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数１０万人の誰かが
　住基事務：全国３，３００の自治体
　　　　　　　　東京都練馬区の場合：住基事務担当者は約２００名
　　　　　　　　小さい町村：１～２名

　住基ネットを考える所沢市民の会 の試算では、
　　　　　　全国各地から数１０万人の誰かが、
　　　　　　あなたの住民データをのぞくことができるシステムです
　となります。

　その根拠は、
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全国3,300の自治体×住基ネット端末台数×担当職員数
　＋
（都道府県＋国の行政機関多数）×住基ネット端末台数×担当職員数
　＋
システム運用委託先社員
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　ということです。

　尚、市区町村の事務に住民票コードを利用するということになれば、市区町村の
「担当職員数」は、もっと多くなります。

　「市区町村の事務に住民票コードを利用する」ということは、ＬＡＮで接続して
利用することになりますので、セキュリティーは非常に弱くなります。各事務の職
員が「住民票コード」のデータベースにアクセスできなければ、事務の効率化は望
むべくもない、といえますが、このようなシステムでは住民の個人情報が守られる
とは、到底思えません。



自己情報コントロール権

　ところで、「総務省から中野区への回答」を読むと「国の機関等」へ本人確認情報を
提供することが記載されています。

　この文書には、「国の機関等」へ本人確認情報を提供する方法として、
［一括提供方式］と［即時提供方式］とがあり、［一括提供方式］には、
（媒体交換）と（回線接続）とがある旨、記載されています。

　そして、［即時提供方式］に関しては、
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・端末から対象者の住民票コードまたは本人確認情報の一部を検索条件に設定
　して即時で照会を実行。
・４情報による検索では複数該当者を一覧表示（最大５０件）。
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　という記載もあります。

　従って、「国の機関等」の担当者が、「住民票コードまたは本人確認情報の一部」
を検索条件に設定して即時で照会を実行するということですから、例えば、私の名前
で検索できるということです。ご丁寧に、４情報（氏名・住所・性別。生年月日）に
よる検索では複数該当者を一覧表示（最大５０件）するということです。

　「住民票コード」が分からなければ検索できない、というものではないことがわか
ります。

　この検索方法に関しては、「自治体情報政策研究所」というWebサイトの
「政府、総務省（自治省）などによる住民基本台帳ネットワークに関する説明」
の「本人確認情報の検索」をご覧下さい。

　要するに、数１０万人の人がですよ、名前だけ（かどうかは別にして）で、性別・
住所・生年月日の一覧を見ることができるのです。その中から、探すわけです。
この検索方法は「あいまい検索」というらしいです。


何が問題か

　このような検索が必要だとしても、各自治体の住民だけ検索できればいいのであっ
て、何も全国のどこの自治体からでも私の名前で検索できる必要はない、と思うので
すがどうですか。また、このような検索ツールを「国の機関等」にも提供するわけで
す。

　まったく、「住民票コード」を誰にも教えなければ、私の個人情報が知られること
はない、と思っていましたが、浅はかでした。

　これほど、プライバシーに関して、鈍感だとは思いもしなかった。

　確認する必要があるのですが、私の情報に誰がアクセスしたのかを知る方法はある
のでしょうか。多分難しいような気がしますが、「住民基本台帳事務処理要領」には、
「（１）住民基本台帳の一部の写しの閲覧」とか「（２）住民票の写し等の交付」など
の手続きが決められていて、「（２）住民票の写し等の交付」において、「③　請求者
識別カードによる請求の場合」には、「エ　交付状況の記録」として、「住民票の写し
等の交付の状況を記録しておくこことが適当である。」とあります。

　要するに、私の住民票を入手した場合には、役所に記録が残るということになって
いますが、［即時提供方式］などに記載されている検索で、私の情報を入手した場合、
誰が入手した（閲覧含む）のか、を記録にどどめてあるのか、ということです。

　これが、ログといわれるもので、これを調べれば、私の情報を誰が見たのかが、わか
るようになっているハズです。

　ハズなのですが、毎日新聞（2002-10-01）の記事によると
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■住基ネットアクセスログ開示請求、埼玉県が「不存在」通知 
　埼玉県在住の男性（44）が、県が保有している住民基本台帳ネットワーク（住基
ネット）の自己情報のアクセスログ（接続記録）を開示請求していた問題で、埼玉
県は1日までに請求された記録は「不存在」として、この男性に通知した。
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ということです。

　ということは、個人情報保護条例をつくったところで、確かめることも出来ないの
で、やりたい放題といえませんか？
　こんなことを言うと、「公務員を信用しないのか！」と言われそうですが、「信用
するとか、しない」という問題ではないと思うのですが。

　ところで、【朝日新聞ニュース】の 2002/08/18 付け記事「アクセスログ「公開を
検討」　住基ネットで総務相」によると、
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　片山虎之助総務大臣は１７日、津市で記者会見し、住民基本台帳ネットワークシス
テム（住基ネット）の接続記録（アクセスログ）をめぐり、「個人的には、自治体が
出したいというのであれば出しても良いのではないか」と話し、公開を各自治体の判
断に任せる可能性を初めて示唆した。

　総務省は、これまで住基ネットのアクセスログを公開しない方針を示していた。ロ
グが開示されれば、ネットを使った公務員の不正照会を、外部から追跡調査すること
が可能になる。
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とありますが、これが実現するとしても、「各自治体の判断に任せる」ということで、
自治体内のサーバに保管されているアクセスログのことです。

　このことも大事ですが、指定情報処理機関である財団法人地方自治情報センターの
サーバに保管されているアクセスログを開示してもらわないことには、「国の機関等」
からの不正照会は判明しないことになります。