●2月5日パウエル米国務長官がイラクの国連決議違反の「証拠」についての演説を行いました。
●新聞やテレビでは、「イラク側の論拠が揺らいだ」、「守勢に立つロ仏中」などと宣伝し、米の「証拠」が説得力があるかのような報道をしています。
●本当でしょうか?!私たちは、パウエルの国連演説がイラク攻撃をするためのでっち上げ、レベルの低いプロパガンダそのものであると考えます。
●パウエルの国連演説がいかに欺瞞に満ちた低レベルのものであるかを2回シリーズでお伝えします。

ブッシュおよびパウエルの国連報告に対する反論

見出しはピース・ニュース

Internationl A.N.S.W.E.R.のHPより

 ジョージ・W・ブッシュは、今日の午後テレビに登場して「ゲームは終わった」と宣言した。彼の宣言は、他の国連加盟国に対して、戦争に反対する国内世論に抗して、彼のイラクに対する侵略計画を支持するよう迫るものである。ブッシュの演説は、昨日国連に対して行われたパウエル国務長官の報告に対する周到に準備されたただめ押しの一環である。
 ブッシュは、「戦争は避けられない」と世界に納得させることで、この戦争を止めたいと望んでいる世界中の広範な民衆の意志と精神を打倒しようとしている。これに対して、我々のグローバルな運動は、広範な反対の声を精力的に構築し続けるだろう―――この反対の声こそはブッシュ、チェイニーとペンタゴンを止めることのできる唯一の現実的な政治的な障害である。
 以下は、2月5日のパウエルの国連報告の後に発表されたA.N.S.W.E.R.連合の反論である。

平和に対して重大な脅威を与えているのは誰か

 コリン・パウエルの国連に対する報告は、「不思議の国のアリス」タイプのプロパガンダの一例である。現実が逆転されてしまっている。12年にも及ぶ過酷な制裁と米国によるやむことのない空爆の下にあって手足を縛られてきたイラクが、10万人以上の兵力、戦闘機、戦艦、ハイテクの通常ミサイルという強大な侵略的軍事力に包囲され、そして核攻撃にさえ脅かされている、まさにその時に、パウエルはイラクが「平和」に対して重大な脅威を与えていると主張するのである。

 ペンタゴンは、最初の48時間以内に3000発以上の爆弾とミサイルを使用するイラクに対する電撃作戦によって平和を維持する計画を公開している。政権はこの作戦を「衝撃と畏怖」(Shock and Awe)と名付けている。アメリカによる攻撃の初日に、300から400のトマホーク巡航ミサイルがイラク全土を猛撃する。これは最初の湾岸戦争における40日間の全期間に使われた数を上回っている。次の日には、さらに300から400の巡航ミサイルが投入される。「バグダッドに安全な場所はないだろう」、ペンタゴンの高官は話す。「この規模の攻撃はこれまでにはなかったし、考えられたこともない」。「衝撃と畏怖」計画の立案者の一人はその意図を「むしろ広島への核攻撃のような、同時進行的な効果を、数日や数週間を要することなくわずか数秒でもたらすことである」としている(CBSニュース、2003年1月27日、ニューヨークタイムス、2002年2月2日)

「ハト派のパウエル」は説得力があったのか?


 パウエル長官は、ふつうメディアの間でブッシュ政権の中では「ハト派」であるとされている。しかし、1991年の湾岸戦争の終結直後に行われたマスコミに対するコメントで、10万人以上であるとされたイラク兵とイラク市民の死者数について質問されたときに、「何人死んだかは私にとって大した問題ではない」と答えたのは、同じコリン・パウエルであることは肝に銘じておかなければならない。

 戦争を正当化できるだろうか?ブッシュの戦争が危険にさらすものはあまりにも巨大である。何十万ものイラク人たちが虐殺されるかもしれない。何万人ものアメリカの従軍兵士たちが命の危険にさらされるだろう。2000億ドルから2兆ドルと見積もられている経済的なコストは、アメリカの富を強奪し、教育や保健、育児補助、失業対策など欠くことのできない基本的な需要の財源を使い尽くして未来の世代を抵当に入れるのである。

 いったいなにがこれらの確実なリスクと損失を正当化することができるだろう?パウエルの報告は何も答えていない。持論を展開するだけで、パウエルの報告はイラクがアメリカや他の国々に対して脅威を与えているという事実を示さなかった。パウエル報告には二つの隠された意図があった。それは単に戦争を「正当化」するだけではなく、アメリカ市民の関心を、中東を再植民地化するというブッシュ政権の本当の目的からそらすことをも意図している。煙と鏡と錯覚を使って、パウエルは劇画的な恐怖を吹聴している。イラクを空爆することでアメリカはより安全になると言うことを主張するために、イラクによる炭疽菌攻撃、それは元はと言えば米国が開発し、米国の大量破壊兵器の膨大な備蓄に起源を持つのだが、それを言及するまでになっている。

世界中が戦争の真の狙いを知っている

 報告の中でパウエルは決して「石油」という言葉を発しなかったが、世界中の人々はブッシュと彼のクライアントたちがすでにイラクの埋蔵石油を掌握するための計画を書き上げていることを知っている。武装解除や民主化というのは公の場での議論のために用意された言葉であって、ブッシュ政権はその裏で石油産業の重役たちと会談してイラクの油田の分け前について話し合いを進めている(ウォールストリートジャーナル、2003年1月16日)。民主主義とはかけ離れて、ブッシュ政権がイラクを支配するために導入しようとしているのは、トミー・フランク将軍の下での米軍による軍事独裁である。2月5日付けの彼の寄稿文の中で、イラク侵略のチアリーダー、トーマス・フリードマンは、イラクの未来について次のように述べている「イラクは米軍とその同盟国による鉄拳(iron fist)によって支配され、その鉄拳を背景に日常生活を運営する存在としてのイラク文民顧問政権が段階的に前に出ていくことになるだろう…」(ニューヨークタイムス、2003年2月5日)

 パウエルは、[イラクの]いかなる脅威も、その計画も、その能力も示さなかった。先制攻撃による侵略戦争を行う、強大な火力によってイラクの人々を爆撃する正当な理由はあるだろうか?世界に対して最大の脅威を与えている張本人はいったいだれなのか?

米は非核国に対しても先制核攻撃を行う戦略を明らかにしている


 パウエル報告の議論が主にイラクの仮想の兵力、現実だとしても大いに弱体化された兵力についてのものである一方で、ペンタゴンはまさに現実の大量破壊兵器―――ことによる核兵器が含まれる―――を使ったイラクに対する破壊的な攻撃を実行する準備を進めている。パウエルは大量破壊兵器の問題について、イラク政府はいつの日か核兵器を所有することを望んでいるかもしれないと主張する。だが、大量破壊兵器の問題が世界から無くなることはない。最近の数週間でブッシュ政権は、今度の戦争においてイラクに対して実際に核兵器を使用する選択肢についておおっぴらに論じ、さらに最近公表された新しい軍事ドクトリンにおいては米国は非核国に対しても先制核攻撃を行う独自の権利を保持しているのである。

ブッシュ政権が焦っているのは、反戦運動が戦争の障害物になること


 国連憲章に違反するイラクに対する、米国の侵略と征服を国連が支持しなければ、国連はその「妥当性」を失うことになるだろうとパウエルは主張する。「脅迫と威嚇、すべての敵対者の粛正という彼の知っている唯一の手段を使ってイラクとさらに広範な中東を支配しようとする野望を追求する」指導者を我々は止めなければならない、というコリン・パウエル自身の声明を、歴史は大いなる皮肉を持って覚えていることだろう。

 ブッシュ政権は、イラクの差し迫った脅威を排除するために焦っているのではない。ブッシュ政権は我々の運動が取り除くことのできない戦争に対する障害物になることを妨げようと焦っているのである。この決定的な数日、数週間に我々の活動を強化しよう。