 
 さようなら原発一千万万人の署名は月末現在420万人です。みんなが祈りをこめて動いた結果ですが、かかげた目標は達成されるべきで、可能であると思います。
 全原発停止の事態が目前です。しかし、これは反原発運動の反映ではないですね。原発なしで生きてゆけると認めたくない人々は、再稼働のために露骨な動きをはじめています。ベトナムへの原発輸出など、面子とソロバンで命の危険はかえりみずです。締め切りを五月三十一日にしました。私たちの意志で全ての原発が永久停止となるように、署名運動をやっていきましょう。

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