卒  準

1998年10月12日(月)

卒準                           10月12日(月)
                               by そつじゅん
                               クラス用
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  10月2日(金)に卒準は

      校長先生と

          話してきました。


 1学期に皆さんに配ったアンケートに書かれた校長先生への質問と意見をまとめ、
質問は11コにしぼって1つずつ校長先生に答えて頂き、意見は読んでもらいました。
右のページから、その話し合いの内容がぜ―――――んぶ書いてあります。

 校長先生が私達の卒業行事をどうお考えなのかが、よく分かると思います。すごく
長いのですが、読んでみて下さい!!
 受験で忙しい3年生だけど、自分達の卒業だから、やっぱり心に残る、自分たちら
しいものにしよう!!


     校長先生との話し合い
        《第1回》
     全部みせます!!

卒準:まず、意見についてなんですけど、読んで頂けましたか?
校長:目は通しましたが、答え(見解)は用意していません。これは3年生諸君の意
  見ということですか?

卒準:そうです。多い意見を並べました。3年生だけの意見です。
校長:わかりました、では順番に、質問の方に答えていきましょう。


 1.今年度の卒業行事は、どうするつもりなのですか?
   (日の丸・君が代を行うのですか? 卒業式を行うのですか?)

校長:きちっとした卒業式をやりたいと考えている。厳粛で清新な卒業式。もちろん、
  国旗を掲揚し、国歌を斉唱するよう指導する卒業式です。
卒準:質問なんですけれど…。そのきちっとした卒業式というのは誰が主催なのです
   か?
校長:学校行事ですから、最終的には校長が(主催)、ということになります。
卒準:国旗国歌は卒業式の中で行うのですか?
校長:そうです。


 2.どうして厳粛な式(日の丸・君が代)にこだわるのですか?
   厳粛な式は生徒にとってどんな意味があるのですか?

校長:“こだわる”ってよく言われますが、特別こだわっているのではなくて、何か
  するだけ…なのですかっていうことだと思うんだけど。これは前にも何度も言っ
  ていることですが、国旗や国歌の意義っていいますかね、そういうようなことに
  対する質問だと思うのだけど…。日本人としての自覚を養い、国を愛する心を育
  てると共に、生徒が将来、国際社会において尊敬され、信頼される日本人として
  成長していくためには、国旗や国歌に対して、正しい認識を持たせ、それらを尊
  重する態度を育てることは重要なことである。学校において行われる行事には、
  様々なものがあるが、この中で卒業式は、学校生活で有意義な変化や折り目をつ
  け、厳粛かつ清新な雰囲気の中で新しい生活の展開への動機づけを行い、学校や
  社会や国家など集団への所属感を深める上でよい機会となる。
   このような意識をふまえ、卒業式では国旗を掲揚し、国歌を斉唱することとし
  ている、ということです。
卒準:それでは、国旗や国歌のない式では厳粛ではないと、校長先生はお考えなので
  すか?
校長:それも含まれると思いますね。
卒準:校長先生の今おっしゃったことが、国旗・国歌を含んだ卒業式を行う理由とい
  うことですよね。
校長:そのつもりです。――国旗・国歌に限らず、他の教育についても、教員が生徒
  諸君を教える基本となっているものとして学習指導要領というものがあるわけで
  すけど、それに基づいて皆さんを教えるということが定められている、というふ
  うに考えて頂いていいと思います。その中の1つとして、国旗を掲揚国歌を斉唱
  という部分があるわけです。その部分で1つ項目が作られていますから、やはり
  大事な部分だと思います。
卒準:質問なんですけど、“集団”というのは日本のことですか?
校長:学校や社会や国家のことです。国家に所属しているという意識をもつ場合って
  いうのは国旗を掲揚し、国歌を斉唱する時が中心だと思います。入学式や卒業式
  がその時だと思いますね。――旗を立てたり、あるいは歌をうたったり、という
  のは、人間の集団生活をしている中でよくある事であって、毎年の体育祭でもそ
  のようなことがよくあるわけで、集団の一員である、というシンボルであると考
  えています。


 3.今後、生徒が校長先生との話し合いを企画した場合、参加しますか?

校長:生徒諸君と話しがしたいと、1学期早々から意志を表明しています。しかし、
  私にしてみるとのばされてしまって、誰がのばしたってことになりますけどね、
  結局実現したのは1学期終わりでした。私として今後特に3年生全員と話をした
  い、できるだけ参加をして話をしたいと思っています。都合で決められた日に出
  られない日があるかもしれないけれど、このように考えています。
卒準:1学期は行事が多かったせいで、話し合いがのびてしまったのかもしれません。
  今後話し合っていくことが大切だと思います。今後については基本的に、校長先
  生の予定に合わせて話し合いを企画するつもりなので、できるだけ一緒に話し合っ
  ていきましょう。
校長:それからですね。今日のように数人と話して、いきなり生徒全員というのでは
  なく、もう少しクラスや学年などの中間的な人数の集まりがあればいいと思って
  いますが、なかなか計画が難しいかも知れませんが、そのようにも考えています。
卒準:校長先生が、各クラスをまわるということですか?
校長:そういうことができれば行ってもかまいませんけれども、なかなか時間が難し
  いかもしれませんね、お互いに。でも3年生全員とか、1年生全員と、というこ
  とがないのでね…。数人の次は生徒全員に話すというより、もう少し中間の人数
  があればいいなと思っています。皆さんにそういう企画を作ってもらえればなと。
卒準:そのような話し合いは、やはり委員会などが企画するのですか。それとも、校
  長先生からやりたいことを企画して下さるのですか?
校長:言い出す(=企画する)のはどちらでも。とにかく、委員の人だけじゃなくて、
  委員でない人も全体の場の前に中間的な集団での話し合いをしたいなと思ってい
  るので、こちらからも先生方と相談して機会をもうけていきたいと思っています。
卒準:クラス単位で僕たちから校長先生にお願いした場合は、話して頂けるのですか?
校長:10クラスを1つずつまわるというのは時間的に無理ですが、機会があればや
  りたいですね。


 4.昨年度の卒業記念祭をどうお考えですか?

校長:先生方の適切な指導を受けながら、生徒会が中心になって、立派に出来たと思
  います。
卒準:生徒総会で卒業記念祭は“式に代わるものとして”ということだったんですけ
  ど、そのことについてはどうお考えですか?
校長:卒業式というのはやはりやらなくてはならない、やるべき学校行事だと思って
  います。卒業式を卒業記念祭の中にとり入れてしまって卒業式をやらないという
  のは、私はできないと思います。やはり卒業式をやって、その日の午後などに行
  う方がいいと思いますね、具体的に考えているわけではありませんが。いずれに
  せよ、卒業式をやらないで卒業記念祭をやるっていうのはできないというふうに
  思います。まわりの学校では別の日に卒業記念祭のようなものをやって、卒業式
  の当日はやらないと、卒業式の前にやってしまうという学校が多いように思いま
  すけれど…音楽会をやったり芝居をやったり、いろいろなことをやって3年生を
  送るという。昨年度、本校の場合では、ひきつづいて少し午前中がオーバーして
  しまったけれども記念祭は行ったわけです…。
卒準:卒業記念祭では卒業式になりえないということですね。
校長:はい。
卒準:昨年度、校長先生が行った卒業式の内容を卒業記念祭の中に全部含めたとして
  もダメなのですか?
校長:卒業式を卒業記念祭としてやるわけですね。
卒準:内容は校長先生の企画と卒業記念祭実行委員会の考えた企画が入っていると言
  う形で、という意味なんですけど。
校長:そうなってくると名称の問題もでてきますよね。所沢高校は卒業記念祭をやっ
  て、その中で卒業証書授与とか、国旗掲揚、国歌斉唱を行うということですか。
卒準:はい、そういうことも考えられると思うんです。
校長:それで、そうなると昨年度の卒業式と卒業記念祭をくっつけてしまえば、内容
  的には近くなりますよね。
卒準:内容的には近くなると思いますが、やはり主催を1つにしなければならないと
  思うんですよ。昨年の場合は主催がちがったじゃないですか、だから2つの卒業
  行事という考えが生まれてしまったわけですけど、主催を1つにして内容は、お
  互い(校長先生の企画と生徒側の企画)のを含めれば、1つの行事になると私は
  思うんですけど…。
校長:とすると、名称は卒業式ではなく卒業記念祭にするということが1つと、主催
  がどこになるのか、ということですね。となると、卒業式が卒業記念祭に吸収合
  併されてしまうというわけですね。というのは、主催が生徒ということを考えて
  いるのでしょう。
卒準:はい。
校長:そうすると…そのへんのところどうなるのかなぁ。生徒主催の卒業証書授与っ
  ていうことになりますね。ちょっとそのへんはむずかしいと思いますねぇ。
卒準:これは内容の話しになっているので、次の機会に話した方がいいと思うんだけ
  ど…。
卒準:じゃぁ、あの、そのような考え方もあるのではないかと私は思っているので、
  そのことを校長先生にわかって頂ければ…。
校長:そうですか。


 5.所高の話し合いのシステムをどうお考えですか?

校長:そのシステムというのがどこを指しているのかわかりませんけれども、まァ後
  で説明してもらいたいのですが…基本的には先生方が生徒に教える立場であると
  思っています。先生方が生徒を指導する場であると考えています。
卒準:では、生徒は対等に話し合う立場ではない、ということですか?
校長:ええ、私は、対等に生徒と先生が話しをすることは…まァ対等ということがど
  ういう意味か、という範囲がありますけれどもね。
   やはり、対等(生徒と先生が)ってことはありえないわけでね。生徒と先生が
  対等だったら、“学校”はいらないわけですから。やっぱり基本的には先生が生
  徒を教える、導く、教育する、育てる、指導する、といろいろな言葉があります
  が、そういう立場の違い、というものはあると思います。
卒準:それでは、校長先生の提案されたことに生徒は“受け身”ということですか?
校長:“受け身”っていう…まァ指導すると、されるとでは、能動と受動ですからね、
  語りかける方と受ける方ですから。その“受け身”というのでいいと思いますけ
  ど、その中にいろいろな指導の仕方があって、先生方が生徒と車座になって議論
  をたたかわせたり、あるいは「これが〜だ」と言う先生もいるし、あるいは意見
  交換をしている中でいつのまにか生徒が指導されて成長していくと…いろんなや
  り方があると思うんだけれども、いずれにしても先生が生徒を指導するんじゃな
  かったら学校ではないわけですから…対等に話し合うことはありえないと。
卒準:生徒は先生から教えられる、という立場にあるとは思うんですけど、先生の意
  見もあれば、生徒の意見っていうものもあると思うんですよ。話し合いの上で。
  教育の上ではなく、話し合いとしての先生と生徒の意見っていうのは対等だと僕
  は思うんですけど、それを校長先生はどうお考えですか?
校長:――話し合っているってことであればね、まァお互いに話し合っているわけで
  すから、意見は自由にね。「あなたは生徒だからそんなこと言ってはいけません」
  なんてことはないけれども。
卒準:話し合いの場でも先生は先生の立場、生徒は生徒の立場を意識するのですか?
校長:意識していると思います。学校の教育の場ではね。
卒準:あの――、この5番目の質問から話しがずれてしまっているような気がするん
  ですけど。5番目の質問の話し合いのシステムっていうのは、生徒の一番の議決
  機関の生徒総会で決まったことを職員会議で先生方が話し合って生徒と先生方の
  意見を合わせる、ということが所高では行われていて、そこで意見が食い違った
  場合は協議会を行うということが生徒手帳にも書いてあるんですけど。去年の卒
  業記念祭と入学を祝う会っていうのは、生徒総会も職員会議も同じ結論(卒業式
  のかわりに卒業記念祭を行う、入学式のかわりに入学を祝う会を行う、というこ
  と)を出したわけです。でも結果的には、その結論と違った形になってしまいま
  した。え――と、そのお互いの話し合った結果を合わせる、というか、お互いの
  意見をわかり合うということが話し合っていくシステムだと思うのですが、それ
  についてどうお考えですか?
校長:だから、さっき言ったことでいいと思いますよ。そういうようなことは全て生
  徒のために先生方が指導していることなんです。
卒準:極端に聞きますけど、例えば、生徒からでた意見で、先生方がその意見を多少
  変えることはあるんですか?
校長:それは、そういう結論になることもあるでしょう。
卒準:ちょっと待って下さい、それでは生徒と先生で話し合っても結果は先生側が決
  定するってことですか、最終的に?
校長:そう思いますよ、私は。
卒準:生徒の総意は関係ないってことですか?
校長:関係なくはないよね。
卒準:考慮に入れる程度ですか?
校長:考慮に入れるということです。それは子どもの権利条約にもでてきますよね。
  考慮しますよ。でも考慮するってことがそういうふうになる(=生徒の意見が採
  用される)ってわけではないですね。だからいろいろな機会に生徒と話しをした
  り、生徒の考えを聞いたりする。
卒準:あの、生徒手帳に、さっきも言ったように、総会と職員会議の意見が食い違っ
  た場合は協議会が行われるということが書いてあるのはご存知ですよね。そうい
  う、対等な立場で話し合うという所高のやり方、協議会というものの存在を間違っ
  ているとお考えですか?
校長:――、言葉にはでてきてないけれども、私が今言ったようなことの中に含まれ
  ていると思います。その〜、先生と生徒が対等だったらね、さっき言ったように
  学校なんかいらないんですよ、学校は先生が生徒を指導する場なんだから。対等
  に話し合うんだったら学校はいらないですよ、他で話し合えばいいんだから。学
  校ではないところで。学校という所はね、校長がいて、先生がいて、生徒がいる
  と。じゃあ、生徒がいなければ、先生方はいらないか、生徒が主役じゃないかと
  いうようなこともあるけれどね、だけど学校があって生徒と先生がいる場合には、
  先生方が生徒を教えるってところが学校なんですよ。それで、その教え方が本校
  の場合では話し合いのシステムってあなた方は言っているけどね、そういうよう
  な中でやはり生徒を教育していくのが学校なんですよ。
卒準:思想についてもですか?
校長:思想についてですか?
卒準:はい。教育していくっていうのは思想についてもなんですか?
校長:その内容(=教育していく内容)が指導要領に書いてあるわけです。どういう
  ことを教えていくか、ということが学習指導要領に書いてあるわけです。思想の
  ことを教えろって書いてありますか?
卒準:学習指導要領を見たことがないのでわからないんですけど。
校長:見たことないの?それは先生方、我々の中でね、生徒にこういうことを教えて
  いこう、ということなんです。皆さんの中でね、学習指導要領が欲しければ本屋
  で売ってますから、それを見てもらえば、先生方はそれに基づいてやっているなっ
  ていうのはわかりますよ。皆さんは「校長は学習指導要領のことばかり言ってい
  る」とよく言いますけど、それを基にして我々は教育をやっているんですよ。だ
  から皆さんはね、いろんな事を学ぶ権利があるんですよ。学習する権利、学ぶ権
  利が。我々はそういうようなもの(=学習指導要領)に基づいて教える義務があ
  るんですよ。だから一方的なことを教える、ということは許されないんですよ。
  だからあれに基づいて、あれがベースとなってみんなを教える、ということのた
  めに基準となってでているわけです。学習指導要領の意味については終業式か始
  業式のどちらかでみなさんに話しをしたと思うんですけど、いろんな内容がある
  けれども、あ〜いうものを教えてもらう権利があるんですよ、皆さんは。そうい
  う権利を主張していいと思いますよ。私達はいろんなことを教える義務があるん
  ですよ。そのためにあれがあるわけです。そして成長し、育っていく中で基礎的
  なこと、基本的なことっていうのが今の年齢で必要だとされていて、小中学校含
  めて高校まで学習指導要領があるんです。だから、あそこに書いてあることは、
  皆さんは知る権利があるんです。教えてもらう権利があるんです。そして私たち
  は教えなければならない義務があると考えています。
卒準:校長先生は今、僕達に教えられる権利があるとおっしゃっいましたよね。って
  ことは、それは拒否もできるってことですか?
校長:子どもの権利条約ですか?
卒準:いや、そういうわけではないんですけど・・・。
校長:そのへんはいろいろ難しいと思うんですけどね。どうでしょうね、拒否する権
  利っていうのは…。教えてもらう権利があったら拒否する権利もあるかどうかっ
  て事ですね?
卒準:はい。あの、教えるっていうのは強制することではないと思うんですよ、僕は。
  だから、そんな、無理矢理やれっていわれて、拒否するのはいいんじゃないかと
  …。
校長:無理矢理じゃなくて、皆さんの立場にたてば、皆さんは教えてもらう、教えて
  もらっていいんですよ。だけどそれを嫌だって言うなら…やっぱりそこのところ
  でカチカチっていうぶつかり合いがありますよね。そうなると学校の中にいろん
  な規則があって、例えば成績が一定までいっていないとダメだという事がありま
  すが、「私は教えてもらいたくありません」と言って単位がもらえなければ進級
  できないというふうな事になってくるわけです。だから全体的には、本校に入学
  して、本校の教育課程とか学校行事とかで教育活動が成り立っているわけで、そ
  ういうものをやってもらうってことだと思いますけどねェ。
卒準:生徒側の意見と先生方の意見が食い違っていて、話し合っていく上で先生側の
  意見が変わる可能性っていうのはあるんですか?
校長:あると思います。
卒準:話し合いの中でお互いの意見が対立した場合は、決定するのは先生方だという
  ことですね?
校長:先生方、というよりも、最終的には校長の私です。私はこれは最終的に責任を
  とってね最終決定をするっていうのは、民主主義の中に含まれると私は思います
  よ。みんなで決める、っていうのは不可能なんですから。誰かが最後、きちっと
  判断するっていうのは民主主義に含まれると思います。
卒準:生徒も先生方も意見が同じで、校長先生だけが意見が違う時でも、校長先生の
  意見が、最終決定になるのですか?
校長:そういう場合もあるってことです。最終的には校長が判断すると私は思ってま
  すから。


 6.マスコミ報道について何を感じましたか?

校長:どういう質問なのか、よくわかりませんけれども、マスコミの方々も大変だっ
  たなァと思いました。正しい報道をお願いします、ということです。
卒準:マスコミに良い事も悪い事もいろいろと報道されていると思うんですけど、間
違った報道に対して、校長先生は抗議する、というようなことはあるのですか?
校長:そういうような必要があればやりますよ。
卒準:今まではやっていないんですよね?
校長:やってないです。
卒準:ではこれから所沢高校についての間違った報道がされた時、校長先生として訂
  正するということですね?
校長:そういう必要があればですよ。でも、ちょっと電話して、それは違うんじゃな
  いかな、ということまでは考えてないですよ。私が言ったことが違っているから
  なおして下さい、とか生徒が考えているのはこういう事なのに違っているから直
  して下さい、と代表として言うとか、そういうことは考えていません。
卒準:じゃぁ、どういう形なんですか?
校長:だから学校にとって、すごいマイナスになるとかね、そういうふうなことがあっ
  て、そういうふうに判断した時ですよ。いろいろなマスコミがありますけれど、
  それなりの根拠、取材をして報道していると信じていますからね。こういう時代
  ですからね。テレビの影響ていうのは大きいですよ。私も嫌な思いをしたことが
  あります。
卒準:今までの報道ですごく嫌な思いをした生徒もいると思うんですね。でも生徒一
  人っていうのは、社会に対して小さい存在だと思います。校長先生は所沢高校の
  代表ということになりますよね。だから生徒を(間違った報道を正すことによっ
  て)守れると思うんですけど、今までの報道の中でショックを受けた生徒もいる
  と思うんですけど、それについて何か学校として抗議するってことが今までなかっ
  たのは、校長先生がそれほどたいした報道ではないと判断されたからなんですか?
校長:私が知らない間に生徒達が記者会見をしていますよね。私も1回だけ記者会見
  をやりましたけどね。私も基本的にはね、生徒を守らなければならないと思って
  ますけどね、でもみんなその中ではばたいて、自由に自主的に、まァ、どうやっ
  ているのかはわからないけれど…、やっているわけでしょ。
卒準:それは生徒の個人的な行動って考えて、それについて報道されている場合は学
  校としては何も言わないってことですか?
校長:個人的にやっている場合ですか?
卒準:はい、例えば新聞に投稿したりとか…。
校長:基本的にはうちの生徒だったらね、その〜身体に危険を感じるとかね、通常の
  生活が出来ないとかね、そういうことがあれば、たとえ最初が個人的な活動から
  始まっていてもそういう状況であれば、保護者の方はもちろんね、私としても非
  常に心配するし、それなりの対応をしていかなくてはならないと思いますけどね。
  だけど私の知らないところでいろいろな事が起きていますからね、だからそれが
  全部うちの生徒だから守ってくれ、というのは限界がありますよ。だからさっき
  も言ったように、報道の中で抗議をしなければならないという時には考えます。
卒準:わかりました。


 7.「子どもの権利条約」の内容を知っていますか?
   (条約は政令よりも優先順位が高いということも含めて。)

校長:これもどういう質問なのか意味がわかりませんけれども、政府、外務省の訳で
  はね、「児童の権利に関する条約」と訳しています。ここには「子どもの権利条
  約」って書いてあるけれども、“児童”が“子ども”かっていうようなこともあ
  りますけれども、私はやはり守る、保護する立場でこういう条約を批准したのだ
  と思います。児童憲章というかね、知っているように、児童福祉法っていうもの
  がありますね。だから法的に訳する時には“児童”っていうのが正しいんだと思
  うんですけど、まァ、“子ども”って言う方もおりますね。内容についてはね、
  皆さんよりは知っていると思いますけれど、「知っていますか?」と聞かれて知
  らない部分もまだありますけどね。「子どもの権利条約」についてはもちろん大
  事な条約ですし、勉強しつつもあります。え〜、「優先順位」という言葉ですけ
  ど、私はこれは適当な言葉ではないと思います。どういう事かっていうと、憲法
  があって、それに違反してないから条約も批准したんだし、政令もあるし、他の
  いろんな法律もあるんですよ。だから憲法の上位法優先っていう言い方もあるよ
  うですが、要するに、こっちがえらくて、こっちがえらくないっていう意味にと
  れるんですよ、これ(=優先順位という言葉)だとね。優先順位ではなくて憲法
  に違反しない形で条約も批准するし、いろいろな法律もあるし、政令もあるし、
  学習指導要領もあるんですよ。みんなつながっているわけ。だからそれに反して
  いるようなものは認められないわけです。そういうものは存在しないという。だ
  から憲法違反であれば裁判か何かで違憲となるわけですね。今現在いろんなとこ
  ろで使われている政令や法律などは憲法に違反していないんですよ。ですから、
  この「子どもの権利条約」、「児童の権利に関する条約」ですね、これだって憲
  法に違反しているわけでもないし、どっちが優先で、どっちが優先しないかって
  いう言い方は私は適当でないと思いますね。
卒準:矛盾はしていないってことですよね。(学習指導要領と子どもの権利条約が)
校長:矛盾していないです。


 8.3年生の卒業行事への希望は受入れられないのですか?

卒準:この質問は今までの校長先生のお話と答えが重なるように思うので、今までの
  お話から考えていいですか?
校長:そうですね。
卒準:前回お渡ししたプリントには目を通して頂けたと思うんですけど、3年生は卒
  業記念祭1つをやりたいというアンケート結果がでているので、それが卒業行事
  への希望ということになるんですけど、これは受入れられるのですか?
卒準:今までのお話の中から判断していいんですか?
校長:今までの話しをまとめてもらえばわかると思いますよ。
卒準:わかりました。

  まとめてみよう!!

  ・私達3年生は生徒主催の卒業記念祭がやりたい。
        ↑
      (意見が違う)
        ↓
  ・校長先生は国旗の掲揚、国歌の斉唱を含めた厳粛で清新な卒業式(主催は校長
   先生)をやりたい。
       
   今後、3年生と話し合っていきたい。
   しかし話し合いの最終決定は校長先生がする。
   話し合いの中で、対立した場合(先生方と生徒は同じ意見、校長先生が別の
   意見という場合も)は、校長先生の意見になるということもある。
       
   このままお互いに妥協点が見出せないと
   校長先生の意見が決定ということになる。



 9.もし校長先生のやり方に生徒の大半が反対したとしても校長先生は貫き通す
   つもりなのですか?

校長:私が考えていることは、そんなに変わった考え方だと思ってないんですよ。平
  均的な、ごくあたり前の事だと思っているんですけど、皆さんになかなかわかっ
  て頂けない、ということで、これから理解を求めて、いろいろな機会に話しをし
  ていきたい、というふうに思ってます。今現在は生徒の大半が反対しているわけ
  ですよね。ですからこのままでいけば反対している状態で、私が考えているよう
  な卒業式を実施するということになりますね。だからそういうようにならないよ
  うに是非、わかって頂きたい、ということです。


10.学習指導要領が絶対だと考えているのですか?

校長:あの〜、一言申し上げますけどね、質問の言葉が極端なんですよ。“貫き通す
  つもり”とか“絶対だ”とか。まァ質問だからはっきりした方がいい、という考
  え方でこうしたのかもしれないんだけど。
卒準:そうなんです。
校長:「絶対だと考えているのか?」と聞かれて、じゃぁどっちなんだと言うと――
  「絶対」というのがどういうことを意味しているのかわかりませんけれども、学
  習指導要領っていうのは、我々が皆さんを指導する時の基準なんですよね、基本
  となっているわけです。これに基づいて指導していく、というのが答えですね。
卒準:学習指導要領に忠実にやっていかなければならないということですか?基本だ
  からと言って応用して別の事をやってはいけないってことですか?
校長:応用っていうのがどの程度のものか、わかりませんけどね、やっぱり学習指導
  要領にのっとって、ということ、我々が指導することが義務づけられていると考
  えています。
卒準:生徒ってたくさんいて、一人一人が違うじゃないですか。だからそれぞれが学
  習指導要領がある、という中で、そのまま受け身になるのではなくて、その中で
  自分らしさを持つというか、自己表現をしていいと私は思うんですけど、それに
  ついて校長先生はどうお考えですか?
校長:自己表現って誰がですか?
卒準:生徒です。
校長:だって生徒は教えてもらうんだよ。学習指導要領っていうのは先生のためのも
  のなんだよ。
卒準:では、先生も含めて何かを教える、教えられる、という中で、教え方も先生の
  中でいろいろあるだろうし、教えられ方というのもいろいろあると思うんですけ
  ど…。
校長:それは皆さんご自分で考えられたらどうですか?


11.所高には「日の丸・君が代に関する決議文」があるのに、日の丸・君が代を
   持ち込むことは強制に値すると生徒が考えていることを知っていますか?

校長:これもなんでこんな質問をするんですかねェ。
卒準:「日の丸・君が代に関する決議文」はご存知ですよね。毎年、生徒総会で承認
  されているのも知っていますよね?
校長:ちゃんとやっているかどうかはねェ…。
卒準:生徒総会で決議しているってことは知っていますよね?
校長:1989年だっけ?
卒準:毎年承認しているんですけど。
校長:1989年生徒会長〜、1990年〜生徒総会…、それしか書いてないですけ
  どね。あるのは知っています。
卒準:毎年(決議文を)引き継いできたんですけど…。
校長:まァ、どういうふうに引き継いでいるのかよくわかりませんけど。
卒準:所高の生徒にとって、この決議文がある以上、日の丸・君が代っていうのは学
  校に持ち込んだと言う事実だけで日の丸・君が代の強制に値するって考えている
  んです。それで、その生徒が強制に値するって考えていることを知っているか、
  知らないかって事なんですけど。日の丸・君が代を持ち込むことが強制かどうかっ
  ていうのは別として、ここでは所高生が強制だと考えていることを知っているの
  かどうか、ということなんです。
校長:所高生、全部ですか?
卒準:“全部”というか、一応生徒の総意として決議されています。
校長:どういう決議をしたのかよくわからないんだけど。一人一人にきいたんですか?
卒準:挙手で人数を数えました。(決議文は)生徒会本部の方針の中に入っているん
  です。
校長:それをなんで書かないんですか?1990年しか書いてありませんよ。昔、こ
  ういうことがあったのかな、っていうようなかんじですよ。毎年承認しているっ
  てことが決議文に書いてないから、昔(=1989、1990年)のことだと思っ
  てしまいますよ。
卒準:でも毎年承認しています。この質問は知っているのか、知らないか、なんです
  けど。内容がどうってことではなく。
校長:―――。
卒準:今年の5月の生徒総会で四者会議の総括として卒業記念祭と入学を祝う会の総
  括を(議案として)出しました。このような(質問のような)意味の文章もその
  総括の中に入っていて、それが承認されたということは生徒が考えていると言っ
  ていいと思うんですけど…。5月の生徒総会は、(全ての議案が)挙手によって、
  HR委員がしっかり人数を数えて承認しています。
校長:この質問ではですね、全員の生徒がこういうふうに考えている、ととれるわけ
  です。だからそういうように考えている生徒も…。
卒準:そういう事ではなくて、総会で承認された正式なものなんです。そう考えてい
  る人もいる、考えていない人もいるってことじゃなくて、学校として総会という
  話し合いのもとに成り立っているものだから。
校長:これ(=決議文)に書いてありますよね、「〜今後我校内での儀式その他にお
  ける日の丸掲揚及び君が代斉唱の強制に一切反対します」って書いてあるでしょ。
  だからこれが承認されたって事は、これに賛成したわけだものねェ。だからあら
  ためてこういう質問をされると、“生徒”っていうのは全員なのかなァっていう
  ふうに思うんだけど。また、どういうふうに承認したのかなァって思うんだけど。
  ここにはそういう事書いてないし、どのくらい時間かけて、どういうふうにやっ
  たんだか、私はわかりませんから言っているんですけど、まァ想像すれば、承認
  しているのが、大部分、過半数以上ってことは知っています。
卒準:聞くまでもない常識的なことですよね。
校長:常識的っていうか、こういうような事を書いてあるなっていうのは前から知っ
  ていましたけど、皆さんが代表して来ると「生徒はこのように考えていますよ、
  にもかかわらず校長先生は…」という、そういうふうに考えた、ということです。
  そういう生徒が大部分、半数以上ってことで承認されたという事であれば、そこ
  までのことは知っているということです。
卒準:わかりました。
   一応、全部の質問が終わりました。(卒準に向かって)
   まだ、聞くことあるかなァ。
卒準:あの〜、校長先生は学習指導要領にのっとって指導される、ということで、そ
  こに融通がきくのですか?
校長:“校長先生”じゃないよ。いつも言っているように、私はね、私が言っている
  んじゃなくて、先生方がそうあるべき学習指導要領があるんだって…。
卒準:学習指導要領は融通がきかないんですか?
校長:融通がきかないって?
卒準:書いてあることを、ということです。
校長:それはさっき言ったでじょ。―――、それは皆さん勉強して下さい。学習指導
  要領っていうのはね、法的な拘束性がある、という最高裁の判決があるのを知っ
  ていますか?知らないんなら勉強して下さい。と、いう意味であれば、だいたい
  見当がつくんじゃないですか。学習指導要領ってのは法的な拘束力があるってい
  う判決があるんですよ。だからそれが答えですね。
   皆さんの中に、先生になろうって考えている人もいると思うんだけど、本屋で
  学習指導要領を買って勉強して下さい。私も勉強します。
卒準:それじゃあ、終わりにします。ありがとうございました。

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  最後までお疲れ様でした。これで校長先生のお考えがわかったと思います。何か
 意見や質問(卒準に対してでも、校長先生に対してでもかまいません)があれば、
 クラスの卒準に言って下さい。


 (Web管理者記)--------------------------------------------------------  内田校長が「学習指導要領ってのは法的な拘束力があるっていう判決があるんです  よ」と言っています。所高では「『学習指導要領』についての学習会」を実施して  いますので、こちらもお読み下さい。
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