人事委員会

平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案

第1回口頭審理調書

1998年10月6日(火)


(Web管理者記)
 この第1回口頭審理では、問題となっている1998年3月18日の入学説明会で
の発言内容を内田達雄校長(当時)が記録した録音テープの存在が明らかになりまし
た。この録音テープの存在が明らかになったときの請求人側弁護士と処分者側弁護士
とのやりとり、またその録音テープの取り扱いをめぐるやりとりなど、私には読み応
えのある内容でした。

 また、この審理調書には、「請求人竹永公一氏の意見陳述」「請求代理人岩下豊彦
氏の意見陳述」「請求代理人谷村勝彦氏の意見陳述」がありますが、いずれも、既に
掲載したものと同様の内容です。

 埼玉県の福岡高校において、同校教員が卒業式に日の丸を掲場することは、教育の
目的、条理に反するものとして、印刷物を配付し放課の指導をした、そのことをとら
えて埼玉県教育委員会は1990年5月23日に25人もの大量戒告処分をしました。
このとき県教委の指導部次長であり、君が代の指導強制を行った中心人物が、渡邉圭
一委員であったということです。

 冒頭に、この審理にたずさわる人事委員の渡邉圭一氏に対して、請求人側から大い
なる疑問が申し述べられます。本来なら回避あるいは忌避の申立てをすべきところで
すが、このようなことは制度にはないので、人事委員長、渡邉委員の見解を伺うとい
うことです。

○人事委員(渡邉) 渡邉です。
    御指摘のとおり、過去の経歴はそのとおりでございます。
    今回の、本件の事案につきましては、直接の関わりはもちろん持っておりま
   せんし、また、過去のそういう事件から相当年月も経っております。
    具体的に、その後の職歴等の中で、立場もそれぞれ変化をしております。
    今回、特に人事委員という立場、これは私の一存ではございません、県議会
   の同意を得て、知事から任命された大変重い職であります。過去が何であれ、
   選任された以上は、その職務に誠心誠意、もちろん公平中立の立場を貫くとい
   うのが覚悟でございます。

 ここで、私が疑問に思うのは「立場が変われば、対応も変わるの?」ということで
す。「校長という立場」ということが言われたりしますが、「校長という立場であれ
ば、憲法違反のことをやってもいいの?」とも思ったりします。もちろん、校長に対
して指示する教育委員会が問題であるのは言うまでもありません。
 ここで言う憲法違反とは、日の丸・君が代の強制のことです、ハイ。いくら国旗国
歌に決まったとしても、強制するのは憲法違反ではないかと思っております。

 生徒・保護者には強制できないといいつつ、その強制できないことを職務命令と称
して教職員に強制するのはいかがなものでしょうか。生徒・保護者には強制できない
という理由を考えれば、教職員に強制することもできないことになりませんかね。
 もっとも、「職務命令に理由は要らない」ということですので、職務命令でなんで
も教職員にやらせることが出来る、と思っているらしい。

┌────────────────────────────────────┐ │         第 1 回 口 頭 審 理 調 書          │ ├───────────┬────────────────────────┤ │ 事 案 の 表 示 │   平成10年(不)第3号事案        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 請   求   人 │   竹永 公一                │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 処   分   者 │   埼玉県教育委員会             │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 期       日 │   平成10年10月6日           │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 場所及び公開の有無 │   埼玉県庁第3庁舎講堂  公 開      │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 開会及び閉会時刻  │   午後2時33分開会  午後5時5分閉会  │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 委 員 長   坂 巻  幸 次       │ │ 審 理 委 員   │ 委   員   森 田  益 弘       │ │           │ 委   員   渡 邉  圭 一       │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │  事務局長   加村 トク江         │ │           │  次  長   上野  義光         │ │ 審理事務補助職員  │  主  幹   清水   誠         │ │           │  主  査   川崎   啓         │ │           │  主  事   渡辺 佳代子         │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 請求人側                   │ │           │  請求人 竹永公一              │ │           │  代理人 桜井和人  中山福二  堀 哲郎  │ │           │      野本夏生  佐々木新一 設楽あづさ │ │           │      鍛治伸明  池永知樹  岩下豊彦  │ │ 当事者の出席状況  │      谷村勝彦  和田 茂  米浦 正  │ │           │      竹下里志  林  哲        │ │           │ 処分者側                   │ │           │  代理人 鍛治 勉  飯塚 肇  白鳥敏男  │ │           │      吉田秀文  島嵜祥司  赤松峰親  │ │           │      飯田 徹  中川 晃  水野 潔  │ │           │      長沢 攻  鈴木民儀  遠山幸雄  │ │           │      伊東良男  柴崎昌子  門谷修二郎 │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 審理の記録     │       別 の と お り        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 付属書類      │         な   し          │ └───────────┴────────────────────────┘ ------------------------------------(01)------------------------------------           平成10年(不)第3号事案 第1回公開口頭審理 平成10年10月6日(火曜日) 午後2時33分開会 ○委員長(坂巻) それでは、平成10年(不)第3号事案の第1回口頭審理を始め    ますが、その前に、審理に先立ちまして、平成10年10月5日付け、つまり    昨日、請求人の代理人から、本事案についての撮影、あるいは録音等の許可に    ついて申請がありましたので、委員会で協議いたしました結果、審理開始前の    3分間に限り、撮影については許可をすることにいたしました。     したがいまして、審理を始める前、ただ今から3分間、撮影をすることを認    めます。その後に審理をすると、こういうことでございます。     なお、録音については、審理中、禁止させていただきます。     撮影の方は、どうぞ、3分間、お願いいたします。            〔撮影中〕 ○委員長(坂巻) よろしいですか。 ○請求人代理人(桜井) ちょっと、委員長。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(桜井) 写真撮影については御許可ということになったわけですが、    録音についてですね、何故に許可にならなかったのか。     この人事委員会の規則によりますとですね、許可がなけれぱ写真撮影とか録    音はしちゃいけないというふうな規定があるわけですけれども、何故、片方だ    け許可して片方は許可なさらないのか、そのへんのところの理由を伺いたいと    思います。 ○委員長(坂巻) 録音については、審理中の秩序維持ということ、それから、各人    事委員会についてもそういう取扱いをしておるということを踏まえまして、協    議の結果、そういう結論に至りました。 ○請求人代理人(中山) 個別の録音が許されないとしたらですね、人事委員会事務    局で録音されているテープのダビングをすることについてはいかがでしょうか。 ○委員長(坂巻) その点については、後ほどまた協議いたします。     ただ、一応、従来から、委員会の方で録音して、しかもそれを速やかに反訳    して、調書として皆さんに送付しているということを御理解いただいて、御協    カ願いたいというのが、私どもの考えです。 ------------------------------------(02)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) 併せてお願いですけれども、反訳記録が出ることは理解は    しているんですけれども、反訳の期間が、一定かかると思うんですね。     これから、それぞれの求釈明や応釈明などのやりとり自体がですね、争点の    確定にとって非常に重要な問題ですので、こちらとしても早期に準備をしてい    く上でですね、是非テープのダビングをしていただいて、それを交付していた    だくように、今直ちに結論をということではないですが、是非検討していただ    きたいというふうに思います。 ○委員長(坂巻) 御意見として承っておきます。     それでは、ただ今から平成10年(不)第3号懲戒処分事案の第1回口頭審    理を行います。     まず初めに、自己紹介しますが、私は、この事案を担当する審理長で、委員    長の坂巻です。     向かって左側が森田委員、右側が渡邉委員です。     続きまして、当事者から自己紹介をお願いします。     まず、請求人側からお願いします。 ○請求人代理人(桜井) 請求人代理人の桜井です。 ○請求人(竹永) 請求人本人の竹永です。 ○請求人代理人(中山) 請求人代理人の中山です。 ○請求人代理人(堀) 同じく請求人代理人の堀です。 ○請求人代理人(佐々木) 同じく佐々木です。 ○請求人代理人(野本) 同じく野本です。 ○請求人代理人(鍛治) 同じく鍛冶です。 ○請求人代理人(池永) 同じく池永です。 ○請求人代理人(岩下) 同じく岩下です。 ○請求人代理人(谷村) 同じく谷村です。 ○請求人代理人(設楽) 請求人代理人、設楽です。 ○請求人代理人(林) 同じく林と言います。 ○請求人代理人(竹下) 同じく竹下です。 ○請求人代理人(和田) 同じく和田です。よろしくお願いします。 ○委員長(坂巻) 以上ですか。 ------------------------------------(03)------------------------------------     ありがとうございました。     それでは、処分者側から自己紹介お願いします。 ○処分者代理人(鍛治) 処分者主任代理人の鍛冶でございます。 ○処分者代理人(飯塚) 処分者代理人の飯塚です。 ○処分者代理人(白鳥) 同じく代理人の白鳥です。 ○処分者代理人(吉田) 同じく吉田でございます。 ○処分者代理人(中川) 同じく中川でございます。 ○処分者代理人(島嵜) 処分者側代理人の島嵜です。 ○処分者代理人(赤松) 同じく赤松です。 ○処分者代理人(飯田) 同じく飯田です。 ○処分者代理人(長沢) 同じく長沢でございます。 ○処分者代理人(鈴木) 同じく鈴木でございます。 ○処分者代理人(遠山) 同じく遠山です。 ○処分者代理人(伊東) 同じく伊東でございます。 ○処分者代理人(柴崎) 同じく柴崎です。 ○処分者代理人(水野) 同じく水野です。 ○処分者代理人(門谷) 同じく門谷でございます。 ○委員長(坂巻) ありがとうございました。     なお、出席者につきましては、記録をとる必要がありますので、審理が始ま    る前に出席者名簿を事務局に提出するようにしていただきます。     人事委員会といたしましては、不服申立て制度の趣旨のもとに審理を進めて    いきますので、当事者及び代理人におかれましては、秩序ある審理が行われま    すように御協力をお願いいたします。     また、傍聴人の皆さんに申し上げますけれども、不服申立て制度の趣旨を御    理解の上、静粛に、審理について、お願いしたいと考えます。     なお、審理につきまして、3点ほど注意事項を申し上げます。     第1点は、両当事者の発言は、速記者が速記を取りますので、その都度お名    前をおっしゃって発言をしていただきたい。     2番目に、録音機の使用や撮影を行うことは、先ほど申し上げましたように、    禁止いたします。 ------------------------------------(04)------------------------------------     3番目に、傍聴人は、既にお渡ししてあるかと思いますが、傍聴券裏面の記    載の傍聴規則を守ることをお願いいたします。守らない場合には退廷していた    だくことになります。     次に、これまで提出された書面について確認をいたします。 ○請求人代理人(桜井) 委員長。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(桜井) 実質的な審理に入る前に、人事委員会の構成について意見    を申し述べたいと思いますが。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(桜井) それは、渡邉圭一委員のことでございます。     渡邉圭一委員が本件審理に関与することにつきましては、大いなる疑問があ    るわけであります。     さきに、私ども請求人代理人、請求人においてですね、要望書を提出しまし    た。その中の最後の項目の中に、渡邉委員につきましては審理から外すように    ということを申し上げてあったはずであります。     渡邉委員の経歴について一言いたしますと、当方の調査によりますと、19    78年、昭和53年に県の教育局の指導課指導主事、その後、大宮光陵高校の    校長を経て、1989年、平成元年に県の教育局の指導部の次長をなさったわ    けであります。     その後、浦和第一女子高校の校長を経て、1993年、平成5年に退職され、    1995年、平成7年の10月16日に県の人事委員に選任されました。     ところで、その選任後、一月ちょっとの後にですね、当時、私ども何人かの    代理人が同じく請求人代理人として関わっておりました県立福岡高等学校の事    件、この同じく県の人事委員会で審理が行われておったわけですが、その最終    版の意見陳述の日にですね、突如として渡邉委員が、前の委員に替わって登場    なさったわけであります。     そのときに、私ども請求人側と、それから処分者側、あるいは人事委員会と    の間で一定のやりとりがありました。     その中で、私どもは、渡邉圭一委員につきましては忌避の申立てをいたしま    した。     これに対しましては、人事委員会では、簡易却下されたわけであります。     ところで、渡邉委員はこの福岡高校事件に深く関与しておられたわけであり    まして、日の丸問題、これを学校現場に強制するという、そういうことの指導    をなさっておられた。     そういった立場にありながら、今度はですね、しかも、深く、この福岡高校 ------------------------------------(05)------------------------------------    事件の25名の教職員が戒告処分になった、大量処分を受けたわけですが、そ    れの処分についても一定の関与をなさったと。こういう方がですね、その後の    人事委員会の審理に人事委員として登場されるということ、そして結果はです    ね、請求棄却の判定が下ったわけです。     現在、浦和地方裁判所で、人事委員会を相手にして、被告として、裁判が行    われております。     つまり、この手続上ですね、こういう方が審理に関わられたと、そして判定    を下されたということにつきましては違法性があるということで、現在、浦和    地裁で裁判が行われています。     そもそも地方公務員法の規定によりますとですね、人事委員のうちの二人が    同じ政党に所属することは禁止されております。もし同一政党に所属すること    になったときには、罷免されることがあるということになっております。     そのほか、人事委員の中立性とか公平性、公正性、これを担保するいろいろ    な規定があります。     こうした諸規定に照らし、渡邉委員の人事委員就任そのものに疑義があるわ    けでありますが、これを本件に限ってみますときに、渡邉委員の先ほどの経歴    に鑑みて、公正な審理をなし得るか、甚だ疑問であります。     本件は、所沢高校の生徒の白主性の尊重、こういう伝統を有する学校におい    て、生徒を主体とした入学を祝う会、これにつきまして、所沢高校の新1学年    教諭団を代表して入学許可侯補者説明会において説明を行った、この請求人の    竹永教諭の発言をとらえて、地公法違反として戒告処分にしたものであります。     福岡高校事件と所沢高校事件というのは、ケースをもちろん異にするわけで    ありますが、しかし、福岡高校事件は卒業式に関連して発生したものでありま    す。そしてまた、所沢高校事件は入学式、入学を祝う会に関連して起きたもの    であります。いずれも学校行事に関連した発生したものであります。     そもそも、学校の主人公は生徒であります。教育基本法の1条には、教育の    目的としてですね、教育は「自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成    を期して行われなけれぱならない」と、こういうふうに規定されております。     所沢高校の生徒たちは、同校の教職員、父母の指導や協力のもと実施しよう    とした入学を祝う会こそは、この教育基本法のいう自主的な精神の表れにほか    なりません。     そしてまた、この入学を祝う会について説明した竹永教諭の発言もまた、こ ------------------------------------(06)------------------------------------    の教育基本法の目的、精神に沿ったものであって、何ら処分の対象とされるべ    きものではありません。     この点については、後にですね、我々が詳細に主張、立証するところであり    ますが、福岡高校事件においても、同校教員が卒業式に日の丸を掲場すること    は、教育の目的、条理に反するものとして、印刷物を配付し放課の指導をした、    そのことをとらえてですね、先ほど申し上げましたように25人もの大量戒告    処分をしたものであります。     この事件発生のときの、先ほども申し上げました指導部の次長であった渡邉    氏がですね、君が代の指導強制を行った中心人物であり、処分のための一定の    調査にも関与した人物、こうした人物が本件審理に関与するときには、福岡高    校事件同様、審査請求人の意のあるところをくみ取ることをせず、不公正な審    理判定をなす恐れが大であると考えるわけであります。     本来ならぱですね、私どもは、渡邉委員は、この審理から外す、自ら外れる、    これは民事訴訟法で言うと回避ということですね、回避されるのが至当である    と、もし回避されないならぱ、私どもとしては忌避の申立てをすべきところで    ありますが、しかし、人事委員会の規則には忌避、回避の規定がない。それか    らまた、審理から外れた場合にですね、人事委員の補充をするという、そうい    う規定もですね、これは地公法にもない。これは法令の欠陥だというふうに考    えざるを得ないわけでありますが、当面、私どもは忌避の申立てはいたしませ    んが、しかし、人事委員長、渡邉委員においてですね、こうした点についてど    のような御見解を持っておられるか、まず渡邉委員から見解を伺いたいと思い    ます。 ○請求人代理人(中山) 今、桜井代理人が問題にしていることは、極めて簡単な、    わかりやすい話なんですけれども、要するに、渡邉委員はですね、本来、教育    局に、指導部次長という、そういう立場にあった方ですから、あちら側に座っ    ていた方なんですね。     つまり、処分をする主体になっていた人が、人事委員会というのは、その処    分の適否を判断する、言わぱ公平な行政委員会ですから、それが、仮にもです    ね、不公平な審理を行っているんではないかと疑わせるようなことがあっては    絶対にあってはならないことなんです。     本来、そういう役割を果たすべき人事委員会の委員が、かつて、本件で問題    となっている処分ですね、まさに戒告処分という懲戒処分を実行する立場にあっ    た、あちら側に座っている席の人であったと。こういう人がですね、果たして、    本件の戒告処分の適否を判断するうえで果たして妥当なんだろうか、こういう    方が構成されている人事委員会が果たして公平な審理ができるんだろうかと、    そういう点を問題にしているのであります。 ------------------------------------(07)------------------------------------     そういう事情でありますので、今の私及び桜井代理人の疑問に対する、人事    委員会と渡邉委員の明確な誠意ある回答を求めたいということであります。     以上です。 ○委員長(坂巻) それでは、私の方から申し上げます。     今、るる、お二人の代理人からお話がありましたが、私は前の福岡事件では    関与しておりませんので、そのときの状況については、私自身も参考までにい    ろいろ研究させていただきましたけれども、人事委員会そのものが3人の委員    による合議制であり、これは、地方公務員法上、不服申立てに対する審査にお    いて、今申されたように忌避とか回避という制度が人事委員会の人事委員には    存在しないということであります。     なお、この合議制というのは非常に厳格に解釈されておりまして、例えぱ、    持回りによる会議は許されないというような行政実例や、また、特にこの不服    申立ての最終的な裁決については、必ず3人による合議で決定しなけれぱなら    ないと法律上規定されておるのでございます。     このような法律上の規定されている理由は、人事委員会が公正中立にその職    務に行うことを保障することにあると考えております。     この事案についても、おかしな議論にならないように、人事委員会全体で責    任をもって、3人でお互いにそれぞれの立場でチェックしあって審理を進めて    いかなけれぱならないと考えていることを申し上げたいと思います。     委員長としては、以上、簡単ですけれども、見解を申し上げて、次に、今申    されました渡邉委員御本人から、どういう考えを持っているかという質問に対    してお答えしていただきます。 ○人事委員(渡邉) 渡邉です。     御指摘のとおり、過去の経歴はそのとおりでございます。     今回の、本件の事案につきましては、直接の関わりはもちろん持っておりま    せんし、また、過去のそういう事件から相当年月も経っております。     具体的に、その後の職歴等の中で、立場もそれぞれ変化をしております。     今回、特に人事委員という立場、これは私の一存ではございません、県議会    の同意を得て、知事から任命された大変重い職であります。過去が何であれ、    選任された以上は、その職務に誠心誠意、もちろん公平中立の立場を貫くとい    うのが覚悟でございます。     以上でございます。 ------------------------------------(08)------------------------------------ ○請求人代理人(桜井) 委員長。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(桜井) 県議会で選任された、そして知事が任命したというのは、    形式的にはそうでしようけれども、県議会においては、渡邉委員の選任につい    ては反対があったと聞いております。     全国的にもですね、県の人事委員の選任について反対が出たということはあ    んまりないということも聞いております。異例なことであったと。     やはりですね、渡邉委員は肝に銘じて審理、おやりになるんならおやりいた    だきたいと、強く要望するところであります。     今おっしゃったことは極めて当然なことでありまして、あんまり具体性がな    いので、十分に我々は納得しないわけでありますけれども、しかしながら、こ    れ以上審理を長引かせるというつもりは我々はありません、この問題で。     したがいまして、重ねて申し上げますが、是非ですね、今おっしゃったこと    をそのまま実行していただきたい。これは我々は十分にですね、監視いたして    おります。また、期待もいたしております。     このことを、是非ですね、強く申し述べておきたいと思います。     以上です。 ○委員長(坂巻) ただ今の代理人の要望を私どもも謙虚に受け止めて、より公正中    立に、慎重に審議をしたいと心得ております。     それでは、書面の確認から行います。     まず、請求人側から、1998年5月22日付け審査請求書、同じく同日付    けの代理人選任及び主任代理人指定届、それから、先ほど主任代理人から申さ    れました同日付けの要望書、それから、同年8月17日付け求釈明書、同月2    5日付けの反論書、そして、本日付けで、10月6日付けの証拠申出書並びに    書証の甲第1号証ないし15号証が提出されておりまして、本日付けの証拠申    出書は、本日、処分者側にこの場でお渡しいたしたいと思います。 ○処分者代理人(鍛治) 要望書も来てませんね。要望書と題する書面。 ○委員長(坂巻) それでは、後ほど追完、交付いたします。 ○処分者代理人(鍛治) 証拠説明書というものも出ているんですか。 ○委員長(坂巻) いや、証拠説明書じやなく、証拠申出書の中に、証明しようとす ------------------------------------(09)------------------------------------    る事項が記載されていて、これが、証拠説明書を兼ねていると解釈してよろし    いですか。 ○請求人代理人(中山) とりあえず、そういうことでございます。 ○委員長(坂巻) それで、なお、更に詳しく説明していただけるようでしたら、書    面で甲第1号証ないし15号証について、どういう点について強調するかとい    うことを、要約的に説明されますか。 ○請求人代理人(中山) よろしいですか。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(中山) 証拠申出書に関してはですね、このあとで口頭で意見陳述    をする際の元になった反論書、これに引用してあるものぱかりなんです。     ですから、それを併せてお誌みいただけれぱ、一応、証拠説明の役割は果た    していると思いますので、なお必要に応じて、強調すべき点がありましたら、    順次、ロ頭なり書面にて説明するつもりでおります。     とりあえず、きょうのところはこれを提出いたします。 ○委員長(坂巻) はい、わかりました。     請求人側の提出されている書面は、以上ですね。 ○請求人代理人(中山) はい、そうです。 ○審貝長(坂巻) 一方、処分者側は、平成10牛7月10日付け代理人選任及び主    任代理人指定届、それから同月13日付けの答弁書、それから本日付けの準備    書面、これは、先ほどの請求人側の平成10年8月17日付け求釈明書に対す    る釈明ということですか。     それはお渡ししてありますね。     それでよろしいですか。 ○請求人代理人(中山) 今日受け取りました、これは。 ○委員長(坂巻) 今日ね。     本日付けの準備書面ですから、ちょっと検討の時間もないかと思いますけれ    ども、請求人側は、これに対しては、なお再反論なり、あるいは何かありまし    たら書面で提出しますか。 ○請求人代理人(中山) この件に関しましてはですね、私の方から、まず審査請求    の趣旨等について口頭で申し上げた後、既に、この回答に対して、更に私ども    の方からこの場においてお尋ねしたい点が幾つかありますので、ロ頭でも補足    させていただきたいと思っております。 ------------------------------------(10)------------------------------------ ○委員長(坂巻) そうですか。     質問というか求釈明というか、それは相当多いですか。 ○請求人代理人(中山) かなり多岐にわたるものがございますけれども、一応、常    識的に、本件の公開口頭審理に充てられた時間を念頭に置きながら、礼節をわ    きまえつつやりたいと思っておりますので、御心配ないようにお願いします。 ○委員長(友巻) いずれ、その内容については、まとめて、書面でお出しいただけ    ますか。 ○請求人代理人(中山) もちろん書面を出すことも検討しますけれども、きょうの    回答も踏まえた上で出すことに、多分、なると思います。 ○委員長(坂巻) この今日付けの準備書面に対する関連しての質問なり御意見とい    うことですか。 ○請求人代理人(堀) 請求人代理人の堀ですけども、要するに、今日処分者側から    出た準備書面というのは、こちらで事前にお出ししている求釈明書に対する一    応の回客なんですが、今、ざっと見た感しでは、こちらとしては、全く不十分    であると考えております。     その点について、今日お尋ねしたいと思います。 ○委員長(坂巻) 処分者側、よろしいですか。 ○処分者代理人(鍛冶) いずれにしろ、私の方は質問を受けるだけでもって、あと    で書面で出しますから。そういうふうにやってください。 ○委員長(坂巻) それでは、そういうことでよろしいですか。 ○請求人代理人(中山) こちらとして、それで納得するというわけじゃございませ    んけど……。 ○処分者代理人(鍛治) こちらはそうさせていただきますから。 ○請求人代理人(中山) こちらの方としては、その前にも申し上げたいことがあり    ますし、代理人や請求人本人にも、この場において十分に人事委員会の方に聞    いていただきたいことがありますので、その上で、今、堀代理人の方から話さ    れたことを処分者に質したいとは思っております。 ○委員長(坂巻) はい、わかりました。     前後しますけれども、処分者側は、今日付けのこの証拠申出書の認否はどう    しますか。 ○処分者代理人(鍛冶) 次回にさせてください。 ○委員長(坂巻) それでは、文書で出していただくということにします。 ------------------------------------(11)------------------------------------     そうしたら、前後しましたけど、今日の準備書面に対しての口頭による御質    問なり御意見ということで、やってください。 ○請求人代理人(中山) その前に、まず、私たちがなぜこの請求を行っているのか    という点について、私、審査請求人代理人の中山の方から、4点ほど、かい摘    んで申し上げたいというふうに思っております。     その上で、請求人本人、更には別の代理人を2名ほど、直接に、この公開口    頭審理の場でありますので、人事委員会に訴えたいというふうに思っておりま    すので、そのお時間をちょうだいしたいと思っております。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(中山) では、早速ですけど、請求人代理人の中山から、今回のこ    の審査請求の趣旨、すなわち、竹永教論に対する今回の戒告処分が違憲、違法    であり、直ちに取り消さなけれぱならない理由について、既に詳しい書面を提    出しておりますけれども、かい摘んで概略を4点ほど申し上げたいと思います。     まず第1点ですが、本件戒告処分は、処分者である県教育委員会が、ありも    しないことをさもあったかのように描いて行ったものであるということ。すな    わち、明白な事実誤認があるどいうことであります。     今年の3月18日に開かれた入学説明会において、請求人は、出席した合格    者と保護者に対し、所沢高校における学校運営が生徒の自主性を最大限尊重す    る方向でなされてきたこと、そうした、学校運営への生徒の参加という伝統の    中で、3月9日の卒業記念祭が計画され、開かれたこと、更に、4月9日に向    けた、生徒、教職員、校長らの考えと話合いの経過を説明し、混乱のないよう    最大限努カしているので安心して当日を迎えてほしい、と述べたのであります。     これに対し、処分者の処分事由説明書によりますと、請求人は、4月9日は    入学を祝う会のみを行い、教職員も校長の行う入学式に反対するなどと述ぺた、    としておりますが、これは、請求人が4月9日に行われる行事を独断専行して    おり、また、合格者や保護者に、自分があたかも独断専決できる権限があるか    のように言明したとするものでありまして、全く事実に反しております。     次に、第2点でありますが、本件戒告処分は、請求人の全く正当な入学説明    会における発言をとらえて、地方公務員法33条の信用失墜行為に当たるとし、    全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があったとするものであり、地方公務    員法の適用を誤る明白な法律違反があるということが第2点であります。 ------------------------------------(12)------------------------------------     3月9日に開かれました卒業記念祭は、昨年の7月から、請求人ら教職員の    全面的な支援のもとに生徒たちが真剣に討義を重ね、3年間の高校生活の締め    くくりにふさわしいものにしたいとの熱意が正に結実した、誠に感動的なもの    となったのであります。マスコミは、そのことを伝えるとともに、4月9日に    向けて取り組まれていた生徒主体の入学を祝う会と、校長主導の入学式を対比    させる報道を連日行うようになっておりました。     本件の入学説明会は、正にそのような時期に開かれたのであり、請求人は、    新1学年の代表として、学年会議での討議を踏まえ、合格者や保護者に対し誠    実にそれまでの経過などを説明したのであり、その内容は、だれが聞いても極    めて時宜にかなった適切妥当なものでありました。     したがって、入学説明会における請求人の発言は、およそ非難に値しない、    全く正当なものであり、これこそ憲法や地方公務員法の定める全体の奉仕者た    るにふさわしい行為でありまして、信用失墜行為などとはおよそかけ離れたも    のであったのであります。     ところが、県教育委員会は、強引にも、請求人の発言が信用失墜行為に当た    るなどとして処分したものでありますが、県教育委員会は、請求人の発言の一    体どこが、そして、誰のどのような信用をどのようにして傷つけたというので    しょうか。後ほど明確な釈明を求めます。     第3点でありますが、こうした、およそ懲戒の対象とかけ離れた請求人の行    為に対する戒告処分が、こともあろうに、県教育委員会が自ら定めた手続上の    規則にも明確に違反して、強引に決定されているということであります。     言うまでもなく、憲法は31条にデュープロセスの規定を設けており、懲戒    処分などの行政上の不利益処分についても、聴聞、弁明の機会が保障されなけ    れぱならないところであります。     ところが、本件ではこのような配慮は全くなされず、初めから結論ありきの、    実質審議抜きの処分が強行されたのであり、手続面から見ても違法であろこと    が明らかでありまして、取消しを免れないものであります。     最後に、第4点ですが、そして、これが本件における最も根本的な問題であ    ります。     すなわち、本件の戒告処分は、多くの生徒、教職員、校長、そしてPTAの    人たちによって担われ、それまで営々と長年にわたって築き上げたきた所沢高    校の学校運営の伝統を、根本から破壊しようとするものであるということであ    ります。 ------------------------------------(13)------------------------------------     先ほども述べましたように、所沢高校では、生徒の自主性を最大限尊重した    学校運営がなされてまいりました。今回の卒業記念祭や入学を祝う会も、生徒    の自主性が遺憾なく発揮された、すぱらしい教育活動でありました。     こうした所沢高校の生徒たちによる教育参加は、所沢高校の自由な校風を尊    重した請求人らをはじめとする教職員との信頼関係のもとで可能となったので    あり、教職員や保護者からは、我が国も批准している子どもの権利条約の保障    する、子どもの意見表明、表現活動を尊重することにより、すぱらしい力を発    揮することを何より示したものであります。     一方、内田校長は、生徒がどのように考えていようが、また職員会議でどの    ように決められようが、学校運営に関する事項については校長に最終決定権が    あるとし、とにかく学習指導要領に従わなけれぱならないとして、日の丸、君    が代のある卒業式、入学式を開くことにこだわり続けたのであります。     請求人ら教職員は、学習指導要領の形式的文言のみにこだわる校長に対し、    生徒たちが真剣に討議し企画した自主的活動を支えてきたのであり、請求人は、    そのことを新1学年の合格者や保護者に対する入学説明会において説明したの    であります。     こうした入学説明会における請求人の発言をとらえて行った本件戒告処分は、    ひとり請求人に対する不利益処分にとどまらず、まさに、生徒たちの自主的活    動に対する挑戦とも言うべきものであります。     請求人に対する今回の処分は、子どもの権利条約に反し、生徒の学習する権    利、憲法で定められた生徒の学習する権利をも脅かす乱暴な措置と言うほかな    く、教育的視点のかけらすら見当たらないものと言わざるを得ません。     以上の次第でありまして、本件戒告処分は違憲、違法であることが明らかで    ありますから、速やかに取り消されるべきであると考えます。     私からは以上でございます。 ○請求人(竹永) 私は、今回の請求人の竹永です。     初めに、3月18日の入学許可侯補者説明会での私の発言内容は、決して処    分の対象になるようなことはありません。     所沢高校の教員として、半年にわたる、生徒と教職員から校長の考え、それ    を述べたものですので、新入生や保護者に当然伝えなけれぱならない事柄です。     この処分はあまりに不当だと思います。     以下、何点かにわたり意見を述べたいと思います。 ------------------------------------(14)------------------------------------     最初に、卒業記念祭の概要について述べます。     所沢高校では、伝統的に生徒の意見を大切に考え、教職員の意向を一方的に    押し付けるのではなく、生徒自治を育んでいこうという教職員側の指導体制が    あります。それが自主自立の校風を育んできたと考えられます。     3月9日は、生徒主催の卒業記念祭と校長主催の卒業式が行われた日です。    卒業記念祭は、卒業生はもちろん、在校生、保護者、そして教職員に深い感動    を与えました。     卒業記念祭は、昨年度の入学式の混乱を再ぴ起こさないために、生徒の民主    的な心暖まる取組みの集大成と言えます。     生徒主催の卒業行事を白紙の状態から作り上げることは、生徒にとっても、    教職員にとっても想像を絶する大変さがありました。     生徒たちは、クラスでの話合いを繰り返し、生徒総会で全校の意向を確認し    ながら丁寧に計画を練り上げていきました。     生徒総会での決定は、卒業式に代わる卒業記念祭、入学式に代わる入学を祝    う会を生徒・主催で行うというものです。     また、生徒たちは校長との話し合いも最後まで続け、混乱のない、卒業生を    暖かく送り出せる卒業行事を目指していきました。     教職員としても、そのような生徒の活動を職員会議で確認しながら、指導、    援助してきました。     PTAも、手続を踏んだ生徒の活動を最大限に応緩してきました。     私は、卒業記念祭の教員側、教職員側総務の代表をしていましたので、この    ような生徒の活動も、教職員の動きも、PTAの援助も身をもって接すること    ができました。     卒業記念祭の様子は、各種報道関係の注目を集め、卒業記念祭終了後も、入    学を祝う会への関心とともに、新聞、テレビ、ラジオ、週刊誌と続々と続きま    した。     このような報道に接し、新入生やその保護者は、当然、入学の日の不安を感    じていたと思います。     次に、第1学年の状況と、入学許可侯補者説明会、以下単に説明会と言いま    すが、について述べたいと思います。     所沢高校では、各学年所属の教員は、担任10名、副担任5名、計15名で    構成されています。学年内で協議し、代表を決めています。     代表の仕事は、学年を代表することが必要であるような場合に、学年会議で ------------------------------------(15)------------------------------------    協議の上、連絡、報告等を行うことです。     校内の仕事でも、大部分は学年内の係の教員が直接行います。対外的な事柄    でも、係の教員が行うことが原則です。     学年代表は、個人の考えで学年団に指示を出すようなことはできませんし、    個人の意見で学年を代表するような見解を表明することもできません。     第1学年団での協議の結果、私が代表を務めることになりました。     説明会の概要は、例年にならって、新1学年から職員会議に提案をしていま    す。説明会の主題は、管理職によるあいさつと各係からの説明となっています。     各係からの説明は、教務、生活指導、進路指導、保健、各教科、事務、後援    会、新1学年、生徒会、PTAの順で、最後に質疑応答となっています。     それぞれ、担当の教職員が説明に立つことになります。     学年関係では、新1学年を代表し私が説明をし、生徒会では、入学を祝う会    の生徒側総務を担当している4者会議の生徒が説明をし、PTAの説明ではP    TA会長が説明することになりました。     説明会で新1学年として何を伝えるかについても、学年会で協議をしました。    先ほど述べましたように、卒業記念祭での各種の報道もあるので、その経過に    ついては正しく伝え、また、入学を祝う会の取組みについても現状を素直に伝    えることが最も教育的であろうということでまとまり、それを、代表である私    が話すことになりました。     そして、内田校長は入学式を強行すると言っているので、そのことについて    もきちんと伝え、しかも、4月9日に不安がないように説明することになりま    した。     私たち新1学年の教員団としては、新入生に不安や混乱を与えたくないとい    う点を大切に考えていました。     また、事前に新1学年の教員団と4者会議の生徒との合同会議をもち、それ    ぞれ説明する内容を確認しました。     4月9日当日の日程については、校長との意見調整が済んでいない時点では、    登校時間のみ伝えるということになりました。     次に、説明会での校長と私の発言内容について述べます。     説明会の冒頭であいさつに立った内田校長は、時侯のあいさつもそこそこに、    新入生や保護者に対し歓迎の言葉もないまま、入学式で入学を許可することの    みを強調し、他のことは一切触れませんでした。 ------------------------------------(16)------------------------------------     学校の責任者としてこの説明会で伝えなけれぱならないことは、卒業記念祭    や入学を祝う会に関して多くの報道があり不安な気持ちを抱いているであろう    新入生とその保護者に対し、なぜそのようなことになったかという事実経過の    報告が当然なされるべきでありました。そのことに全く触れず、いたずらに新    入生や保護者の不安を助長するような内田校長の振る舞いに対して、同じ学校    に勤めるものとして、恥ずかしさと怒りを禁じ得ませんでした。     次に、説明会での私の発言は、申立書にもありますが、次の6点です。     1、在校生、教職員とも新入生を歓迎する旨のあいさつ。     2、自主、自立の校風と入学後の主体的高校生活を期待する旨の事柄。     3、卒業記念祭の経過報告。     4、現時点における入学を祝う会の取組みの報告。     5、現時点における内田校長の考え。     6、内田校長と話し合いを継続し、4月9日に混乱のないよう最大限努カす    るという教職員及ぴ新1学年団の意思表明。     何より、所沢高校の自主、自立の校風にのっとった生徒の取組みを正しく理    解していただくことと、4月9日に向けて不安を払拭することを一番大切な事    柄と考えていました。     このような趣旨の発言がなぜ処分を受けなけれぱならないのてしょうか。全    く不当な処分です。     次に、3月20日と23日に教育局より管理主事2名が来校した状況につい    て述べます。     20日の日に、私は、校長室に来るようにと職務命令を受けました。心配し    た同僚の教員2名が付き添ってくれました。また、その状況を伝え開いた教職    員が続々と校長室に集まってきました。     管理主事は、自ら名乗ることもなく、来校の目的も述べないという、誠に失    礼な態度でした。私以外の教職員からも、その点について発言が相次ぎ、2時    間ほど、そのような状況が続き、この日は帰っていきました。     23日にも再ぴ来校し、同じようなことが繰り返されました。     管理主事来校の目的は、18日の説明会についてのことだと判明しましたが、    私は「何でも聞いてください」と言ったにもかかわらず、両日を通して何も聞    かずに帰っていきました。     説明会の状況を正確に確認したいのであれぱ、私以外にも、参加していた教 ------------------------------------(17)------------------------------------    職員やPTAの役員の方々、そして新入生の保護者などにも様子を聞けたはず    です。それを行わず、校長の一方的な事故報告のみで決定しているのは、不当    極まりないことです。     以上、何点かについて述べましたが、今回の処分の不当な点についてまとめ    たいと思います。     説明会での発言内容は、卒業記念祭からの一連の生徒の動き、教職員の意向、    校長の考えを述べたに過ぎません。もちろん、入学式に反対しているというよ    うなことは話していません。処分事由説明書の内容は、事実を曲解しており、    不当です。     説明会には、私や内田校長のほかにも、他の教職員、新1年生のほとんどの    保護者、PTAの役員の方々等、多くの方が参加していました。私を含め、そ    の方々からの状況説明の機会をつくらず、校長よりの事故報告書のみで処分を    決定したことは極めて不当です。     教育委員会内の処理にしても、短期日に極めてずさんな審議決定が、情報公    開資料によっても明らかになっています。手続的にも公正さを欠く不当処分で    す。     最後に、人事委員の皆さんに申し上げます。     以上述べましたように、様々な点から、今回の処分は不当極まりないもので    す。この処分が、生徒の自治意職を萎縮させ、教職員の民主的な教育活動を阻    害する要素を併せ持っていることを考えると、一日も早い処分撤回の裁定を求    めます。 ○請求人代理人(岩下) 続いて意見陳述を申し上げます。     私は、申立人側代理人の岩下と申します。申立人の竹永教諭と同じ、1学年    の担任をしています。     竹永さんが学年代表に選出された学年会以降、3月26日の処分まで、本件    に関わるすべての場に居あわせていますので、事実に墓づいて、本件の不当性    について意見を述べたいと思います。     まず、第1に主張したいことは、処分対象になった竹永さんの入学説明会で    の発言は、新入生と父母の不安を解こうとしたもので、新1学年の学年団代表    として当然で正当なものであるということです。     しかも、その発言は竹永さん個人としてのものではなく、学年会で集団的に    討議、決定した内容を、学年代表として話したものなのです。     3月18日の入学説明会で、冒頭、校長は、予定した次第にないにもかかわ    らず、突然、入学式、入学を祝う会の案内を配付しました。もちろん、その文    書は、私たち教職員が初めて目にするものでした。 ------------------------------------(18)------------------------------------     しかも、そこに記された日程は、入学を祝う会と入学後のホームルームを予    定どおり行うのが不可能な日程でした。     更に重要なことは、その中に「入学式の中で入学を許可しますjという一文    が入っていたことです。かつて、入学式の案内状に「式に出なけれぱ入学を許    可しない」と受け取れる恫喝的文言が入っていたことなど、あるでしょうか。     校長のあいさつには、「合格おめでとう」の一言もありませんでした。     「入学式で入学を許可します」の校長の言葉には、会場からどよめきがあが    りました。     高校生活への期待と不安を胸にした新入生とその保護者に対する、これが校    長のとるべき態度でしょうか。     これに対し、学年代表の竹永さんの発言は、実に道理あるものでした。     自主自立の校風について、卒業記念祭が実施されるまでの経過、入学を祝う    会に対する生徒、教職員の思いを語ったうえで、「今後とも校長と粘り強く話    し合い、当日混乱がないよう努カを続ける」と約束したものです。     校長の発言と竹永さんの発言のどちらに道理があったかは、説明会に出席し    ていた800名の新入生とその父母に聞けぱ明白です。     校長は、自分自身の文書と説明によって新入生と保護者に混乱を与えておき    ながら、それを竹永さんの責任にすり書え、事故報告書を提出したのです。そ    して、その事故報告書を唯一の根拠として出されたのが今回の処分なのです。    こんな不公平は絶対許されてはなりません。     説明会の最後に質疑応答が行われましたが、入学許可についての質問と、校    長の教育姿勢を質す意見ばかりでした。     しかし、どの意見に対しても校長は「入学式の中で入学を許可します」と繰    り返すのみで、この誠意のない回答に、会場からはため息が漏れました。     挙げ句の果てに、「一体いつまで続けるつもりなのか、ここは入学許可侯補    者の説明会であって、PTA総会でも生徒総会でもない」などと発言し、会場    は色めきたちました。     入学前から父母、生徒を敵視する内田校長、この一事をとっても、校長とし    て不適格であることは明らかです。     第2に主張したいことは、この処分が極めて意図的な処分であるという点で    す。     そもそも、事故発覚の経緯なるものに不審な点があります。     県教委に保護者からの苦情電話があったというのてすが、当日の保護者の反 ------------------------------------(19)------------------------------------    応は学年団に好意的であり、説明会終了後も、学年団への苦情などただの1件    もありませんでした。いかにも不自然です。     また、処分に至るまての日数が異様に短い点も指摘しなけれぱなりません。     3月24日に県教委が処分の起案をしているのですから、休日を除けぱ、説    明会の後、中3日しかありませんでした。     県教委は、3月20日、23日の二度にわたって来校しましたが、「竹永先    生から話を聞きたいjと言うぱかりで、何のために何の話を聞こうというのか    は、ついに明らかにしませんでした。     そこで我々が「何のために話を聞くのか、答えることも職務命令なのか」と    質しましたが、「職務命令に理由は要らない」というのが答えでした。     竹永さんは、「私としては話をするつもりがあるので聞いてほしい」と伝え    ましたが、「周りの人たちがいるうちは聞けない」との態度で、結局、何一つ    聞かずに帰っていったのです。     竹永さんは、教育の中心にいつも生徒を置いています。生徒のために時間と    労カを惜しみません。更に、校務分掌など、実に献身的に仕事をする人てす。    そういう人柄ですから、生徒はもちろん、父母からも、職場の仲間からも厚い    信頼を集めています。     県教委は、よりにもよって、所高で最も信頼の厚い教員を信用失墜行為とし    て処分したのです。こんな不条理は絶対許せません。     県教委が所高の生徒自治を支える先頭に立っていた竹永さんを意図的に処分    し、更に、この処分によって職場の教職員を分断し、生徒を主人公にした学校    づくりを進める所高を潰そうとしているのは明白です。     私たちは、この公開口頭審理の中で、竹永先生への処分の不当性を明らかに    するとともに、県教委、校長の姿勢を問いたいと思います。     学校の主人公を校長にしようとする前近代的教育親は、国際的にも特異なも    ので、歴史に逆行しています。そうした逆流に対し、竹永さんは勇気ある闘い    を挑みました。     私たちには道理があります。そして、生徒を主人公にした学校を願う多くの    高校生がいて、父母がいて、県民がいます。人事委員会の皆さんの教育の条理    に立った判断を期待して、意見陳述を終わります。 ○請求人代理人(谷村) 引き続き意見陳述を行います。     私は、申立人側代理人の谷村と言います。今年の春まで、子供が所沢高校で ------------------------------------(20)------------------------------------    竹永先生をはじめ多くの先生方にお世話になったものです。     私は、竹永先生の処分を、保護者、生徒、そしてその他多くの人たちがどの    ように感じているかという点を中心に意見陳述を行います。     まず初めに、処分に対する保護者、とりわけ入学説明会に出席された方の感    想ですが、「あの発言が何で処分の対象になるの」と、「処分の理由が全く理    解できない」と、ロをそろえて話をしています。     入学説明会の様子は、先ほどの意見陳述にありましたが、多くの保護者は、    校長先生の発言に対して失望感とともに憤りを感じました。質疑応答の場面で    は、それが明確に表れました。     それとは正反対に、生徒会の説明に対しては大きな拍手が沸き起こりました。    在校生の保護者や私のような今年卒業の保護者は、内田校長が、昨年の入学式    に引き続き、今年の卒業式、そして入学説明会まで混乱を引き起こしたと感じ    ました。     竹永先生の発言は、その混乱を収拾し、新入生とその保護者に対し安心感を    与えるための発言でした。     所沢高校への信用、ひいては埼玉県立高等学校の信用を失わせたのは内田校    長です。信用をつなぎ止めたのは竹永先生だったんです。     では、今年の卒業生を含め、生徒はこの処分をどのように考えているかとい    うことです。     私の子供は、竹永先生を「最も信頼している先生」と言います。授業が丁寧    でわかりやすく、どの生徒に対しても分け隔てなく声をかけてくれ、生徒の思    いをきちっと受け止めてくれるからです。     そういった先生が、自分たちが企画し実行した卒業記含祭と入学を祝う会の    ために処分されたことに、生徒は大きな悲しみを感じています。     そして、自分たちの行動がなぜいけないのかという思いとともに、学校教育    や教育委員会に対する不信感を募らせています。     ある卒業生は、所沢高校についてこう述べています。「僕は所沢高校が好き    だし、誇りに思っている。みんなもそうだと思う。所高の校風は、勉強だけで    なく、いろいろなことを学ぱせてくれる。何かあるごとに生徒同士で放課後や    休日も協カし、一つのことを達成する。個性の濃い友達は僕に新しいものの見    方を発見させてくれる。熟く語り合うことも、できる。そんな機会を与えてく    れるのは所高だからだと思う。いじめや非行などの行動も、この校風がなくし    ていると思う。だから、僕が味わったすぱらしい日々をこれから入学する後輩 ------------------------------------(21)------------------------------------    たちにも味わってほしいと思う」。     また、ある生徒は、「私は、所高が自由、自主、自立の校風てあって、しか    も学校が楽しいと思えるのは、先生のカがあったからこそだと思います。もち    ろん、所高は生徒の手で行事も生活も作り上げていくものだけれども、陰で私    たちを暖かく見守ってくださった先生には本当に感謝しますjと述べています。     こんな子供たちの思いを踏みにじるような乱暴な行為が、この処分でありま    した。     私たちは、竹永先生の処分を撤回するために会を設立しました。現在、1,    300名を超える方々が加入しておられます。所沢高校の保護者はもとより、    全国各地の方々から支援のメッセージが寄せられています。その方々は、所沢    高校の生徒たちに共感し、応援をしています。     そして、この処分の本質が、単に一教員の問題でなく、所沢高校の自主、自    立、自由という校風を壊そうとするものであると感じています。     なぜ埼玉県教育委員会は竹永先生を処分したのでしょうか。処分に至る経過    とその後の経緯を見ると明らかです。校長主催の入学式に何としても多くの新    入生や保護者を参加させたいがためと考えるよりほかありません。     4月3日、校長名文書を、3月31日付け県教委発行の文書を付け、新入生    保護者宛てに発送しています。「お子さまが埼玉県立所沢高校の生徒となるた    めには、入学式に出席し、校長による入学許可を受けなけれぱなりません。」、    これが県教委の文書の一節です。     校長名の文書も、ほぼ同様のものです。     この文書を受け取ったあるお父さんは、「入学を喜んでいたのに、こんな脅    かしの文書が送られてきて大変不愉決」と話しておられました。     合格通知を受け取り所定の手続をしたら、よほどの反社会的行為を行わない    限り入学を取り消されることはありません。一般常職では考えられない脅かし    までも使って、入学式参加を強要したわけです。     さて、竹永先生に対する処分は一体何だったのでしょうか。昨年1年間の所    沢高校の出来事を振り返って、改めて考えてみたいと思います。     昨年の所沢高校の入学式は、校長の独断で、それまでに決定されていた式の    かたちが変更され、大混乱になりました。     その後、このことに説明を求める保護者や生徒に対し、校長は不誠実な態度    をとり続けました。 ------------------------------------(22)------------------------------------     PTAは臨時総会を行い、その決定に基づいて、校長に対し、生徒の意見や    保護者の意向をきちっと受け止め、誠意ある対応をするよう指導してほしいと    県教委に要請しました。     再三の要請の後、結果的に、校長、教育局、PTAの3者の話合いももたれ    ました。     一方、生徒たちは、混乱のない卒業と入学の行事を求め、議決し、議論し、    決め、卒業記念祭と入学を祝う会の実施を決定しました。     職員会議においても決定されました。     しかし、内田校長は、生徒、保護者の意向を全く無視し、独断で卒業式実施    を決定しました。     そして、3月9日、多くのマスコミが注目する中で、わずか20名の参加の    卒業式が行われ、ほぼ全員参加の卒業記念祭が行われました。     そして、18日に入学説明会が行われ、26日、その発言を理由に竹永先生    が処分されました。これが大まかな経過です。     私は、先ほど言った3者の話合いなどで、県教育局が、言わぱ間に立って、    PTAとの関係改善の努カをしていただけると期待をしていました。しかし、    そうではありませんでした。     第1回の会では、校長と指導主事との打合せで長いこと待たされた挙げ句、    校長と並んで、私どもと対峙するかたちで臨もうとしました。何のために来た    のかと思わざるを得ませんでした。     そして、2回目の会では、会の終わりに「卒業式を行いますので保護者の協    力をお願いします」と一方的に言い放ち、席を立っていきました。     これ以外、幾つかの場面でも疑問に思うことが多くありました。     行政の役割は何であろうかということです。     教育行政は、子供たちの教育をどう豊かにしていくのかということが一番大    事な役目と認職しています。子供たちや保護者の期待にどう応えるかが問われ    ているのだと思います。     しかし、その実態は、生徒、親、それに対峙する校長、そしてその校長を後    押しするのが教育局であります。     先生方は、こんな狭間で大変苦労されていたのだと思います。その先生に対    してこのような戒告処分がされる、そんな理不尽なことはありません。     教育委員会の皆さん、竹永先生の処分行為は県高校教育の重大な汚点であり    ます。県民からの教育への信頼を取り戻すために、県教育行政の基本を、子供 ------------------------------------(23)------------------------------------    たちの幸せを第一義的に考えるという姿勢に今すぐ転換し、処分が間違いであっ    たことを認め、処分を撤回することを強く訴えます。     そして、人事委員会の方々、事実をきちっと審議し、早急に処分無効の決定    をされるよう望んで、私の意見険述を終了します。 ○請求人代理人(堀) 請求人代理人の堀です。     以上は意見陳述でございましたが、私の方からは、先ほどちょっと話が出ま    した、本日提出されました処分者側からの準備書面に対して述べさせていただ    きたいと思います。     先ほど委員長の方から御紹介がありましたとおり、私たちは、本件の審査請    求書を5月22日付けで提出しております。     そして、本日10月6日、第1回の口頭審理を迎えております。     審査請求書に対しての答弁が処分者側から出されておりまして、その答弁書    に書かれてあることに対して、私たちは、これは一体、ここに書かれているこ    とはどういう意味なんだろう、ここに言かれてあることが何を指しているんだ    ろう、わからないことが多々ありました。     そういったところを明らかにしていただくために、求釈明書というものを8    月の中句に提出しております。     何のためにこういった書面を出したかと言いますと、もちろん、そういった    ことがはっきり事前にしていただけれぱ、無駄な時間を費やさなくて済みます。    審理を速やかに進めることができます。     今、司法の場では、訴訟の遅延ということが大問題になっております。あま    りに時間がかかる裁判に対して、国民の信頼を失いつつあります。このことは、    人事委員会の審理についても当然当てはまることだと思います。     その意味で、先ほどの、求釈明事項に対して十分に応えられることが、審理    を速やかに進めるうえでも、何よりも必要なことだと考えておりましたが、きょ    う、その回答をいただきましたが、速やかな審理の促進という趣旨からすれぱ    極めて不十分な内容となっております。     特に、まず第1点ですが、私たちは、審査請求書において本件の事実関係に    ついて詳細に述べております。本件はこういう事実があったんだというところ    を述べております。     これに対して処分者側は、答弁書において、私たちが主張した事実に対して、    否認、もしくは争う、とだけ述べております。 ------------------------------------(24)------------------------------------     これでは、審理が早く進むとはとても思えません。     処分者側は、請求人の主張事実に対して、どこが不当なのか、不当でないの    か、そのへんのところを明らかにせよと言っておりますが、違法不当の判断と    いうのは、ある事実に対して判断されることです。ということは、事実がまず    確定されなけれぱ、違法か不当か、そのへんの判断はできないはずです。     この点も含めて求釈明書で……。 ○処分者代理人(鍛治) ちょっと委員長、ああいう長々とした説明はやめさせてく    ださい。時間ぱかりかかってしようがないです。 ○請求人代理人(桜井) どうしてですか。 ○処分者代理人(鍛治) 長すぎます、説明が。 ○請求人代理人(中山) 了解のもとで発言しているんですよ。 ○請求人代理人(桜井) 発言中ですよ。 ○委員長(坂巻) ただ、その点については、詳しく、準備書面、それから求釈明書    を私どももいただいて、十分心得ておりますので、要点を少し、かい摘んでやっ    てください。 ○請求人代理人(堀) じゃ、そうします。     我々の主張した事実関係について、具体的に認否ができないというのは、ど    こに理由があるんですか。 ○処分者代理人(鍛冶) だから、こちらはね、求釈明書に対しましてこの準備書面    を、急遽ね、作成して出したんですよ、今日間に合うようにですよ。いいです    か。     だから、これをよく御検討していただいて、更にわからない点があったら求    釈明してください。できるだけ、こちらも答えるようにしますから。必要な範    囲内ではですよ。 ○請求人代理人(堀) だから、今、検討しましてね、まだ、ここがわからないから    教えてくださいと、今ここで言っているわけですよ。 ○処分者代理人(鍛冶) だから、そういうことは、処分者としては、今、質問を受    けてね、ここでサッと答えるわけにいきませんから、あらかじめそういう御請    求があるんだったら、釈明があるんでしたら、釈明しておいてください。あと    でこちらは文書としてきちんとしたものを出しますから。 ○請求人代理人(堀) すぐ、簡単に答えられることだと思うんですが。 ○請求人代理人(佐々木) 代理人の佐々木ですが、まず1点聞きますが、こちらと    してはですね、「処分の対象事実を認定した根拠は何か」と、「事故報告書以 ------------------------------------(25)------------------------------------    外にもあるのか」と、こういう釈明をしたら、「事故報告書はある。その他の    ものもあるが提出の予定はない。なお、本件の審査請求は請求人の独自の主義    主張、見解に基づくものであり、それが認められないとする証拠を提出する責    任は処分者にない」と、こういうふうにお書きになっておられますよね。     まず、事故報告書以外に、処分事実を認定した資料はあるんですかないんで    すか、そこをはっきり答えてくださいよ。 ○処分者代理人(鍛治) 具体的にこの求釈明書で載っていますね、文書の名称が。     起案書というのはありますよ。     復命書というのはありません。     録音テープというのはあります。     それから、メモ等というのは、一切、教育委員会には現在ございません。     だけども、これはね……。 ○請求人代理人(佐々木) 事故報告書以外にあるのは、録音テープですね。 ○処分者代理人(鍛治) いいですか、佐々木先生ね、これは、こちらの処分事由に    対して必要な範囲内で証拠は出しますよということは、きちんと言っています    から、それはその範囲内で出しますから。     だけども、請求人側の方のね、いろんな御主張がありますよ、審査請求書に    もね、反論書にも出ていますよ。それをいちいちこちらでもって立証するつも    りはありませんから、それは御了承ください。 ○請求人代理人(佐々木) 事実認定をされた根拠、資料は何かという、ごく単純な    問題ですよ。     事故報告書以外にあるのは、録音テープだと、こういうことですね。     それ以外のものはあるんですか、ないんですか。 ○処分者代理人(鍛冶) それはね、いろんな証人の方もいますから、事故報告書だ    けというわけじゃないですよ。人証と、いう方法もありますから。 ○請求人代理人(佐々木) それはわかっているんですよ。     だから、人証以外の、じゃ、事故報告書と録音テープと、あと何があるんで    すか。 ○請求人代理人(中山) 人証の名前出したらどうですか、先生。 ○処分者代理人(鍛治) そういうことは、まだ、立証の段階になってから十分検討    いたしますから。 ------------------------------------(26)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) いやいや違いますよ、だって処分したんだから、根拠言え    ないと駄目ですよ。 ○処分者代理人(鍛治) 審理長、そういうことですから。立証の段階で検討します    から。 ○請求人代理人(佐々木) 処分の審査の議事録を私ども見ているんですよ。その議    事録の中に出てきてないですよ。だから、何を根拠にこの事実認定をされたの    かということを、最初の求釈明にしているんですよ。 ○処分者代理人(鍛治) だから、それは立証の段階で明らかにしますよと。 ○請求人代理人(佐々木) もう明らかにしてくださいよ、できるわけですから。 ○請求人代理人(中山) 処分したんだから。 ○委員長(坂巻) 今日、これから次の口頭審理の日程について打合せをしたいと思    うんで、今の、そういうその求釈明、再求釈明ですか、それも踏まえて、それ    でこの次はどうするかということ、進行についても計らいたいと思います。 ○請求人代理人(桜井) 委員長。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(桜井) 今日は第1回の、極めて重要な公開口頭審理の場なんです    ね。せっかく、まだ、時間もまだあると思いますし、公開口頭審理なんですね、    書面審理じゃないんです。     確かに、求釈明書に対する準備書面が今日やっと出ました。大分経ってから    です。もっと早く出ておれぱ、これは我々も書面を出したかもわかりません。     しかし、今日出されたので、こうやって、公開口頭審理の場で求釈明を更に    行っておるわけです。     ですから、それに答えられることはどんどん答えていただきたいと思うんで    すね。審理促進になるわけですよ、そうしていただけれぱ。     ですから、委員長のお言葉ではございますが、それはあとから、次回の期日    を指定なさるときに、そういった立証計画その他については、それを相談する    のは、やぶさかではありません。     しかし、この今のこの場でできることは、どんどんやっていただきたいと。    そういう趣旨で我々は述べておるわけであります。     その点をよく御了解いただきたいと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 私どもの求めたのはですね、処分者が今日の準備書面で ------------------------------------(27)------------------------------------    言っている、我々に有利な証拠を提出する貢任は処分者にはないと、こういう    はねのけ方ではなくて、処分者が処分をした根拠の資料は、今日までに全部出    しなさいと、こう求めているわけですよ。ごく当然の要求なんですよ。     ところがですね、事故報告書があると、その他のものもあるが提出の予定は    ないと。     じゃ、その他のものについては、今確認するまでは明らかにされておられな    いんですよ。     全部出したらどうですか。 ○処分者代理人(鍛治) だけど、情報公開か何かで求めていませんか。 ○請求人代理人(佐々木) それは筋が違うでしょうが、それは。処分者が自らの処    分根拠を明らかにするというのは、ごく当たり前のことじゃないですか。 ○処分者代理人(鍛冶) だけど、佐々木先生ね、こちらの処分に対する立証活動は    いたしますよ、そういうことだけですから。     だから、十分なね、こちらの処分事由についての証拠は出しますよ。それは    当然ですから。 ○請求人代理人(野本) 先生はですね、今日の準備書面の方では、事故報告書はあ    ると、しかし、その他のものは、あるが提出の予定はないと、こういうふうに    お書きになっているんですよ。     そうすると、今のお話ですと、何と何と何を提出するんですか。この後。 ○処分者代理人(鍛治) それはまだ、今の段階ではわかりません。 ○請求人代理人(野本) いや、この求釈明はですね、8月の中句の段階でしている    もので、今私が聞いていることも同じ質問なんです。 ○処分者代理人(鍛治) だけど、もう御主張等ないんですか、請求人側は。     今、いろんな準備やっている最中じゃないですか。 ○委員長(坂巻) よろしいですか。     主張の点については、請求人側は、もうこれで出尽くしているんですか、と    いうのは、請求人側が立証を促しているのでね……。 ○請求人代理人(佐々木) 私どもとしては、応釈明がきちんとあって、争点がもっ    と明確になるんであれぱ、更に用意をしている主張はあるんです。当然に。     例えぱですね、処分理由として、発言内容そのものなのか、そこで発言をし    たことも含めてなのかという求釈明しているわけですけれども、そこで許可な    しに発言をしたということであれぱ、入学説明会というのが、そもそも学校の    中でどういう位置付けになるのか、だれが主催者なのか、そこにおける校長の ------------------------------------(28)------------------------------------    位置がどういうのか、これも争点になるわけですから、それに応じた準備をし    ていくわけですよ。     あるいは、竹永がですね、1学年団を代表して発言をし、その発言内容の基    本も職員会議で合議のうえで決めていると。にもかかわらず、校長の意向と反    するんであれぱ処分の対象になるというんであれぱ、そもそも、学校の中での    職員会議の位置付けというのはどういうことなのかと。ここも争点になるんで    すよ。     それから、竹永たちが頑張って所高の伝統を守ろうとしている、そういう、    そもそも子供の意見表明権ですね、学校の参画権に対する、教師集団のですね、    そういう行為が処分対象になったと、こういうふうに言われれぱ、当然、そこ    も争点になるわけですよ。     ところが、処分者の方の、今日までの、この書面も含めて、ここの争点明ら    かじゃないんですよ。だから、釈明を求めたんですよ。     今、とぱ口なんですよ。そもそも、事実認定をした根拠事実は何だという、    ごく初歩的な求釈明に対してだって、処分者の今の対応は、明らかに全く不当    ですよ。 ○処分者代理人(鍛冶)佐々木先生、そうだったら、そういう御主張をしてください。     だから、そうすると、現在のところでは、処分者側は、答弁書とこの準備書    面に記載したとおりですから。これに、まだね、こういう点が足らんじゃない    かと言ったら、それはおかしいじゃないかといったら、そういう御主張をして    ください。あるいは求釈明を求めてください。 ○請求人代理人(桜井) いや、やっているんです。 ○処分者代理人(鍛治) それをきちんと、文書で出してください。こちらも文書で    答えますから。 ○請求人代理人(中山) 鍛治先生は多分、大先生にこういうことを言うのは失礼だ    と思いますけれども、やはり先生の側のほうが、処分者側が処分したわけです    よ。それに対する、その適否が人事委員会で問題になっているわけですから、    まず、その処分したことが正当なんだということを、本来、言うべきじゃあり    ませんか。少なくともその根拠を示すべきじゃありませんか。     こちらの方は、審査請求書と反論書で、いかに今回の処分は違法、不当であ    るかということを細かく述べているわけですよ。     裁判でもそうですけれども、述べていることに対するきちんとしたあいさつ、    認否というのは、やるのは当たり前でしよう。飯塚先生だって、白鳥先生だっ    て、そうでしょう。 ------------------------------------(29)------------------------------------     そんな当たり前のことを、なぜ人事委員会の場においてできないんですか。    口頭審理を迅速に、かつ適正に進めるためには、そこがまず最低限の条件じゃ    ないですか。そこをやるのが当たり前だということを言っているだけで、何も    難しいことを言ってないんです。だれが聞いたって、こんなこと言っているの    はおかしくないんです。     すぐ答えられることですから、答えてください。 ○委員長(坂巻) 処分事実の対象がまだはっきりしていないという、どこまでの範    囲かということについても求釈明ということで、もっとはっきりしていただき    たいということなんですね。 ○処分者代理人(鍛治) だから、こちら処分者側は、基本的な事実はきちんともう    述べてありますから、あと、そちらに御主張がなけれぱ立証の段階に入るだけ    ……。 ○委員長(坂巻) ただ、反論書と求釈明書の中で、るる、背景をなす、いろんな点    を詳しく述べているので、その点についてもやはり、認否ないし、意見を出し    てほしいということのようですので、できればそれも、本当は……。 ○処分者代理人(鍛治) そういたしますとね、もう少し簡潔に整理して御主張して    くれないと。細かいことまで一つひとつ認否なんてできませんよ。 ○請求人代理人(池永) 例えぱですね、刑事裁判の場合であれぱ、罪となるべき事    実を述べた後に、その後に証拠の標目を掲げるわけで、そのような事実を認定    した証拠が何なのか、証拠の標目、目録を掲げるわけです。     それで、今回もですね、懲戒処分という不利益な処分が下されたわけですか    ら、その認定となった、根拠となる証拠の標目を掲げていただきたいと。     どのような証拠があるのかと。     例えぱ、テープが証拠の標目の一つにあるんであれぱ、それをきちんと指摘    していただきたいし、ほかに何があるのか、その証拠の標目をすべて掲げてい    ただきたいという、ごく当たり前なことではあるんですが。 ○処分者代理人(鍛冶) だから、何回も繰り返しますけども、それはね、御主張し    ている事実、こちらが主張している事実はこういうものですよと、そういう段    階に入ってから立証の段階に入るんでしょう。     そのときは、きちんとした標目、あるいは、人証の申出をいたしますよ。 ○請求人代理人(佐々木) 先生、ついでで申し訳ないんですが、じゃ、なぜ録音テ    ープ出されないんですか。 ------------------------------------(30)------------------------------------ ○処分者代理人(鍛冶) それは、わかりません、まだ。 ○請求人代理人(佐々木) 出さないというのは、どういうことなんですか。 ○処分者代理人(鍛治) 必要性があるかないかの問題ですよ、これは。 ○請求人代理人(中山) はっきりしているじゃない。だって、これほど大事な証拠    ないですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 事実認定の最も基本的な根拠になるんじゃないですか。 ○処分者代理人(鍛治) そんなこと、こちらで判断しますから。 ○請求人代理人(佐々木) いいですよ、そもそも判断は人事委員会がされるんです    から、人事委員会の判断に必要なもの、最も有効なものであれぱですね、出し    てくださいよ。 ○処分者代理人(鍛治) そうじゃなくてね、証拠として出すかどうかはこちらで判    断いたしますよということですよ。 ○請求人代理人(佐々木) いや、そちらが判断するのは当然ですが、じゃ、なぜ出    さないんですかと聞いているんですよ。テープがあるというなら。 ○処分者代理人(鍛治) そんなこと答える必要ないでしょう。 ○請求人代理人(佐々木) いや、そちらが判断するのは当然ですが、じゃ、なぜ出    さないんですか。 ○処分者代理人(鍛冶) そういうことを答える必要ないでしょう。 ○請求人代理人(佐々木) 先生、どうして、テープがあるんだというなら、出され    ないんですか。 ○処分者代理人(鍛治) それは、わかりません。必要があれぱ出しますよ。なけれ    ぱ出しません。こっちの立証の問題ですから。 ○請求人代理人(佐々木) 立証の問題だと言われるのは、そのとおりですよ。     だけど、どういう発言があったのかというのが主要争点なんですから、そう    いう、決定的証拠であるテープがあるんだったら、出されれぱいいじゃないで    すか。 ○処分者代理人(鍛治) だから、佐々木先生にそう言われる必要は、こちらはあり    ません。 ○請求人代理人(佐々木) ごく常識的な要求ですよ。     なぜ、根本的な資料を出されないんですか。     改造してるんですか。 ○委員長(坂巻) テープということになると、証拠というかたちになりますから、 ------------------------------------(31)------------------------------------    もう少し、お互いの主張のね、求釈明しておられる書面、あるいは反論書が詳    しく出ておりますが、その点について、緊急に処分者側の方でまとめて、早い    うちに出していただいて、その上で……。 ○処分者代理人(錯治) いや、委員長さん、そういうことできないでしょう。     御主張は、全部整理できたんですか、主張出尽くしたんですかということを    前提にしてもらわないと駄目でしょう。     どういう証拠を出すかという問題なんですから。 ○委員長(坂巻) いやいや、証拠でなくて、今言ったのは、主張の整理というか、    争点に関しては不十分な点があるんじゃないかと受け止められるという意味な    んてす。 ○請求人(竹永) 実際に処分を受けたのは私なんですよね。で、それなりの根拠が    あるから処分をされたんだろうと思うわけですよ。何を根拠に処分をしたのか    というのを聞いているのに、なんでわからないわけですか。 ○処分者代理人(鍛治) 何言ってんだろう、あの、答弁書と準備書面など読んでく    ださい。 ○請求人(竹永) 読みました。 ○処分者代理人(鍛治) 根拠は十分でしょう。 ○請求人(竹永) それで不十分だということで皆さんが発言されているわけでしょ    う。     委員長ね、ここにたくさんの方もいるわけですよ。もちろん、ですから、重    なる部分があっても、わかりやすく簡潔に、皆さんに、もちろん私たちにもわ    かりやすくやはり説明する義務があると思うんですよね。     例えぱ、今回の処分がそちらにとって正当だというのであれぱ、それなりの    理由をはっきり述べていただきたいし、質問に対しては公正に答えていただき    たいし、そういうことなくして、ここの意味はないじゃないですか。 ○処分者代理人(鍛治) 傍聴人に一つひとつわかるように説明する義務は、私、な    いと思いますよ。 ○請求人(竹永) 少なくとも私に対してはあるんしやないですか、私は請求人です    よ。 ○請求人代理人(中山) これは要するに、不利益処分を受けた請求人に対するです    ね、その判断が適当かどうかを審理する場なんですよ。     何か、全然関係ない場だと、先生、お考えなんじゃないですか。ひどい話で    すよ、今の先生が言っておられるのは。 ------------------------------------(32)------------------------------------     根拠をちゃんと示すというのは当たり前じゃないですか。じゃ、何のために    この人事委員会があるんですか。それを言っているんでね。     ですから、私は、まず、その事実認定が問題になって、これは説明会の発言    が問題になっているんですよ。それは録音を聞けぱわかるんですよ。     何か、竹永さんの行動が問題になっているわけじゃないですよ。行動は録音    テープ聞いてもわからないかもしれません。発言を処分したわけでしょう、違    うんですか。本当は発言じやなくて行動なんですか、あるいは、声に緑音され    ない思想なんでしょうか。そのへんをね、はっきりさせてもらわないと困るん    です。     でなきや、審理進められませんよ。 ○請求人代理人(佐々木) きようの求釈明、この点だけはっきりさせていただけれ    ぱ、とりあえす終了しますから、竹永の発言を処分者で認定をした資料は何で    あるのかと。人証でやられると言うけれども、じゃ、その同じ人がですね、処    分を決めた委員会で証言をして、その証言が根拠になっているのかどうかです    ね。     録音テープがあると言うのなら、処分を決めた機関でその録音テープが聞か    れて、つまり証拠として出された上で処分がされているのかどうか。     それ以外のものがあるなら、何と何が事実認定の資料であって、処分の対象    事実を確定する資料になったのか、そこをまず明らかにしていただけますか。     それで併せて、なぜそのすべてを出されないのか。そこだけは簡単に、先生、    きょう明らかになるんじゃないでしょうか。 ○委員長(坂巻) 答えられますか。 ○処分者代理人(鍛冶) いや、答えません。これは立証の段階でやるべき問題です。 ○請求人代理人(堀) じゃ、すみません、堀ですけど、もう1点だけ。     先ほど、主張が、まだ整理されていない段階だというふうにおっしゃいまし    たが、こちらとしては、事実関係につきましては詳細に主張しております。     整理できないというのは、きちんと認否されていないからできていないんで    すよね。だから、ぜひそこは、早いうちに具体的に認否していただきたいと思    います。 ○委員長(坂巻) そういう要望ですから……。 ○処分者代理人(鍛治) 懲戒処分の対象となった事実というのは、こちらで主張し    ていますからね……懲戒処分の対条となった行為というのは、もう特定してい    ますから、こちらとしては。だから、それは私、十分だと思うんですよ。 ------------------------------------(33)------------------------------------     あと、いろんな事情の問題……。 ○委員長(坂巻) そうすると、処分者側としては、処分事由は、事実は、はっきり    特定しているということですね。     ですから、それ以上に、るる反論ないし求釈明出ておりますけれども、それ    については、現段階においては、今日の準備書面で答えているそれ以上の用意    はないということですか。     そういうことのようです。 ○請求人代理人(桜井) これね、争うとか否認するだけではですね、人事委員会と    しても困るんじゃないでしょうか。     詳しい、いちいち答弁はできないというのが鍛冶先生のお話のようですけれ    どもね、裁判所であっても、少なくともこういう点は認否してくださいという    こと、よくあることなんですよね。     もちろん、ここは裁判所ではありません。しかし、委員長も法律家でありま    すので、ひとつですね、こういう点は是非とも認否してほしいというふうに、    そういうふうな審理の進めをやっていただきたいと、是非、思います。 ○委員長(坂巻) はい、御意見として承っておきます。 ○請求人代理人(中山) 少なくとも、先ほど来から問題にしている、この処分の根    拠となった資料ですね、これだけは、この場で何としても、提出するという約    束をしてください。納得のいく説明をしない限りは、きょうは終わりにするこ    とできないんじゃないでしょうか。 ○処分者代理人(鍛治) いやいや、もう、何回も何回も言っていますから。 ○精求人代理人(佐々木) 明らかにしてくださいよ。何を根拠に事実認定がされた    のか、それだけ、その点だけでも具体的に明らかにしてくださいよ。 ○請求人代理人(中山) 審理を進めるという、そのお気持ちがあるんなら、せめて    それを出すようにしてくださいよ。それぐらいやらなければね。事実の問題で    すからね。何が対象かって……。 ○処分者代理人(鍛治) 要するに、こちらの考え方としてはね、そういうことはも    う立証の問題ですよと。そういうことですから。その段階ではっきりさせます    よ。     立証方法として、出すものは出しますよ。 ○委員長(坂巻) お互いの主張が平行線で、立証の段階か、そうではなく、事実認    定、事実そのものについてそういう証拠を今の段階で出してくれという要望か、 ------------------------------------(34)------------------------------------    それはお互いの見解の相違で、これは何回やっても同じだと思いますので、こ    の点については、桜井主任代理人からも言われたけれども、事実関係について、    このままでは、人事委員会として審理できるかという御意見も承りました。我々    としては、進行状況に応じて、求釈明する必要性が出た場合には、両当事者に、    職権でいたします。 ○請求人代理人(佐々木) 鍛冶代理人は何か誤解をされているんではないかと思い    ます。人事委員会の審査はですね、主張と立証を並行して進めているわけです    ね。ですから、こちらとしては、既に書証もきよう出しているわけですよ。こ    れは立証の問題なんですよ。     言わぱ、この事実を認定したのにどういう根拠があったのか、どういう資料    があったのか、証拠があったのか、ここを明らかにするのは主張の分野なんで    すよ。     具体的に出すかどうかについては、この場で出してもいいレ、根拠だけ明ら    かにしていただけるなら、次回出していただいても結構なんですよ。     なにもね、立証というのは、主張を何度もやりとりして、で、これから立証    ですよ、ヨーイドンという世界じゃないんですよ、先生。 ○処分者代理人(鍛治) そんなことはわかってますよ。 ○請求人代理人(佐々木) 一緒に並行してやっていけぱ合理的なんですよ。     事故報告書以外にあると言うなら、あるのを特定してくださいよ。     録音テープがあると言うなら、それをぜひ出してくださいよ。発言内容だけ    はほとんど争いなく事実が確定するでしょうに。     極めて合理的ですよ、それは。     出せない理由があるんですか。 ○処分者代理人(鍛治) 繰り返しになりますね。 ○委員長(坂巻) 今日のところは、立証は、請求人側だけで、処分者側はまだ出て    おりませんけれども、主張自体についても、なお補充すべき点は、検討してい    ただいて、それと同時に立証についても、なるべく早く審理を促進する意味に    おいて、是非処分者側でも併せて検討していただくようお願いいたします。     それぞれの意見の相違がありますけれども、是非円滑に、スピーディに審理    が進めるように、おそらく証人等についても多数予想される事案ではないかと    思いますので、早めに出していただくように御協力願いたい。 ○請求人代理人(中山) 委員長。 ○委員長(坂巻) はい。 ------------------------------------(35)------------------------------------ ○請求人代理人(中山) 私どもの方はですね、次回にどうするのかということにつ    いては、きようの求釈明に対する回答を待って考えようと思っていたんですけ    ども、次回にですね、処分者側は一体、何を、どのような主張をし、立証しよ    うとしているのか、その予定も立てられないというんでしょうか。     でなければですね、このまま終わって、次回どうするのかということ、ちょっ    と見当がつかないんですね。     やはり審理を進めるうえでは、次回どういう方向で何をするのかは、少なく    ともこの場で明らかにされなけれぱいけないと思うんです。そのへんをちよっ    と指摘していただきたいんですが。 ○委員長(坂巻) それは、双方からお聞きしたいと思います。次回についての日程    については。     その上で、いろいろ御意見ありましたら、また調整したいと思いますけれど    も。     請求人側の方としては、次回はどんな予定を……。 ○請求人代理人(中山) 処分者側の方は一体何を予定しているんですか、何をお考    えですか。     本来であれぱ、今日の求釈明に対する回答を待って、こちらも準備するつも    りでいたんですが。     出そうと思えぱ幾らでも出せますよ。ただし、出してですね、いたずらに争    点を膨大に広げて、それこそ、委員長が今危惧されているように、人証を膨大    な数を増やすなどということをしたくないんです。こんなはっきりした違法な    処分は、できれぱ、1回の今日の審理で、取り消していただいてもいいことな    んですよ。     今日の、不真面目な処分者側の回答を見れぱ、これだけ見ても、人事委員会    としては、こんな不当な、違法な処分はないんだということは、もはや明らか    じゃないかと思うんです。     だから、本来であれぱ、証拠調べなんか、もう今日で打ち切って、こちらの    方で甲第1号証から15号証を出していますから、もうそれで打ち切って、処    分は正当だということを言っていただいてもいいくらいの無茶苦茶なことをで    すね、やっているし、今日の人事委員会での処分者側の態度なんですよ。     だから、このような態度に対してですね、私たちの方で次回どうするんだと    いうふうに言われても、それは、やろうと思えぱ幾らでも出せます。出したか ------------------------------------(36)------------------------------------    らといって、次回また同じような対応を示されてはですね、結果的に何をやっ    ているかさっぱりわからないんです。     だから、一つひとつ駒を進める意味でですね、こちらの質していることをき    ちんと答えてもらいたいと。     その進むべき、やはり順序というのがあるわけですよ。そこをやはりきちん    とやってもらわなくちゃ困るということを言っているんです。     ただ漫然とですね、次回何をやるんだという、そのことを一般的に聞かれて    も困るんです。むしろそれよりも、処分者側にこちらが質していることに対す    る回答をですね、まず待つ、そして、それを回答するように指導していただき    たいんですよ。     少なくともテープは出すと。それだけは約束していただくということをです    ね、人事委員会のほうから、ぜひ処分者側にお願いしていただきたいんです。 ○委員長(坂巻) 処分者側にお願いしたいんですけれども、次回の予定について、    かい摘んで、お答え願えますか。 ○処分者代理人(鍛冶) どういうことなんでしょうか。 ○委員長(坂巻) この審理を進めるについて。 ○処分者代理人(鍛冶) 請求人側に、もう求釈明がないと言うんでしたら、立証の    段階に移って、立証方法を具体的に出していきたいと思いますけど。 ○請求人代理人(中山) 答えてからでしょう、先生。求釈明がないって言うんでは    なくて、こちらの求釈明に対して何一つ答えてないわけですから、答えてから    でしょう。 ○処分者代理入(鍛治) いや、そんなことじゃなくて、本日付けの準備書面できち    んと答えているでしょう。これ以上、現在のところ答える考えはないですよ、    処分者側は。 ○請求人代理人(中山) そのね、こちらもね、読めばわかります、どんなこと書い    てあるのか。そんな、100べージもあるもんじゃないですよ。皆さん、傍聴    人の人もいますけどね、わずか3べージかそこらのものですよ。     それをですね、今、時間かけて、次回期日までの間に、時間かけて理解して、    それから初めてということじゃないんです。     読んで一見して明らかになった事実をですね、前提として、少なくとも、処    分をした理由、根拠となる資料をですね、テープがあるということを言われた    んですから、それは実は、私たちわからなかった、きょう、はっきり言われた    んですから、そんなにはっきりした事実をですね、そのテープを出せぱ、処分    の対象となる発言内容がわかるんですから。 ------------------------------------(37)------------------------------------ ○処分者代理人(鍛治) だから、それは出しませんよということを言っているでしょ    うが、準備書面で。 ○請求人代理人(中山) 出してくださいよ。出してください。     それだけは約束してください。 ○請求人代理人(佐々木) 求釈明全体についてはですね、まだあるんですけれども、    きようテープを出すというふうにお約束していただけれぱ、求釈明はとりあえ    ず打ち切りますよ。     次回、更に、全体的に検討して主張を補充しますけど、それだけでもまず約    束してくださいよ。 ○委員長(坂巻) 今、主任代理人の方は、今日の準備書面に書いてあるとおりに、    提出する予定はないということで、それを踏まえた上で進めてください。 ○請求人代理人(佐々木) 全く理解ができないですよ。     普通に考えたらテープは決定的証拠でしょう。先ほど中山代理人が言ったよ    うに、発言内容そのものが処分の対象になっているんですから、竹永がどうい    う発言をしたかというのは、テープ出してくれれぱはっきりするんですよ。     こっちも発言内容については極めて詳細に主張しているんですよ。多分、こっ    ちの主張のとおりの発言内容なはずなんですよ。     だから、テープさえ出してくれれぱ、きよう、収めますよ、この場は。 ○請求人代理人(中山) もう、争点なくなるんですよね。 ○処分者代理人(鍛治) きょう、何時までやるんですか。 ○請求人代理人(佐々木) いやいや、だから、先生がうんと言ったらですよ。     次回、テープを出しますと言ってくれれぱ、それで求釈明終わりますよ。 ○委員長(坂巻) そういうことで、今、請求人側から、本日付けで出された準備書    面に対しての強い御意見、強い要望がありますので、それを踏まえた上で、も    う一度検討して、それと同時に、それに対する主張等についても検討していた    だいたうえで、証拠についても準備して、早いうちに、まとめて出していただ    きたいと思います。こういうことで、かみ合うように、是非協力願いたいと思    います。     ちょっと、静かにしてください。 ○請求人代理人(岩下) 今の問題で大変重要なことがあるんですげれども、処分事    由書の中に書かれている竹永さんの発言というのはですね、竹永さんの発言全 ------------------------------------(38)------------------------------------    体の中の一部分だけを取り上げて、いかにも県教委の都合のいい部分だけを寄    せ集めて書かれたものなんです。     ですから、私たちは、どうしても、もしそこにテープがあると言うんでした    ら、すべてを明らかにしてほしいんです。     そうすれぱ、あの処分がいかに不当であったか、一目瞭然なんですよ。     だから、今、そちら側の鍛冶代理人がですね、出せないというのは、要する    に、出したらその不当性が明らかになってしまう、だから先に延ぱし延ぱし、    延ぱししていくんだという、逃げに入っていると思うんですね。     そういうことは絶対にやめていただきたい。 ○処分者代理人(鍛冶) そんなことは考えていません。 ○委員長(坂巻) そういう強い意見もありますので、御検討願います。 ○請求人代理人(中山) いや、委貴長ね、これで終わりにしてほしくないんですよ。     少なくともですね、審査請求書の2で、2ページで、入学説明会における審    査請求人の発言ということで、こちらの方でわざわざ括孤書きしてですね、2    ページから3ページにかけて、請求人はこういう発言を当日したんだというこ    とをですね、ちゃんと主張しているんですよ。     そういう発言だったのかどうかを認否してくれと言っているのに、それを認    否もしない、そして、実際はどうなんだと言えばですね、処分事由説明書に書    いてある、わずか数行のですね、要約した、しかもその要約がまるで曲解した    要約なんですけれども、そういうものが処分事由だということを言っているん    ですから、じゃ、それを根拠づける資料を出してくれと、テープがあると言う    んだったら、聞けぱそれでわかるんですから。こちら側の審査請求書で、審査    請求人が当日発言したのはこういう内容だったと括弧書きしてある部分を認め    ると言うんなら、まだわかりますよ。それも認めないでね、何か争う、あるい    は否認するなんていう横着なそういう答弁しかしていないで、なおかつ、その    根拠となる、明らかとなるテープさえ出さないという、こんな不真面目な応答    は、僕は、ないと思うんです。初めてですよ。     だから、これで終わらしてほしくないんです。     絶対にここは、はっきりですね、少なくともテープがあると言うんであれぱ、    出してですね、もし、出せないと言うんであれぱ、鍛治先生うっかりして、本    当はないのにあるというふうに嘘をついてしまったというんでしょうか。 ------------------------------------(39)------------------------------------ ○委員長(坂巻) そういうことで、確かに、認否についても、やはり私ども見て、    概括的で、通常の訴訟とは違いますけれども、いろいろ事情はあると思います    けれども、確かに長い文章だから認否しにくいかもしれませんけど、重要なポ    イントについては、できるだけ詳細に、認否については、私どもとしてもお願    いしたいと。これは強く要望いたします。     それから、今の裏付け証拠等についても、強く請求人側が要望しております    ので、その点についても検討していただいて、是非、この審理が円滑にいくよ    うに、この次までに御協カ願いたいということを特に処分者側にお願いいたし    たいと思います。     そういうことで、処分者側の方も、今、私の方で申し上げました点も配慮し    ていただいて、できましたら、今、請求人側からいろいろと要望がありました    点も踏まえて、準備書面をまとめていただきたいということと、それから、そ    の証拠関係についても、同じく、提出していただきたいということをお願いし    ます。     それと、次回の日程はこれから調整しますけれども、できるだけ、そういう    書面なり、あるいは証拠、証人申請なり、必要がありましたら早めに出してい    ただいて、両方の主張がかみ合うようにしていただいて、審理も集中的に行え    るようにしていただいて、できるだけ早く審理を進めていただきたいと、これ    を私ども人事委員会としては強くお願いいたしたいと思います。     そういうことで、いろいろ御意見はあろうかと思いますけれども、よろしい    ですか、そういう方向で。 ○請求人代理人(中山) いや、よろしくないですね、ほんとに。     まあ、よくはないですが、次回、基本的に当然の、資料は出されるという、    ごく当たり前の対応をされるというふうに期待をしてですね、一応、次回期日    の設定に入っていただきたいと思います。 ○委員長(坂巻) わかりました。     それでは、ちょっと関係者が多いので、暫時休憩させていただいて、両代理    人に別室の方へ移動していただいて、その上で次回の日程を調整します。 午後4時37分休憩 午後5時再開 ------------------------------------(40)------------------------------------ ○委員長(坂巻) それでは、ロ頭審理を再開いたします。     次の、第2回口頭審理の日程が調整できましたので申し上げます。     12月16日2時30分より。両関係者、代理人並ぴに御本人、よろしいで    すね。     それから、もう一つ、1月20日、2時30分よりということにします。今、    傍聴人の方から意外な、遅いというような声が聞こえましたけれども、実は、    皆さんに傍聴していただく会場がなかなかとれないんです。これだけ皆さん、    大変遠いところから来ていただいて、皆さんに聞いていただこうということで、    事務局も配慮しているんですけど、県の部屋が施設が少ないので、予約されて    いるんです。それと、関係者、代理人とか、皆さん多いので、時間の調整がな    かなか難しいということで、御了解願いたいと思います。     それから、両代理人にお願い申し上げますが、先ほど申し上げましたように、    今後提出される準備書面ないし証拠申出書、書証等について、なるべく早めに    お願いしたいということで、今日が10月6日ですので、少なくとも1か月以    内、11月6日まで、金曜日ですね、時間を厳守していただいて、提出書類が    ありましたら提出していただきたい。     それで、人事委員会の方で、相手方の方にそれぞれ、反論なりありましたら、    いつまでに提出していただきたいということを付言してお願い申し上げますの    で、なかなかほかの事案等で多忙かと思いますけれども、是非ひとつ御協カ願っ    て、審理の促進に御協カ願いたいと思います。 ○請求人代卑人(桜井) ちょっと委員長。 ○委員長(友巻) はい。 ○請求人代理人(桜井) 1点だけ要望ですけどね、請求人代理人の桜井です。     審理の調書の関係ですが、できるだけ早くですね、調書を作成していただい    て、これは両当事者に配られるわけですね。それを、できるだけ早く調書をま    とめて、まあ人事委員会のほうも作業が大変だとは思いますが、まとめていた    だいて、お送りいただきたいと思います。 ○委員長(坂巻) わかりました。     御要望を承りまして、御期待に沿うように、最善を尽くすように事務局に申    し上げておきます。     以上をもちまして第1回の口頭審理を終わります。 午後5時5分閉会 ------------------------------------(41)------------------------------------            調書作成事務職員 渡辺 佳代子(印)        委員長 坂巻 幸次(印)        委 員 森田 益弘(印)        委 員 渡邉 圭一(印) ---------------------------------------------------------------------------(end)
(Web管理者記)
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