私たちは抑圧者になったのである。
今は、立ち上がって「もうたくさんだ!」
と宣言するその時である。
イスラエルの軍務拒否者の声(1)
予備役少尉 Ishai Sagi
 イスラエルの軍務拒否署名者の中には自らのアピールを載せている人々がいます。
その中に英文でメッセージを書いている人がいました。順次翻訳して掲載して行く予定です。
 私たちはこれらの真に勇気ある軍務拒否者の声を翻訳して紹介することが今、特別に大事であると考えています。

■今、パレスチナ攻撃を続けているイスラエル国内で、パレスチナ人支配と抑圧に反対する平和運動が巻き起こり始めていること。イスラエル国内でシャロンの政策に対する懐疑や動揺が生まれ始めていること。

■国際的な反戦・平和、イスラエルのパレスチナ植民地支配反対の声で、シャロンに圧力をかけることが非常に重要になっています。

■米の巨大メディアが配信する、そしてそれに頼る西側諸国のメディアは全て、パレスチナ人による「テロ」とイスラエルによる報復攻撃、という構図をとり、イスラエルによるパレスチナ侵略・支配・抑圧の事実を隠し、イスラエルによるパレスチナ攻撃を正当化していること。

■そのような中で、パレスチナ人支配と抑圧の最前線にたち、全てを見て体験している兵士自身が、「占領地はイスラエル領土ではない」として、「占領と抑圧の任務」を拒否したのです。

腐りきったジャーナリズムにはない真実の言葉がここにはあります。
●マーク・トゥエインの「不思議な少年」よりの引用で始まっています。 少し長くなりますが、紹介します。    

The Mysterious Stranger

不思議な少年

これまでに戦争屋たちが起こすもの――戦争――で、正義のもの、名誉に値するものであったものは一つもない。私は百万年先を見通せるが、このことはちょっとやそっとの数の戦争においても決して変わることはないだろう。

騒々しい偏狭な少数の人間が、<いつものように>戦争を求めて叫ぶ。聖職者は、<最初は><用心深く、警戒して>反対する。大きくて動きの鈍い国民は眠い目をこすって、なぜ戦争が必要なのかを理解しようとする。そして生真面目に怒って「この戦争は不正義で不名誉なものだ、戦争をする必要なんてなにも無い」と言う。そうするとその少数の人間たちはさらに騒々しく叫ぶ。もう一方の側に立つ少数の正当な人々は演説とペンによって戦争に異議を申し立てる、それは、最初は聴衆を得ることができ、喝采を受ける。しかし、それは長くは続かない。戦争を支持する連中が戦争反対の声をかき消し、やがて戦争反対の聴衆は少くなっていき、国民の支持を失う。

やがて不思議な事態を見ることになる。壇上から石を投げつけられる発言者たち、そして心の奥底ではいまだに石を投げつけられる発言者たちに共感していながら、<以前のように>それを言う勇気のない激昂した群衆によって絞め殺される、言論の自由である。そして今や国民全体<聖職者その他>がおたけびを上げ、声をからして大声で叫び、勇気を出して声を上げようとする誠実な人はだれにでも大群になって襲う。やがてはその誠実な声もやんでしまうのである。ついで政治家は安っぽいうそをでっち上げて、排撃されている国民に責任を押しつける。すべての人々はそうした良心を和らげるそうしたうそを喜んで受け入れ、また勤勉にそれらのうそに学んで、それらのうそに対するいかなる反論も真面目に検討することを拒否する。このようにして、彼はやがてその戦争が正義であることを悟り、彼がこの異様な自己欺瞞の過程の後に享受する、よりやすらかな眠りを神に対して感謝する。

Twain, Mark, 1835-1910 . The Mysterious Stranger (published 1916)

マーク・トゥエイン(1835-1910)『不思議な少年』(1916年発行)

この話では私たちはどの段階にいるのだろうか?私たちは“少数の正当な人々”が書いたり、論じたりしているのを見たし、遂には、、“激昂した群衆” が“少数の正当な人々”の声をかき消し、パレスチナ人たちとの戦争は“必ず必要なもの”であり、ほかに方法はない、“我々の生き残りのための戦争”である、と宣言するのを見たのである。

“少数の正当な人々”が最初に「ここ(領土内)には私たちの居場所はない」と言ったとき、彼らは正しかったと私は考える。“少数の正当な人々”が「他の民族の生存を支配し管理するなら、国民全体が抑圧者になってしまいかねない」と言ったとき、彼らは正しかったと私は考える。そして私たちはその抑圧者になったのである。

“少数の正当な人々”が群衆によって声をかき消されている以上、立ち上がってどなり返すのは、私の使命であり、私の同僚たちの使命である。そして今回はこれまで明らかにうまくいかなかった“演説とペン”を、私たちは使わないだろう。イスラエルはこの地域に居座っている権利などない、と考える全ての人々にとって、今は、立ち上がって「もうたくさんだ!」と宣言するその時である。

Ishai Sagi (予備役少尉)

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