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『 山梨学院大闘争の記録 』

1、山梨学院大学全学闘争委員会機関誌『 廃虚と化せ! 』1970年1月臨時号より抜粋

 発行・山梨学院大学全学闘争委員会出版局

 編著(文責)・長船青治

2、新日本文学 甲府読者会同人誌「 1970 」第5号(1969年秋季号)から

 「 山梨学院大学学生自治会発足とは何であったのか 」作・長船青治

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◎ 目次

資料1、『 学長から保護者各位宛て 』

資料2、『 副学長から長船青治の保護者宛て 』

資料3、『 山梨学院大学学生自治会発足とは何であったのか 』

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資料1、『 学長から保護者各位宛て 』

保護者各位

暑中お伺い申上げます。

1、今、山梨学院大学は学生運動がはげしくなって混乱しています。私は大学の船頭役として保護者に申訳なく遺憾の意 を表します。

1、学生運動の経過と大要をご報告いたします。

  (1) 5月29日(木)午前1時半頃、本学々生20名と外部指導者若干名によって本大学に乱入事件がありました。この暴力団は正門

を鎖で閉鎖しA警備員を縛り、 猿ぐつわをはめ、付属幼稚園のスクールバスを転倒して破損し、大学の窓ガラスを破損し、学長銅像は

じめいたるところに赤黒のペンキで落書きをして逃走しま した。

  (2) この犯人が本学々生であることを知って学長秘書R・B職員と応援団長C君外1名は犯人捜査に向い、後に犯人として逮捕された

某との間になぐりあいが行われ ました。

  (3) 大学は犯人が学生であることを知らずに、5月29日朝、被害届と告訴状を甲府警察署に提出しました。間もなく6名の逮捕者と

14名の自首者が現われまし た。

  (4) 一部過激学生は、R・B職員と乱入事件とを相済みにさせようと謀りました。

  (5) 大学は刑事処分によって学生を前科者となることを怖れて告訴の取下げを行って刑の減刑を図りました。尚、犯人の保護者12名

と話しあって、軽い学生処分の 諒承を得ました。

  (6) 然るに過激学生は、之を不満として、休学の届出を保護者より取り上げ、処分の白紙撤回と学長退陣を叫んで学生運動を悪化せ

しめたのであります。

1、其の後、過激学生は、デモを行い、学長室前に座り込み無期限ストを決め、本館にバリケードを築き、各大学・部、 課、係の書類監

視に及んでいます。

1、一方、平静に学業に励む山梨学院短期大学々生に呼びかけ、学生騒動に引き入れようとしています。

1、止むを得ず、本年度は社会教育主事講習や教職課程講習等を取り止め、7月1日(火)より夏季休業の告示を出すに 至ったのであります。

  本学の学生運動の経過と詳細は貴殿ご保証のお子様に尋ねられ、実情をご承知願います。

1、一方過激学生は、大学のあらゆる問題を発表し、学長の退陣を迫っています。学長も人間であります。過ちは改める より外ありません。

  学長が司直の手によって処罰せらる々迄は違法行為と非難することは許されません。一般職員が叛いて学長を非難し たのであって学長は

退陣する必要はありません。私は創業25年、山梨学院大学と山梨学院短期大学の創立者として経営に当たって参りました。人間として非も

あり、過ちもあったでしょうが、刑罰を受ける犯罪を犯した覚えはありません。

1、卒業生の活躍を期待し、在学生の幸福を学長は誰よりも最も強く祈っています。卒業学年の学生を就職させる義務が あるのは学長であり

ます。

1、私立大学は公共性と共に自主性を有します。創立者や中心人物や建学精神を否定することは私立大学の教育方針に反 するものであります。

1、現在、時代の潮流のごとき学生運動の実情をお調べください。学生運動によって損害を受ける、二つの大きな被害者 があります。

  (1) 一つは、大学です。大学はその信用と名誉を失うのであります。これは長い期間を経なければ回復できません。

  (2) 他の一つは、学生自身です。学生は卒業が延期となり、進級は遅れます。更に免許状や免許証や資格を取得しにくくなり、就職は騒動

を恐れて先方が見合わせ、 採用は困難となります。尚、学生騒動が続けば大学は休校するより外ありません。

1、ご縁があって、本学を選び入学せられた学生のご父兄の皆様、いま直ぐ、不良教員や過激学生の策謀から離れて大学 の指示に従い、学業に

励んで頂かなければ学生自身が大きな被害を受けることになります。学長の退陣を求めても、私が理事長・学長であることを承知で入学せ

られたのです。学長の退陣を求める学生は本大学を去って頂きたいのであります。

1、大学には他の大学に転学や編入のことは殆どあり得ないのであります。

1、他面、大学の学則に基いて本大学々生の本分に悖る行動を行った学生は教授会の決議と理事会に諮って懲戒しなけれ ばなりません。

保護者各位におかせられては、本年度夏季休暇中、各学生とご懇談の上、過激学生の誘惑に負け学生運動に走らぬよう重ねてご警告申上げます。 

大学に進まれた目的を果たすようお願いいたします。

不儘敬上

山学大教発・号外

昭和44年6月30日

山梨学院大学長・山梨学院短期大学長  古屋真一  

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資料2、『 副学長から長船青治の保護者宛て 』

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合掌

本学に於きましては、去る5月29日乱入事件があり、そのまま学園紛争が続いて居りましたが、遂に10月22日角棒 火炎ビン等を用いて本館に

乱入という事態が生じ、御子息「長船青治君」がその際の15人の中へ加わってしまわれました。その後の御子息の消息につき、でき るだけ情報

を得ようと思って居りますが、遺憾ながら接見禁止のため本人と会うことができない状況でございます。御両親の御心痛如何ばかりかと存じ、

こうい う事態にまで至ったことに、私共も自責の念を禁じ得ないわけでございます。今後大学でもできるだけのことをしたいと思って居りますが、

御両親におかれまし ても何か学校へ御連絡下されば、お役に立ちたいと存じます。右、お詫び申し上げ、御連絡致します。

昭和44年10月31日

山梨学院短期大学教授・古屋喜代子

 

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資料3、『 山梨学院大学学生自治会発足とは何であったのか 』

-1969年5月の記録-

甲府文学会・同人誌「 1970 」第5号に発表したもの

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( その一 )

昭和44年6月20日、大学当局( つまり古屋真一学長 )との連絡機関でしかなかった学生委員会へクラス代表委員 として認めてもらうには

困難であった名ばかりの選出委員に我が法・四の有志たちがおどり出て、1200余名の学部生と900余名の短大生と250余名の二 部学生の

驚異と困惑の目を背に、大学当局代表者と連日連夜の会談を繰り返し、当局の内規違反であると言う( 大学が創設されて以来初めての )全学集

会を 6回に渡って敢行して来たことの発展的解消としてその日、当局の認めざる学生自治会が発足したのである。( たしか、5回目で我々四年

生は、話し合った結 果、一度、長老ブロックに身を引き、三年生のNを初代委員長に推薦したのだった。)その第一回学生総会で執行部役員たちが

就任の挨拶に「 闘争勝利の日ま でがんばります。 」と情熱的に話したのは、あたかも情熱的な喚声と拍手の轟音を信じきったかの如くさわやか

であったが、何も革命闘争を意識してのことで はなかったのだ。( それは、すぐに露呈した。)学生の中には「 いよいよゲバヘルか 」と意気

盛んに思えた連中も、また、吐き捨てるように思った連中も 同時にいたであろう。ゲバヘルの格好良さはさて置いて、当時の自治会にとって闘争と

は、5月29日未明に22名の学生がゲバヘル姿で学内に入り守衛を縛 り、ペンキで「 学園民主化 」「 学長退陣 」「 自治会設立 」

「 安保粉砕 」等とキャンパスのそこかしこに書いて逃走し後日、全員逮捕されたマス コミが言う”乱入事件”( 僕たちはこれを問題提起といっ

た )に対する処分者を出さないことと、同日午後二時頃発生した大学当局独自の調査であると後に なって弁明した学長秘書らが一部学生に対し暴

行を加えた事件についての背後事実の究明暴露にあった。だが、問題提起とは何か。実際問題として家庭の事情と か一身上の都合とかいうところの

閉鎖的問題として個人的自分の尻に火のつかぬ限り山梨学院大学・ナショナリズムにとっては、この二つのお仕着せの問題を、 それから続出する

一連の悲喜劇をいかに学生自治会の責任の名のもとに葬りさるかが問題だったのではあるまいか。そして、自分の責任とは、昔から模倣され続 けて

来た習慣とか道徳とか良心とかいったものに今後も自分を捧げ続けてうまくそれらに取り入ることが出来れば言うことは無く、要するに目の前の目標

は無事 に卒業することなのだろう。やはり、問題は大多数の学生にとっては他人事でしかないのだ。たしかに、学生自治会は少数の暴れん坊グループ

によって強引に創 られたのだから。学生自治会・規約原案によるその目的は、たしかに学長告示にあるようにたなぼた式のものであったが良いものな

ら模倣でもかまわないと思 う。ただ、盗用呼ばわりされた学生自治会執行部とそのブレーンが、その雄弁とうやむやな論理を発揮して学生自治会の何

たるかを、また目的の何たるかを反論 しなかったのは残念でならない。その日学長は告示した。「 創立23周年をむかえ、成人した山梨学院大学が

最初の学生の自治組織を発足させるにあたって学 生の独自の本学に対する理解と認識を強く期待したい。」ところが、第一回学生総会でいきなり、

スト権確立を仮議決したところ、すかさず学長は、23日付け で「 およそ誕生というものは絶対的個性と特色とが必要である。

創立23周年をむかえ成人した山梨学院大学が最初の学生の自治組織を発足するにあたって学 生の独自の本学に対する理解と認識とを強く期待した。

にもかかわらず、自治組織の生命ともいうべき会則が一部国立大学( 山梨大学 )の自治会会則の完全 な盗用であった事実を知り、大いなる失望と

怒りを禁じえない。かかる会則にもとずいた今回の大学の存続を否定するような仮議決事項にいたっては学生総会の 承認に名をかりた一部学生の暴挙

にほかならない。」と告示を出している。知らない人のために付記するが、これは代表者会談では大学当局側が学生自治会の設 立を認めないと言って

置きながら表向きはこの通り不満を並べながらもなんだか僕には認めているように見えます。ただ、残念かな第一期学生自治会・執行部の 保守性は早

くもこの頃より露呈し始めていた。第一回学生総会での十項目要求は、24日の臨時学生総会で5項目に減っている。しかも、同日のスト権確立要求

のスローガンとして尚も3項目に絞ったのは誰あろう執行部と( 仮に分裂した長老たちとでも呼んで置こう我々四年生の )議長団による巧みな誘

導以外に僕 には見当たらないのである。僕には何故要求項目を削減するのか理解できない。そして、次の学長答弁のナンセンス !!

<Q> 学生自治会執行部「 今回の退学処分に関しては重過ぎる。第2体育館建設の前に図書館や学生会館の充実を要請すると同時に学部の充実を図

るよう。また、大 学立法に関する大学当局の意思表明を求めます。 」

<A> 学長

「 ( 5・29乱入事件の )処分に関しては、学生の将来のためを思い履歴に実害がないようにした。設備について は資金の関係上第2体育館が

一番楽である。卒業生と教授会の意見を尊重し大学院と学部の充実は平行して行う。大学立法については憲法で思想の自由が保障さ れていますので

( なんじゃこれは?)大学としては見解は何もありません。 」

<Q> 学生自治会執行部

「 ただいまの学長先生( 当大学の職員たちが、学長のことを学長先生と呼ぶので学生たちもまたそう呼ぶ習慣があっ た。 )の説明は不充分だと

思います。また、大学当局は、6月22日の( 5・29乱入事件の )処分は学生代表者( 未公認の学生自治会準備委員会のこ と )と話し合っ

て決定すると言いながら秘密裏に父兄を呼び出し、退学・休学勧告をしている。またその席で学生自治会を認めていないと言った件と学長秘書 の暴力

事件の処分について答弁を求めます。 」

<A> 学長

「 学則には、( 学生自治会でなく )学生委員会が銘記されているので現在では答弁できない。学長秘書については 教授会に図って処分を発表

する。 」

( 学長は一方的に退場する。 )

( 以上-第2回臨時学生総会・議事録より- )

学長の答弁は、確かにナンセンスであった。しかし、おかしいようだが、学長の主張、否、根性はあれで通っているので はないだろうか?何故なら、

学生自治会の”五項目要求”とは、今日までの封建的・古屋学長の大学における古屋一家の家族自治内で解決のつく問題ばかりなの である。

学長と付き添いの教授たちの一方的退場を平然と見送る執行部と、それを唖然と見送るぼくたちに”学闘委”( 5・29の問題提起の学生たち )が

憤慨するのは、もっともである。

第一回・学生総会は、定足数( 全学生の三分の一 )に満たなかったが、出席学生の声はなぜか緊張と好奇心に震えて いた。

大学当局への要求事項が次々と発言されて行く中で、大学自体の存立に関わるような本質的なものは全部である。そして、削除された要求項目たちこ

そ大 学を解体せよ !!という全学闘争委員会のスローガンにすぐに結実したのだった。

しかし、この時、英雄的だった’69年度の学部・学生委員会から事務の引き継ぎも十分でなかった新生・学生自治会執 行部はこの重要な時に目先し

か見ていなかった。削られた要求項目とは、はたして抹殺されたかの如く人々の脳裏に忘れ去られようとしていた。まさにその時、 6月25日、朝日

新聞・全国版に「 もぐり夜間部 」が発覚したのである。とまれ、不認可二部問題とは、学生自治会の問題ではなかった。

なぜなら、否、本 質的にそれが反面教師として学長の処世の巧みさを見せることであり、日頃、学長自身が、国際法の講義で時々、話しては僕たちを

笑わせたところの、「 君たち、お金を儲けたければ貿易をやりなさい。しかし、もっと儲けたければ大学( 経営 )をやりなさい。 」という話

を思い出す。

体制内でいかに法の網の目をうまくすり抜けなければ、そして旺盛な私有財産欲が、いかに他人を食い物にしなければ金 持ちになれないかという人間

社会の不条理に気がつくはずである。しかし、不認可二部( 夜間部 )問題は学生自治会の問題にならなかった。

執行部はどうし て良いのかわからなかったのかもしれない。ただ、その夜から、無闇に学長の不正の責任追及が始まった。不認可二部( 夜間部 )

問題の発覚が、それまで学 生自治が愁眉の問題であり存在自体に驚くべき意味があった学生自治会執行部のそれ以来のスローガンは見るも無残なあい

まいなものになっていった。

「 ワンマン学長は退陣せよ !! 」「 理事長として残っても構わない。 」「 妻の古屋喜代子副学長は退陣せよ  !! 」「 長男の古屋忠彦氏の

法人部長と教務課長を分離せよ !! 」「 労働法の講義を設けよ !! 」

( なんじゃこれは。)

これが、新生・学生自治会執行部の言うところの大学改革であるらしい。それが、大学当局の弁明する人手不足などとい うものでないことは、学内行

政が如実に物語っていた。老齢な教授たちが古屋忠彦講師にペコペコするのは、次期学長を想定してのことなのか?私立大学の経営 者は世襲なのか?

これは愚問なのか?付属・短期大学の教務主任の長女・三神敬子女史とのキャンパス内での兄弟喧嘩などを見つける時、週刊新潮・7月号に名 うたれ

た「 地上最低の大学 」に入学した自分らがみじめになる。講義が終わると、職員以外、誰も学生はいなくなるキャンパスに僕たちは入学したのだ。

僕 たちは、そういう大学側の自治から逃避しようとして麻痺していったのだ。にもかかわらず、あの英雄的な最後の学生委員会が推薦したはずの学生

自治会・執行 部はその時、なぜ反逆をためらったのだろうか?十項目全面要求を望むものに、それがどれだけの苛立ちと不信感を抱かせたか、彼らは

知る由もない。それが、 執行部の政治的手腕とも思わない。ただ、少しばかり彼らが余計な気使いをしていたような、何か奇妙な偏見から来る下劣で

はないが愚かしいものに囚われれて いたような気がしてならない。それは、( 長老部の多数派工作で )全学集会の選挙で選ばれた第一期学生自治

会・委員長Nの壇上での発言からうかがい知る ことができる。

「 我々の闘争は、政治に介入しないし、政治的でない。 」「 学長の退陣要求は、まだ早過ぎる。 」「 学長の退 陣は、段階的には正しい。 」

( なんじゃこれは。)

学長との確約書や教授会との確約書が段階的に破棄されても、執行部もいうところの意識の低い一般学生の三分の二以上 の支持があって初めてそれらが

正しくなるという意味なのか?ここは、あのゲスでクズでカスの卑怯者でおおうそつきで税金泥棒たちの圧政と暴力と利権の巣窟 である国会議員のいる

国会議事堂などではない。奴らのように大衆の意識教化のためにする政治的手腕だとも思えない。しかし、毎晩のミーテイングに煙草を吸 わせぬ規則な

どもつ学生自治会執行部が他にあるだろうか?夜中に学長室のビールや洋酒を100本くらい飲んでしまった僕たち<はねあがり分子>・全闘委の 数名

を詰問したあげく、良心的な執行部の一部役員が自治会の公費で僕たちが書き出したビールと洋酒の内訳通り買って来て、100本を学長室にまた忍び

こん でこっそりと元に戻したという世にもめずらしい事件もあったが、まったく良心なんてものは大袈裟なものである。初めてのタテカン作りとか人生

で最もいそが しい一ヶ月が過ぎて、6月27日の本館一部封鎖に至っては、皆一様にぼんやりともしかしたら学長は退陣するのかも知れないと思はせる

に十分な雰囲気が学内 に立ち込めていた。しかし、何によって学長が退陣するのかを本当に深く考えた者は誰もいないのではあるまいか。否、急遽、

「 社会的責任の名の下に学長退 陣すべし 」というスローガンを作った自治会執行部の闘争とは”社会的責任”に、それは司法権力や甲府警察署刑事た

ちや、あるいは、新聞記者たちだったり するのだが、それらにただ闇雲に引きずられ、一喜一憂しているだけであった。ここに議長団( 4年生の長老

ブロックと仮に名付けるが、学生総会で立候補し 選出された者だったが、あらかじめ前夜には内定していた4名のことを指す。何故、議長が4名だった

のだろう??? )の存在が大衆操作という点で一役買う のであるが、そんなことより、同日、スト実行委員長になった”法4”の渡辺政幸君( 新聞部 )

の意見を聞いて見よう。

▽ 筆者 ・ 「 6月23日の臨時学生総会でスト権が仮議決され、”スト実委”は学内デモの先陣を切ったのである が、なぜ、2回か3回だけしか小

規模なデモで騒いで胡散霧消してしまったのか?また本館の一部封鎖決議を実行に移す時の形態で自治会執行部と意見が食い 違っていたようだが、なぜ

折れたのか?また”商4”の議長たちはその時何を言ってきたのか? 」

○渡辺・「 スト実委が解散されたのなら良いのだが、解散していないらしい。 」

▽ 筆者 ・ 「 何を言っているのだ。お前の責任だぞ。本館一部封鎖中に”スト実委”内でなにを揉めていたのだ?  

○ 渡辺 ・ 「 俺は、学生総会で各クラスから役員を選出してくれるよう求めたのだが、議事進行で誰でもいいじゃ ないかなんて決まって、それで

役員会を開いたら、( 商・4 )の学生が三分の二を占めていた。それで、こちらでいろいろ言っても多数決というか大多数が 自治会執行部の全てに

従うなんて言うし、要するに、”スト実委”というものが自治会執行部の下にあるものだと皆んな思っていたのだろう。」

▽ 筆者 ・ 「 スマン、スマン、何も知らなくて怒って悪かったよ。しかし、バリケードを築いたのは、スト実委と 一般学生だろう?」

○ 渡辺 ・ 「 あんなもの( 椅子と机の組み方を言う )、バリケードなんかじゃない。 」そもそも、議長団の 発言が微妙であった。

僕は、議長次第で何かがなんとかなるなんて思わないし、大衆操作なんてすべきじゃないと思う。そういう擬制的な戦術を行使するなら、 すべての

学生が議長になったっておかしくない。どうせ直接候補制じゃないか。壇上でマイクの取り合いをやれば良い。その狂乱の姿だけが真実なのだから。

議長団は学生総会ごとに選出することになっていたらしいが、「 誰でもいい 」とか「 続けてやれえ 」とか「 俺がやるう 」とかいう野次を

尊重して、結 局、ある程度人望もあって口のたつ奴が数人壇上に居座ることになった。以下は、同日の議事録の一部である。

▽ 学生A ・ 「 学校は、学生を騙すことばかり考えている。昨日、財務部の書類を移管した件について執行部はど う考えるか?証拠書類を守る

ためにも全学封鎖を提案する。」

○ 執行部 ・ 「 書類を守るためにも本館封鎖は、止むを得ない。」( ここで注意してもらいたいのは、学生A が、「 全学封鎖 」と言った

のに対して壇上の執行部は、それを「 本館封鎖 」にすりかえて答弁していることである。これは最初から下の採決を予定した 汚い誘導的な答弁で

あることだ。 )

▽ 学生B ・ 「 しかし、封鎖して成功した大学があるのか? 」

○ 執行部 ・ 「 封鎖を大げさに考えないでもらいたい。 」

▽ 学生C ・ 「 封鎖は、止むを得ない。この封鎖は、文部省側からはっきりした回答が出るまで続ける。

ここで封鎖するか否かを決する必要がある。 」

( 挙手採択 !! )封鎖が、賛成多数で可決する。

□ 議長団 ・ 封鎖の範囲について、本館封鎖と教務部および財務部の封鎖と全学部の封鎖の何れにするか? 」

▽ 執行部・「 学生福祉部と庶務課は、監視のみにして、本館封鎖を提案する。 」

□ 議長団・「 封鎖が、プラスかマイナスかを考え、本館封鎖の物理的封鎖を希望する。 」

▽ 執行部・「 本館封鎖は、財務部と教務部の封鎖という形で、それ以上は、二部および短大とも話し合った上 で・・・。 」

( 再び、挙手採択 !! )財務部と教務部の封鎖を賛成多数で可決する。

( 学生自治会規約では、重要事項は、”挙手”でなく”投票”で採択となっていたのに・・・。)

その日の夕刻、大学当局は、管理権を持ち出し機動隊を要請したのであるが、自治会執行部は何を勘違いしたのか、気が 動転して困っているのはよく

分かったのだが、なにも甲府警察署・防犯課々長の立会いの下で本館の鍵を大学当局に返してしまうことはなかったのではあるまい か?当然、それで

機動隊は帰ることになったが、同時に「 本館の一部封鎖 」は解除となり、執行部と有志の一般学生は、財務部の監視を続けることになっ た。

その夜から、本館五階の自治会室と正面玄関ロビーに50人余りの学生が泊まりこみを始めたが、7月に入って泊まりこみ学生は減る一方であった。

否、減 るのは当然であろう。六月とは言え、コンクリートの上で寝ては身体を壊すばかりである。だが、彼等は確かに何かを待っていた。

学長や古屋一家による、「  5・29乱入事件 」学生の郷里の父兄への退学勧告や、狭いキャンパス内の私服刑事や、守衛室にたむろする特別警備

員として突如雇い入れられた住吉会系暴 力団による学生証のチェックや、彼等は、待つことに飽きるということをまるで知らないもののようであった。

何かが、起こるのもまた、何かを起こさせまいと するのもまたこの傍観者たちだけには、無縁ではなかった。

( その二 )

彼等は、言う。「 大学占拠の思想とは、全学連の活動家の思想である。我々の言う闘争とは、学院大学闘争方式という 合法的闘争である。 」そして、

彼等の具体的行動とは、( 学長兼理事長、古屋真一 )のウミを、嘘と虚飾を、その聖職者としてあるまじき背信の背徳のい かにも巧妙で、いかにも

幼稚な犯罪事件たちを全て究明し、マスコミを使って告発し、理事たちを自己批判させ、教授たちを自己批判させ、過激学生たちを説得 し、街頭へ出て、

「 甲府市民のみなさま、どうかよろしくご支援のほどを 」と拡声器で叫び、甲府警察署防犯課長の立ち会いの下で、大学当局代表者と話 し、学長に

カネで雇われた数名の住吉会系暴力団員と馴れ合い話しをし、全校生徒の父兄たちには、学長の悪口でいっぱいのアジビラを封筒に入れ切手を貼ってポス

トに入れることであった。( ごくろうさん。 )「 われわれの闘争は、政治闘争ではない。われわれは、学長の退陣と学園の民主化を闘争の目的とし

て いるのだ。あなたがたの気持ちも分かるが、それは、学園が民主化されてからの自由であって、いま、そういうことをされては、困る。 」

冗談じゃあないよ、暗黒のキャンパスの奇跡ではなかったのか。おまえらは、せっかく怒号の全学集会から誕生したはず の学生自治会のくせに、いつの間

に君たち執行部の言うところの「 学則改正 」だの「 学長退陣 」だの「 処分撤回 」だのという改良闘争が、はたして あたかも法律が強制的に

社会の安寧秩序を守り、平和と進歩を約束するかのように、大学の真の民主化を招くのであろうか?ナンセンス!!

おれたちの民主化とは何か?おれたちの大学における自治とはなにか?それは、人間天皇の祖先が、はるか昔に作って私 物化したあの大日本帝国大学の

何番目かの学長の矢内原さんが、えらそうに「 大学について 」などと次のようにほざくようなものではない。

「 学問におけ る非合法の活動を学生自身の力で制止するとか、あるいは、その目的のために学校に協力するとか、そういう責任感をともなわないならば、

学生の自治は、か えって大学の自治を危殆に陥れるおそれがあろう。

( 唐突だが、このくだりをタイピングしていて、外務省の何とか室長の何とかいう野郎の機密費がどうしたとかいうの を何故か思い出す。

たぶん、矢内原の思考回路が、その機密費にどこかで繋がっているのだろう。 )

大学は、外部の政治的権力に対して、大学の自由を守るとともに、学内管理の責任をもつ、そのように、学生は学校当局 に対して自治を要求するとともに、

学生秩序の維持について自ら責任を持たねばならない。 」ナンセンス!ナンセンス!ナンセンス!また、何番目かの学長に はなったが決して私物化など

できない、なぜなら、人間天皇の国家のイヌに過ぎないところの学長の田中耕太郎さんが、次のように言うものでも更ないのだが、

「 大学の自治とは、大家族のようなものであり、大学と言う家族内おいては、総長・学部長・教授および助教授の相互 関係は、行政官庁における上級官

吏と下級官吏の関係とは違っている、( こいつ、馬鹿か? )そこには、師弟の関係や、先輩後輩の関係が基本をなしている のであり、権力服従の関係

が主となっているものではない。 」こんな懐古趣味的な本が、いまどき、人文科学特選図書の青帯に巻かれて本屋に並んでいる。

彼 らは、東大の雇われ学長だから、エライのかい?彼らのような既成の知識階級の独占的自治を打破しようとして、大学が、学問・思想の自由を擁護し、

文化発展 のために貢献しうるものでありながら、「 学問の政治的中立の名において、体制に対する批判者たることを止めたばかりか、大学に現れた現

代社会の矛盾をす るどく指摘し批判する学生を教育の名において弾圧して来たのである。 」( 東大全共闘代表・山本義隆著「 知性の反乱 」より )

こんな奴らの化けの皮を剥いで、いわゆる、中国共産党の紅衛兵がやった下級労働者にするのを人民裁判というのだろう か?日大闘争の場合、最初の相手

は、学長のフルタだった。私立大学の場合、明らかに、学長が大学の経営者である。しかし、もっと、明らかなのに、顔を見せ ない文部省のやつらが後ろ

で糸を引いていやがる。坂田文相が、甲府に来た時に俺たちは私服刑事たちに制止されたが、彼の1メートル以内まで接近したんだ ぜ。別に何をしようと

いう訳じゃあなかったけどね、そりゃあ、もう・・・。学生自治会執行部は、七月下旬に革共同・中核派全学連からの正式な文書による入 会の呼びかけを

辞退した。それが、排他的ナショナリズムとは思わない。それで、学園紛争が大学闘争になれなかったという風にも思わない。ただ、学生自治会 の内部

機関として、ことの発端を作り出した数人の正義感だけで押しまくって来た、学生自治会の産みの親ともいうべき全学部学生委員会が中心となって、

5・ 29事実究明対策協議会が活動を続行した。だが、古屋学長の私物化された大学の子どもだましのような犯罪事実の暴露究明に躍起になって行くの

だが、それ は、県警・捜査二課が、顔負けするくらいと言っていた通り、調子いい後輩たち、学生自治会執行部のただの犬に過ぎなかったような気がする。

矢継ぎ早に出し た学長のウミを、それを、彼らは決して日本帝国主義のウミだとは言わない。

「 日本国帝国主義のの精神は、日の丸の旗が象徴しているように公明正大やましいところはひとつもない。」と執行部 役員の一人は言うが、( こう

いう奴は、たぶん世界中何処の自治会の首脳部にもでかい顔して活動家然としてあっけらかんと存在しているのである。僕は、い つもこんな場面では少

し悲しい眼をして微笑むけれどね、)彼はそれが、日本精神と言う美名のもとに如何に多くの人間を非人間化して来たかということを承知 のうえで言っ

ているのだろうか?しかも、この日本精神とやらは当大学の建学精神なのであるから彼の言っていることと、やっていることとが、ますます分から なく

なる。

( お前が、スパイでないことは今まで一緒に闘争してきた仲間として認めるが、それじゃあ、あまりに、つじつまが合わないのじゃあないのかい?  )

彼ら学生自治会のやっていることは、風車に向かって突進するドンキホーテに似ていると最初、僕は思っていたが、どう も甘かったようだ。

風車は、学長だったのかも知れない。だが、風車は、実は彼ら学生自治会自身だったのだと気付くのに僕らには さして時間を必要としな かった。

「 羽仁五郎は、共産党だ。先輩、我々の闘争の邪魔をしないでくれ、 」こう言って、山梨県民会館での「 都市の論 理 」著者、羽仁五郎氏の講演会

ポスターを剥がした学生自治会委員長のNが言った。「 古屋学長は悪い。しかし、我々は、共犯者意識から脱却し、自己否定 も済んだからこそこうして

闘っているのだ。 」と。この反論に唖然としたミーテイング以後の彼ら執行部の会議の内容は、もう僕らには分からない。彼らの会 議は、今もまだ続て

いるのか?

( 了 )

 

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