一年学年部だより

― 1998年度 No2 ―

発行:一年学年部

発行日:1998年10月19日(月)

一年学年部だより                  No.2
                                1998.10.19
--------------------------------------------------------------------------

 紅葉が待ち遠しい季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
 子どもが所沢高校に入学してはや半年、すっかり「所高生」になっているお子さん、
戸惑いを感じているお子さん、こんなに楽しいばかりでいいのかしらと感謝したり不
安に思ったりしている保護者の方々、様々と思います。11月21日(土)午後に
一学年全体懇談会が予定されています。いろいろなことを話し合えるとよいですね。
詳しいお知らせは後日お配りいたします。

 今回は所高祭での学年部の取り組みと、私達一年保護者に深く関わりのある竹永先
生に対する処分不服申し立ての第一回公開口頭審理についてご報告致します。
                   (裏面にあります。是非お読み下さい。)

 ―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―‥―

┌──────────────────┐
│ 今年初めて所高祭のPTAの部屋に │
│ 「茶話コーナー」が作られました! │
└──────────────────┘

 このコーナーはできるだけたくさんの方に所高のことを理解してもらおうと一年学
年部が提案して実現したものです。冷たい麦茶のサービスと、所高について書かれて
いる新聞・雑誌の記事、「所高生の自由と教育を考える委員会」の勉強会報告などを
用意しました。これまで所高で起こっている様々な事を理解してもらうのに役立った
と思います。
 また、両日共午後にミニ学習会も開催しました。予想以上、各日共40名近い方に
参加していただき、会場終了時間ぎりぎりまでいろいろと話し合いました。


 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ミニ学習会の報告 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

┌────────────────────────────────────┐
│ 9月12日(土)  講師: 君島和彦氏(PTA会長)         │
│          テーマ: 学習指導要領とは?            │
└────────────────────────────────────┘

【学習指導要領ってどんなもの?】
 教育課程編成の基準を示すものといわれています。各学年での教科内容とか、教科
以外の特別活動など、教育活動のおおまかな基準が示されています。

【卒業式・入学式について何が書かれているの?】
 第3章「特別活動」の第3「指導計画の作成と内容の取り扱い」の3に「入学式や
卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱す
るよう指導するものとする。」とあります。この他に入学式・卒業式について書かれ
てある個所はありません。つまり、入学式・卒業式をどのようにやるかは各学校で判
断すればよいことですし、必ず入学式や卒業式をしなくてはならないという記述もあ
りません。

【指導要領と違うことをやってもよいの?】
 日本史や世界史を教科書の最後まで教わったという人は少ないのではないでしょう
か。終わらなかったといって先生が咎められることはありません。このように指導要
領の全てに厳密に従えというのは無理な話で、それを求めているわけでもありません。

【学習指導要領って法律なの?】
 文部省は現在、法的拘束力を持つと主張しています。しかし、教科を最後まで教え
られなかったからといって先生が罰せられるでしょうか? いろいろな裁判の結果の
解釈や教育法学会の判断では法的拘束力を持つとは言い切れません。


┌────────────────────────────────────┐
│ 9月13日(日)  講師: 清水康幸氏(PTA副会長)        │
│          テーマ: 生徒は「指導される存在」なの?      │
└────────────────────────────────────┘

【所高の校風としての「自主・自立」との関係は?】
 「教育を受ける」とか「指導される」ということは決して一方的・受け身的な関係
ではありません。生徒は「教育を受ける権利」の主体です。

【所高の話し合いのシステムとは?】
 主体的に取り組まれる学校行事を通して、生徒達は意見の違いを話し合いで解決し、
一致点に基づいて行動するという民主主義の基本的なルールを、実践的に体得してい
ます。この生徒の意志を最大限に尊重した学校運営を行うというシステムは、「子ど
もの権利条約」で定められた意見表明権、学校運営への「参加」権を具体化したもの
です。

【生徒は何をしてもよいの?】
 学校の中で何が許され、何が許されないかということは、お互いの権利を認め合う
ことを前提に、まずは自分で判断しなければなりません。所高の「校内生活上の心得」
には『意味をはき違えて行動すると、他人の自由を奪うだけでなく自分の自由も失っ
てしまう。私達は自由であると同時に、自らの行動に責任を負っているのである。』
とあります。生徒は自由の意味をきちんと考えているようです。
 自由には2つの側面があります。「〜からの自由」(束縛から免れる)と「〜への
自由」(努力して新しい可能性を獲得していく)。所高生はあえて後者のしんどい課
題を自らに課しているといえましょう。先生方もそれをあたたかく見守る余裕を持っ
ています。

【先生と生徒の関係は?】
 所高の先生は「教育の基本は信頼」とよく言われます。生徒も「任されたから頑張
れる」と言います。制度的には教師と生徒は「対等」とは言えませんが(教師には評
価権や懲戒権がある)、信頼関係が築かれていれば生徒と先生は「話し合い」の場に
おいて独自の人格を持つものとして互いの意見を対等に戦わすことが可能です。
 教育とは学習主体である生徒がいろいろな試行錯誤をしつつ、一つ一つの課題を達
成することを通じて、自己決定をできる自立した主体へと成長していく過程を励ます
ことではないでしょうか。そのためには、生徒を信頼し「任せる」「待つ」姿勢が重
要といえるでしょう。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

┌────────────────────────────────────┐
│        竹永先生に対する処分不服申し立てについての       │
│      第一回公開口頭審理が10月6日県庁で開かれました。     │
└────────────────────────────────────┘

┌───【公開口頭審理とは?】──────────────────────┐
│                                    │
│ 竹永先生が処分を不服として県人事委員会に審査を請求しました。これに対 │
│ して教育委員会から答弁書が出され、それに対して竹永先生サイドから反論 │
│ 書・求釈明書などもだされるなどすでに文書でのやりとりがされています。 │
│ 人事委員会の委員長を議長とし、処分者である県教育委員会と申し立て請求 │
│ 人である竹永先生がそれぞれ弁護士をたてて文書ではなく口頭で意見を述べ │
│ 合うのがこの審理です。公開ですので傍聴ができます。最低は人事委員会委 │
│ 員長と委員2名、計3名の合議で決定されるそうです。          │
└────────────────────────────────────┘
 処分者サイドから弁護士・教育委員会・教育局15名、請求人サイドから竹永先生・
弁護士・同僚の先生・支援する会事務局長等14名が出席しました。150名近い傍
聴人も集まり、竹永先生を応援する雰囲気の中審理は進みました。まず、弁護士・竹
永先生・岩下先生・支援する会事務局長谷村さんらの意見陳述がありました。
                                (右ページ)
 その後、処分事由を明確にすること、処分の証拠として校長先生からの事故報告書
以外に何かあるのか明らかにすること等、請求者弁護士から処分者側に要求しました。

    あの入学説明会の録音テープが存在することが判明しました。

 これまで明らかにされていなかった入学説明会の録音テープが存在することが、弁
護士さんのやりとりの結果初めて明らかになりました。請求人弁護士は、テープの内
容を確認し処分の根拠をきちんと認定するため、そのテープを提出するよう要求しま
した。校長先生が出した事故報告書は実際の竹永先生の発言と食い違ったところがあ
るのです。
 処分者弁護士は立証のところで出すと主張、現時点での提出を拒否しました。これ
に対して人事委員会委員長は強い語調で、請求人から強い要求があるのでこれを検討
して欲しいと発言しました。
 次回テープが提出されれば、事実に基づいた審理が出来ると期待されます。


┌───【処分の理由とは?】───────────────────────┐
│                                    │
│  入学説明会において、校長は、入学には校長が行う入学許可を受けること │
│ が必要であり、「入学を祝う会」は「入学式」終了後に実施すると伝えたと │
│ ころ、竹永教諭は校長の了解を得ることなく、学年関係の説明の時に校長の │
│ 説明に反し、「入学式」は行わず「入学を祝う会」のみを行い、教職員も校 │
│ 長の行う「入学式」に反対する旨述べた。                │
│  この所為は、教育公務員としてその職の信用を著しく傷つけるものであり、│
│ 地方公務員法第33条に違反するものである。              │
└────────────────────────────────────┘
 右ページの意見陳述は抜粋ですが、全文をご覧になりたい方は○○(944-xxxx)
までご連絡下さい。(懇談会の時にも全文のものを用意します。)


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


┌─── 竹永先生の意見陳述から ────────────────────┐
│                                    │
│  説明会での発言は、半年にわたる生徒の動き、職員会議での決定と校長の │
│ 考えを述べたにすぎません。もちろん、入学式に反対しているというような │
│ ことは話していません。                        │
│  卒業記念祭での各種の報道もあるので、その経過や「祝う会」の取り組み │
│ について現状を素直に伝えることが最も教育的であろうと、新一年教員団で │
│ 意見がまとまり、代表である私が話すことになりました。そして、内田校長 │
│ は入学式を強行するといっているので、そのことについてもきちんと伝え、 │
│ しかも4月9日不安が無いように説明することになりました。       │
│  私たち新一学年教員団としては、新一年生に不安や混乱を与えたくないと │
│ いう点を大切に考えていました。また、事前に四者会議の生徒との合同会議 │
│ を持ち、それぞれ説明する内容を確認しました。             │
│  説明会で内田校長は入学式で入学を許可することのみを強調し、他のこと │
│ は一切触れませんでした。事実経過の報告が当然なされるべきでありました。│
│  なにより、所沢高校の自主・自立の校風に則った生徒の取り組みを正しく │
│ 理解していただくことと、4月9日へ向けての不安を払拭することを一番大 │
│ 切な事柄と考えていました。このような趣旨の発言が、なぜ処分を受けなけ │
│ ればならないのでしょう。                       │
└────────────────────────────────────┘


┌─── 岩下先生の意見陳述から ────────────────────┐
│                                    │
│  竹永先生と同じ1学年の担任をしています。              │
│ 竹永さんの発言は学年会で集団的に討議・決定した内容を学年代表として話 │
│ したものです。今後も校長と粘り強く話し合い、当日混乱がないよう努力を │
│ 続けると約束したものです。校長の発言と竹永さんの発言のどちらに道理が │
│ あったかは、説明会に出席していた800名の新入生とその父母に聞けば明 │
│ 白です。                               │
│  竹永さんは、教育の中心にいつも生徒を置いています。生徒はもちろん、 │
│ 父母からも職場の仲間からも信頼を集めています。            │
│  人事委員会のみなさんの教育の条理に立った判断を期待します。     │
└────────────────────────────────────┘


┌─── 谷村さんの意見陳述から ────────────────────┐
│                                    │
│  今年の春まで子どもが所沢高校でお世話になったものです。       │
│  入学説明会に出席した多くの方が「あの発言がなんで処分の対象になるの」│
│ と処分の理由が全く理解できないと話しています。            │
│  私の子どもは竹永先生を「もっとも信頼している先生」といいます。自分 │
│ 達の企画し、実行した「卒業記念祭」「入学を祝う会」のために処分された │
│ ことに、生徒は大きな悲しみを感じています。              │
│  事実をきちっと審議し、早急に処分無効の決定をされるよう望みます。  │
└────────────────────────────────────┘


┌─── 弁護士の意見陳述から ─────────────────────┐
│                                    │
│ 発言内容についての意見の他に、手続き上の問題点を指摘しました。    │
│◇本人からの事情聴取も弁明の機会もないまま一方的に不利益処分がなされた。│
│◇教育委員会への起案から議決まで2日間という異常な日程で処理された、等 │
└────────────────────────────────────┘

前のページ(所高資料)に戻る
前のページ(経過)に戻る