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会報「JWの夫たち」バックナンバー
11号

巻頭エッセイ

 1998年5月、222.912人。同6月、222.532人。同7月、222.734人。さてこの人数は 何か解るだろうか?これはものみの塔が発表した奉仕報告による、伝道者数である 。この3か月を見ると、彼らの伝道者数は、ほぼ横這い状態にあることが解る。そ して、1998年度(ものみの塔は9月から新年度の起算をしている)の成長度合いは 、 これまで、高い成長指数を記録してきた日本支部としては、その伸びがやや鈍っ た印象を与える事となりそうだ。
 ところで私達「JWの夫たち」は、1996年11月に最初の会合を開いている。そし て翌年1月にこの会報の創刊準備号が発刊された。その巻頭エッセイにはこう書か れている。「すでに失われてしまった時間は還ることはなく、愛する者との絆が被 った傷はたしかに深いかのも知れない。しかし何時の日も、喪失の後に来るものは 恢復ではなかったろうか。集いたまえ、仲間たちよ。自ら恢復へ向かう志を持って 。」それから2年が過ぎ、この間私達は、4名の近親者奪還成功者を会から得ること が出来、また周辺から2名の成功者を得た。この数字を多いとみるか、少ないとみ るかは難しいところであるが、1996年当初この会に集った人数がわずか10名強で あったことを考えると、ささやかな希望の光が感じられる数字だと言ってもいいの ではなかろうか。
 カルトは、人間の精神の闇を見つけることには素早く、そして見つけるやいなや 実に巧妙かつ強力に闇を支配する。人間が自らをも対象として、自己意識の中で世 界を把握しようとする限り、精神の中に横たわる闇の領域は消え去ることはなく、 また時はまさしく世紀末、闇の深さは濃くなっていく。しかしながら私達は、闇の 領域に目を背けることなく、それでありながらも、光を求め続けて生きて行かねば ならない。
 22万人の伝道者プラス研究者が仮に同数いるとするなら、その数は40万人に達 する。40万人に対して4人。これはほとんど黙殺しても良いような微々たる数字 だ。しかし私達はここに希望の光が差し込む窓を見つけたのだ。たった1人で、救 出への手がかりもないままで考えあぐねていたときには、その先には家族の解体し か見えていなかった。しかしカルトの本質を学ぶことによって、確実にこの世界に 光は差し込んできたのである。
 聖書の中にもカラシ種の例えがある。「…どんな種 よりも小さいのですが、成長すると、どの野菜よりも大きくなり、空の鳥が来て、 その枝に巣を作るほどの木になります。」マタイ書13:32。イエスは、天の御国に 関して、福音書の中でこういっている。
 JWの夫たちに訪れた”福音”あるいは”良い便り”は例えカラシ種のように小 さいものであろうとも、光を運び、そして何時の日か必ず大きな木になるだろう。 その日のために、屈することなく、恢復の志を持って闘い続けていこうではないか 。◆
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