理事会だより

― 1996年度 (第?号) ―

発行日 1997年1月28日(火)

発行 所沢高校PTA理事会

第5回 理事会 1997年1月18日(火) / 14:00〜18:30 / 於:会議室

 (Web管理者記)--------------------------------------------------------
 この資料は96年度のものです。従って、校長・教頭・事務室長とも、97年度
 入学式以降の校長・教頭・事務室長とは別の人です。------------------------

第5回理事会ではPTA会則の見直し等大きな議題があり、また1月8日の始業式で の校長先生のお話(卒業式における国旗掲揚・国歌斉唱について)をめぐって活発な 討論がなされましたので、理事会だよりを発行し、会員の皆様にお知らせする事にな りました。裏面もありますので最後までお読み下さいますようお願い致します。 1.*会長挨拶     新しい年を迎えて、新鮮な気持ちでPTAのいろいろな問題点に取り組んで     いきたいと思っておりますので、皆様のご協力をお願い致します。   *校長挨拶     現時点での社会の常識、県立高校として是非つかんでおいて欲しい事を始業     式の時に話をした。結論としては今年は国旗掲揚と国歌斉唱を是非実施しま     す。宜しくお願いしたい。国旗・国歌の論議は国レベルの中教審や教育課程     審議会、さらには国会等でも論議され、賛否両論主張がいろいろ入り乱れて     結論に達しない部分もあるが、学習指導要領で、「入学式や卒業式などにお     いては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう     指導するものとする。」とされた。これは、指導要領に従って実施しなくて     はならないということ。国旗・国歌はいづれの国も持っており、大切にして     いる。このことは国際社会に生きている国民として必要とされる、基礎的・     基本的内容の一つ。   *教頭 近況報告     センター試験 卒業予定者452名中 235名が受験     就職 2名、専門学校 21名、     指定校推薦 29校54名決定、一般公募 23名     1、2年生オーストラリア ホームステイ 20名決定     広報のアンケート 全部目を通した。学校が汚いという意見が目立った。 2.議事、報告、確認事項   *各部、支部報告     所沢支部   地区懇談会、支部だより発行     川越支部   支部だより発行     狭山支部   支部だより発行、音羽御殿旧鳩山邸見学     新座支部   役員研修、茶話会計画中     広報部会   第3号 3月6日発行予定     生活指導部会 3部合同講演会、12月21日(土)講師:川田悦子氏            約500名が参加(所高PTA会員・生徒:約310名、                     外部からの参加者:約175名)     保健部会     進路指導部会     2学年部会  4月19日 新3年進路説明会   *PTA会則の見直しについて     会長を選出する選考委員会を常任委員会が兼務する。     「所高の自由と教育を考える委員会」を会則に明記する。     各クラスに理事とは別に「連絡員」を置く。       以上の件を引き続き検討する。   *柔道着リサイクルについて     今年度より実施致します。     収集日:3年−1/28、1/31  2年−3/10、3/13   *「所高生の自由と教育を考える委員会」の今後について     第2回委員会の報告を出しましたので、お読み下さい。     先生方と保護者が情報交換を行い、討論する場として成果を得てきていると     思う。会則の中に委員会として位置づけたい。   *入学説明会(新1年役員の選出)3月18日   *第6回理事会――3月15日(土)   *会員名簿作成について     名簿が外部に流れているようなので、会員全員に配布するのは控えた方が     いいのではないか。引き続き検討する。   *100周年に向けて、PTAでも取り組みを考えてゆく。 <裏へ> 3.校長先生の挨拶について P:始業式での校長先生のお話のあと、何名かの生徒から「異議あり」との発言があ   り、たくさんの拍手により発言内容が支持されたと聞いているが、内容を教えて   欲しい。 校長:「卒業準備委員会で検討し、日の丸・君が代の強制導入に反対している。」   「思想、信条の自由がある。」「日の丸を見ただけで嫌気がさす人がいるのに、   どうするのか」「自分たちの意見を尊重して欲しい。」等の意見が出た。 P:子ども達から「日の丸・君が代」に関する決議文が出ているはず。子どもの意志   を尊重して欲しい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−            「日の丸*君が代」に関する決議文           ―高等学校学習指導要領の改訂において―  「日の丸・君が代」について、現在国政・県政の場においての解釈は様々であり、 法律上でも国旗・国歌として定められていません。又その点についての私達所高生一 人一人の中での解釈も賛成・反対その他様々です。このような状況の中で、教育行政 機関が「日の丸」の掲揚や「君が代」の斉唱を強制することは、私達一人一人の意志 を全く無視した行為であり、また教育基本法第10条(教育は不当な支配に服するこ となく、国民全体に対し直接責任を負って行われるべきものである)の「不当な支配」 にあたることは明確で、さらに憲法第19条(思想及び良心の自由はこれを侵しては ならない)をも明らかに侵しています。これは人格を形づくる時期にある高校生活の 場において、思想の統制・画一化につながる恐れが多分にあると考えます。  よって私達所高生徒会は、この度高等学校学習指導要領を改訂した文部省の行為に 非常に大きな不満を感じるということをここに確認すると共に、今後我が校内での儀 式その他における「日の丸」掲揚及び「君が代」斉唱の強制に一切反対します。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− P:子ども達のための卒業式である。体育祭・文化祭などでは子ども達、教職員の総   意を生かしているのに、なぜ強制するのか。日の丸・君が代を実施しないことで   処罰されたことはない。 P:子どもが自分で考え、自分で行動できるよう導く教育をされてきたと思う。この   件に関しても子どもの意志を尊重して欲しい。 T:3年の学年としては、例年どおりの卒業式を行うことを決定している。 P:子どもの権利条約でも、子どもの意志を尊重する親の義務について述べられてい   るが、親の気持ちを聞くつもりがあるのか。 教頭:校長は全体の意見を開きながら判断している。 P:子ども達が始業式で強制しないでと訴えたことをどう判断されるのか。今まで何   とか対処されてきたのだから日の丸・君が代を子ども達の前に出さないで欲しい。 事務室長:校長は手続きを踏んで物事を決めている。学校の全責任は校長にある。日   の丸・君が代があっても良い卒業式はある。法律を守らなくなったら、すべての   組織は崩壊する。 P:日本で一番大事なのは憲法、次は子どもの権利条約。子ども達には思想・信条の   自由がある。他の学校にはない、子ども達が主張できる場があることは素晴らし   い。 T:所高は教員が意志表示できる学校。戦場が民主的であるためには、卒業生を大事   にしようという保護者のバック・アップが大きな力となる。 校:子どもの権利章典等意見としては大事と思っている。発達段階に応じて的確な指   導ができるように努力している。学校教育の中にいる生徒なのでそれなりの保護   と指導が必要。 P:このままだと子ども達は不幸になるだろうと今覚悟した。校長先生と子ども達の   話は平行線で終わるだろう。校長先生の決断一つで卒業式は混乱するだろう。 P:自主・自立の校風で、自分達で考え、自分達の高校生活を作っていこうという学   校だと思っていた。上からの権力みたいなもので一方的に潰さないで欲しい。日   の丸・君が代に賛成とか、反対とかを言っている訳ではない。子どもの意志を尊   重して欲しいということ。 教:県立高校で所高を含む4校以外は実施している。校長は実施せざるを得ない。 T:行政に反対できない体制は問題。こういう学校で育った卒業生はもっと広い見解   を持って、他の大きな事に自分を向けて意見を言える大人になっていくと思う。 P:高校は自分で選んで来ている。自主・自立の校風を好んで入学してきている。尊   重して欲しい。 P:このまま強引にやって卒業式が混乱したらどういうように青任を取って戴けるの   か。子ども達の訴えをこの学校の校長として、どう受け止めているのか。 校:時間の許す限り出来るだけ話し合いをして混乱ないようやります。 P:小学生や中学生ですら日の丸・君が代に対して、着席するなど自分の意志でもっ   て行動しているということがある。まして、所高の子ども達ですから混乱が予想   される。混乱のない卒業式をしようということを本当に考えていただきたい。 P:学習指導要領にのっとってということだが、今のいじめの問題を考えても、教育   の状況はどんどん悪くなってきている。学習指導要領を全く疑わなくて良いとい   うことはないと思う。 校:法律を犯しても良いと言うんですね。 P:90何%実施といっても校長の押しつけでやっている学校も多い。 T:国際化とは国旗・国歌を尊重するということではなく、正しい歴史観を持ち、自   分の考えを持つという事。これは所高の教育理念に結びつく。 T:中国国籍の子が卒業生の中にいた事があった。校長は他の国の国旗と何ら変わら   ないと言ったが、日の丸をその子の前に何のこだわりもなく揚げる事ができます   か。 P:このまま実施すれば、混乱するでしょう。 P:絶対混乱は避けて欲しい。話し合いをしっかりして、子どもたちが納得いった形   のものに作り上げて欲しい。 教:理事会の意向は校長も理解できたと思う。混乱のない卒業式を実施していきたい。   もちろん校長も同じです。その為の努力は当然やっていく。      (紙面の都合上、同じ主旨の発言は省略しました。) この2時間に渡る論議で理事会として校長先生に次の事を要望しました。 *子ども達が決議した「日の丸・君が代に常する決議文」を尊重して欲しい。 *卒業式の主役である3年生の「日の丸・君が代を強制しないで欲しい」という極意  を尊重して欲しい。 *絶対に混乱のない卒業式を保証して欲しい。

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