所高PTA新聞

第117号

所沢高校PTA広報部

1998年12月24日(木)


ところざわ

『所高PTA新聞』第117号  所沢高校PTA広報部   1996年3月7日発行

●1995年度 第3号● 所沢高校PTA広報部              所沢市久米1234番地 TEL.042-922-2185
【座談会】 所高にとって / 単位制は何だったのか ――― 先般所沢高校への「単位制導入」は白紙撤回されました。     この間の取り組みを通してどんなことを感じられましたか? 生徒A この単位制が県から持込まれた時に生徒に配られたプリントには、いい方     向にしかとれないことばが並んでいたから、生徒の方は、何だ単位制って     いいんじやないかと思ったけれどもその裏に隠されたデメリットも言って     おかないと。県の出したプリントの「いいんだよ」「いいんだよ」という     吹き込みがずるいと思いました。      父母A 県のその前の文部省で単位制に対してどんなアピールをしているのかと思     いまして、文部省の広報課に姿料を紹介してほしいと言ったら無んですね     これが。文部省自体が準備も無いところで県に下げて、県もお上の事とし     て高校に下げてくる。その手順に非常に問題があったと思いますね。      教師A 例えば今、介護保険が問題になっていますよね。検討期間にドイツは20     年かけています。日本は真似してたった2年でやろうとしています。内容     を知られたら、国民が内容を知ったら困るんじやないかしら。私思いまし     た。「単位制と同じじゃない」って。      父母A 今度の住専でも何とか政府の方で押せると思ったのに、世間がワーって騒     いで公開せざるをえない。そんなに簡単に「ハイハイ」と言わないよみた     いな。      父母B 今思い返すと2月19日の発言の中で「そういうことをしても何にもなら     ないんじやないですか」というのがありました。そうかもしれません。で     も『所高にとって単位制がどうなのか』を考えた時、たとえ九分九厘虚し     い感じでも親として貫きたいものがありくっついてきました。新聞に「単     位制そのもののイメージに傷がつくのを恐れたので所高は断念した」と出     ていましたね。イメージが悪くなるからという解決でなければもっと良かっ     たと思います。残念な一言でした。      父母C 「私達の運勤に敗けました」と言ってほしかったですよね。      父母B それは言えないわよ。      (一同笑い) 《2通の『公開質聞状』》 教師B 保護者の方にも生徒の方にも1月28日の読売の報道があるまで、我々が     黙っていたことがどうしてもひっかかる部分と、今後にも良い勉強をした     なと思います。彼らが私と松本さんのいる社会科の部屋に『公開質問状』     を2通持って来たのが強烈な印象でした。「普通こういうものぱ校長が出     すものだから1通でいいんじやないのっ」って言っても「嫌だ!」って引     かないんですから。やはり深いところで僕らに対する不信感があったこと     は事実だと思いますね。      生徒A だからやっぱり今後も生徒におろさないというか、内緒にしていることが     今でもあるかもしれない。もしかしたら…      教師B 言わなくちやいけなかったんですよね。その辺が勘違いですよね。学校に     ついての主導権を教員が持っているんだと思い込んでいる部分だと思いま     す。開かれた学校という意識が不足しているんですよね。だから生徒に言     わなくても保護者に言わなくても、教員が判断していくことなんだみたい     な。そこで新聞に先に出てパッと目が醒めたというのが実感です。      《職員・生徒の協議会》 ――― たしか所沢高校には先生方と生徒会が結んでいる協議会がありますよね。     どういう会なんでしようか? 生徒A 私達は職員会議に出れませんよね。その場で意見は言えないけれども、要     するに生従の提案したものが職員会議でつぶされた時に、教員の代表と生     徒の代表がそこでそのことについて話し合いを持つという会です。生従手     帳の69ページにあります。      教師B 13年前にできまして開会したのは最初の1回を含めて4回だけです。全     国で10校とか20校とか。      父母D すごいですね。      生徒A それを言ったら「単位制をはねのけた」のは、うちが初めてですよ。     1校ですよ。1校。 《おかしいねという声を》 父母D PTA会費の値上げのため何校かのPTAの議案書を取り奇せたんです。     その中に載っている活動報告を読んでも所高のPTAはすごいことをやっ     てるなと。懇談会を開いたり、学年保護者会での司会、広報も他校ではほ     とんど生生がやってます。そういう中でこの単位制が出てきたんですね。     何か問題がおきた時「おかしいんじやないか」という声があがって、その     おかしいという声を「どうにかしたいね」という声にしていけたこと。し     かも生徒の皆さんや先生方と一緒にね。すごいなって自画自賛してます。      生徒B でも生徒会の方はちょっとおちているような感じがします。      父母C でも私が頑張れたのは生徒会のFREEなんです。PTAより先に出され     たFREEを見て生徒がこれだけ考えている。親の私にできることは何?     何かをしなきゃと思いました。ただ、生徒の皆さんが収り組んだ『署名』     が届けられなかったことと、親の方もそうですが教育長との話し合いが実     現しなかったことが、私の中に不完全燃焼として残っています。      生徒B 僕としても一生懸命活動してきたつもりなんだけど、他のことでも一生懸     命やっているんだけど、空回りしているようでいつも不安ですよね。      父母C 生徒会同様、PTAが抱えている問題でもあるし『言っても駄目』ではな     く、とにかく声をあげ、やってみることが大切だと思います。      《所高らしさつて?》 教師C 『高校って何だろう』っていうことを考えていかないとね。      父母A この単位制のことが出た時『なぜ所沢高校なの?』って思いました。例の     校長先生の説明会で父兄のあの勢いを見た時に所高らしさというんですか、     それを大切に思っている親がすごく多いなっていうことを感じました。      生徒C 今、所高らしさっていうのを聞いていてちょっとはずかしく思ったんです     よね。(笑い)      生徒D したらやっぱり…     こんなに一生懸命やってて、撤回させて嬉しかったというのを聞いていて     も、生徒の中から全然そんなことは伝わってこないし、所高らしさって言     われるとちょっと疑問です。      生徒E 私も入学した時に「所高の生徒会本部は活動が活発ですごい」と思ったの     に、ちょっとちがうんだということに気づいて(笑い)     生徒会本部どうしようかなとちょっと悩んで、でも悩んでもしょうがない。     「やろう」と思ってやってます。      生徒D 今の所高は、所高らしさというと逆のイメージかもしれないけど、すごく     クールに見える。私は父から「自分の目の前にあることを大事にしなさい」     という教育を受けています。「大学への通り道なんだけども、そこでの高     校で何を残せるか、大事にしなさい」と。      父母D 今、小学校の時から『指示待ち人間』がつくられているんですよね。そし     て、中学校では「あの高校に行ったら今までとはちがう。中学校とはちが     う」という変な期待をもって人ってきている。それがある意味では無責任     な期待なわけね。自分で動かないとどうにもならない。      父母A 『自由』というのは自分達で自分達を律しなくちやならないわけで、それっ     てとってもかったるいことだと思うんですよ。それを訓練されていない人     達が今増えていますよね。でも今回のことは、それを守るために動いたこ     とが結果を得られてラッキーだったと思います。先生方がそういうことを     許してくれている学校って少ないと思うし、環境としてそういう場がある     んだから、そのへんを是非意識してほしいですね。      教師A 許していいものかどうか悩んでいるんですよ。(笑い)      父母C 何か一言、先生のことばがほしいなと思うことはあります。その一言によっ     て、子どもたちが今まで気づかなかったことに気づき、できなかったこと     ができるようになったり、ちがった面がでてくるんではないかと思ってき     ました。     私も単位制の委員会をやっていて、先がなかなか見えず投げ出したくなっ     た時もありました。でも、そんな中で頑張っている人がいるんです。先生     であったり、お父さんであったり、お母さんであったり、生徒会だったり     しました。応援してくれてる人がいる。その思いで委員会を続けることが     できました。      教師C 所高自体に自分の強い思いがある方が委員会としてやってたように思うで     すけど。      父母A 正直言って、もし「何、こんな学校」と思っていたら何もやらなかったで     しょうね。      父母B 私の場合、まず頭にきたのは校長先生の言動でしたね。どんどんちがうこ     とをなさるので親達の活動は盛り上がってくる。そして『高校時代』を考     えた時、単位制は所高にとって無用のものであると。      父母A 『生徒会の署名』もずいぶん集まってますよね。あれは県の教育委員会に     とっては大変なプレッシヤーだったと思うわ。      教師B こんなことは滅多にないですよ。喜べるというのは。普通は敗け。だけど     『頭にきたこと許せないこと』にきちんとした態度をとることが重要です。     彼らの活動の中でも、僕は署名をとにかく全クラス実施したということだ     けでもなかなかできないことだと思います。 《所高が好き》 教師B アンケートを集めて、それもユニークで「所高が好きか」ということに     「好きだ」と多数が答えている。生徒が自分達でペンを握って、いい加減     でも何でも生徒が署名し、討論を行い、皆んなのものに確実になっていっ     たという過程だと思う。君等の考えは総会がピークだと考えたんでしょう?     総会にむけて単位制の問題をどうしていくか。『総会にかける』と。その     途中で白紙撤回されたもんだから不完全燃焼なんでしょう?この人たちは     最初しばらく怒っていたんですよ。「冗談じゃない!子どもの椎利条約は     何も解決されていない」ってね。ところが今はね、ちょっとちがってきた     んだよね。そのへんのところを語ってみたら。      生徒B 夏休み中も、何回も何回も公民館に行き話し合いをしたりして一生懸命やっ     た。県には届いているのかいないのか、わからないけど、導入断念の発表     でいきなり切れた。     ガァーっと怒ったけど… 《クラスの声を》 生徒D もっと一人ひとりに声をかけて聞いてみた方がいいのでは?おとなしいこ     とを変えたかったら私達ももっとやつていかなくちゃって。      父母B 問題、意見を一杯もらって「これは生徒会にもっていって皆んなで話し合     います」って。それはすごく生きてくると思う。自分達の意見が通るとい     うか、関心を持って、皆んなやる気が出てくると思う。聞いたことをフォ     ローというか後押しすることが大事よね。      生徒B HR委貝会で議長をやらしてもらって思うことは、考えてはいるんだろう     けど態度として見えてこないので不安なんですね。かといって、自分から     は言ってくれないからとそれをその人に指名してよいのかなって。      生徒D 最初はかったるくても、聞いていかないと始まらないと思うし、私達がそ     のことを真剣にやれば、それは返ってくると思う。      生徒B だから、そうなんだけど。僕自身も、単位制のことでどういう総括をあげ     たらいいか、まとめて総括していさたいと思っていたけど、考えて考えて     いたけど文章がいつまでたっても出てこない。どうしようかなって。      教師B 巻き込むのにすごく遠慮があるんですよ.。      父母C 私みたいに図々しくなれるといいのにね。すごく楽になれるわよ。(笑い)      生徒C 最初は燃えるんですよね。「ああ やってやるぜ!」という感じ。     それが途中でアラッという感じになって(笑い)     ああ 疲れたと思って…      父母D 私は70年安保のちょっと前の所高生なんですけど、その頃の所高生はす     ごいんですよ。文化祭もすごく盛り上がってね。以前とはちがったとして     もあのエネルギーは信じていいと思います。所高生のエネルギーはすごい     と思います。     その一方で所高生があまり勉強をしないという話しもチラホラ出てくるん     ですね。子どもが1年の時、保護者会だよりに自らの力で掃除をしていく     ことと、勉強していくことは同じというようなことが書いてあったのね。     それは、掃除とか勉強とかに限らず自分達で所高生の生活を作っていくん     だという自覚の問題だと思うんですね。      生徒B 今、僕、結構悲観的なことを言いましたけど、やはり来年もう1回HR委     員やって、代表になろうかなあー(一同大拍手。エライエライ)      生徒C やってくれ。(笑い)      教師B お父さんやお母さんたちがお子さんに対してね、実にたくさんのことを要     求しているんですよね。掃除もピカピカにやって、生徒会もバリバリ、勉     強もバリバリやってなんてね。そんな子よその学校にだっていないですよ。     『人間関係をつくり、人のやさしい心をつくる、コミユニケーションを学     ぶ場』そいう点を大切にして成長しててほしいという願いをこめて生徒と     接しています。      生徒B 今、インターネットブームですよね。やがてそのインターネットが普及す     ることによって、学校が無くなる可能性がでてきますよね。いじめは無く     なるけど、人との交流がまったく無くなるという可能性をインターネット     は持っていることになりますよね。      父母A 実際おきているんですよ。私、外資系の企業に勤めているんですけども、     自分の職場でそれなんです。上可からの指示が電子メールで入るんです。      (一同) 一番こわいですよね。     こわ−い。嫌だ。      父母B NHKの「クローズアップ現代」で紹介されていた単位制高校は、HRが     無いから、玄関に大きいスクリーンがあって、そこに連絡事項が写し出さ     れるって言ってました。      生徒B やはりHRの時間があって先生の口から直接聞いた方がいいですよね。 《今後にむけて》 父母B もし、今回の親達のを参考にするとしたら『諦めない』ということね。そ     れにつきると思います。      教師A 希望を持つということね。『教育は希望を持つことである』とね。      生徒E 入学したての頃の自分を思い出しました。いけないなって感じました。こ     の場に来て本当に良かったと今思っています。      生徒D もうちょっと自分もしっかりやらなきやならないことがたくさんある。や     りたいことをやって、でさるだけ活発でありたい。PTAの皆さんを見て     ても活発で有りたいと思いました。      教師A 私も一言いいですか。毎日生徒さんと接してまして、失望したり希望を持っ     たりしていますけどね、今日、やっぱり素晴らしいなと思いました。      父母C 所沢高校には生徒と教職員の協議会があるとのこと、今度はそれに親が加     わった『学校協議会』がつくれたらいいなと思っています。 ――― 本日はとても素敵なお話ありがとうございました。
(Web管理者記)  さて、どうしてこんなに古い資料を、とお思いでしょうね。  理由は2つほどあります。  その1、まだ次の資料を入力していないので場つなぎです。(^^;)ゞ  その2、実はこちらが本当の理由ですが、この当時の「単位制導入白紙撤回」とい うことが、今回のことにも影響していると思うからです。  また、現在、「開かれた学校」ということが言われていますが、この座談会の中で もこのことにふれています。 -------------------------------------------------------------------------- 教師B 言わなくちやいけなかったんですよね。その辺が勘違いですよね。学校に     ついての主導権を教員が持っているんだと思い込んでいる部分だと思いま     す。開かれた学校という意識が不足しているんですよね。だから生徒に言     わなくても保護者に言わなくても、教員が判断していくことなんだみたい     な。そこで新聞に先に出てパッと目が醒めたというのが実感です。 --------------------------------------------------------------------------  このことは非常に重要な、大切なことだと思っております。  また、 -------------------------------------------------------------------------- 父母C 所沢高校には生徒と教職員の協議会があるとのこと、今度はそれに親が加     わった『学校協議会』がつくれたらいいなと思っています。 -------------------------------------------------------------------------- とあります。この当時から、このような考えがあったのですね。  この『学校協議会』と似たものが、今回の中教審答申にある『学校評議員制度』な るものかもしれません。が、似て非なるものというと言い過ぎでしょうか。  以下、中教審からの抜粋ですが、「学校評議員は、校長の推薦に基づき教育委員会 が委嘱するものとすること。」という部分が、最も疑問に思うところです。 -------------------------------------------------------------------------- 6 地域住民の学校運営への参画   学校が地域住民の信頼にこたえ、家庭や地域が連携協力して教育活動を展開する  ためには、学校を開かれたものとするとともに、学校の経営責任を明らかにするた  めの取組が必要である。このような観点から、学校の教育目標とそれに基づく具体  的教育計画、またその実施状況についての自己評価を、それぞれ、保護者や地域住  民に説明することが必要である。   また、学校・家庭・地域社会が連携協力し、相互補完しつつ一体となって子ども  の健やかな成長を図るため、各学校においては、PTA活動の活性化や学校区内の  各地域における教育懇談会の開催などにより家庭や地域との連携が図られている。  今後、より一層地域に開かれた学校づくりを推進するためには学校が保護者や地域  住民の意向を把握し、反映するとともに、その協力を得て学校運営が行われるよう  な仕組みを設けることが必要であり、このような観点から、学校外の有識者等の参  加を得て、校長が行う学校運営に関し幅広く意見を聞き、必要に応じ助言を求める  ため、地域の実情に応じて学校評議員を設けることができるよう、法令上の位置付  けも含めて検討することが必要である。   また、学校評議員には、学校運営の状況等を地域に周知することなどにより、学  校と地域の連携に資することが期待される。  具体的改善方策  (教育計画等の保護者、地域住民に対する説明)  ア 各学校においては、教育目標や教育計画等を年度当初に保護者や地域住民に説   明するとともに、その達成状況等に関する自己評価を実施し、保護者や地域住民   に説明するように努めること。また、自己評価が適切に行われるよう、その方法   等について研究を進めること。  (学校評議員の設置)  イ 学校に、設置者の定めるところにより、学校評議員を置くことができることと   すること。  ウ 学校評議員は、校長の推薦に基づき教育委員会が委嘱するものとすること。  エ 学校評議員は、校長の求めに応じて、教育活動の実施、学校と地域社会の連携   の進め方など、校長の行う学校運営に関して、意見を述べ、助言を行うものとす   ること。  (学校評議員の構成)  オ 学校評議員については、学校の種類、目的等に応じて、学校区内外の有識者、   関係機関・青少年団体等の代表者、保護者など、できる限り幅広い分野から委嘱   することが望ましいこと。  (意見交換の機会の設定等)  カ 校長は、必要に応じて、学校評議員が一堂に会して意見を述べ、助言を行い、   意見交換をする機会を設けるなど運営上の工夫を講じること。
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