抗議声明

インドネシア共和国大統領 アブドゥルラフマン・ワヒド殿
インドネシア共和国外務大臣 アルウィ・シハブ殿
インドネシア共和国国家警察長官 S・ビマントロ殿

抗議声明


 2001年6月8日午後3時過ぎ、西ジャワ州のサワンガン・ゴルフ・インで開催されていたINCREASE(Indonesian Center for Reform and Social Emancipation) 主催の「アジア太平洋民衆連帯会議」の会場に、警察部隊が突然乱入し、外国人参加者32人とインドネシア人8人がジャカルタ地区警察本部に逮捕・連行されるという事件が発生しました。しかも、警察が外国人参加者を連行した後、カーバ青年団を名乗る暴徒が山刀などをもって会場を襲撃し、残っていたインドネシア人の会議参加者に重傷を負わせ、会場を破壊するという暴挙を行いました。この警察・右翼暴力集団が連携した弾圧・襲撃によって、四日間の日程で計画されていた「連帯会議」は二日目の途中で中断を余儀なくされました。
 この会議は、新自由主義・グローバリゼーションが地域の人びとにもたらす影響を討論し、それぞれの経験を交流するためのものであり、まったく合法的・平和的に準備されたものです。
 私は、この逮捕・連行された外国人参加者の一人として、今回の弾圧に強く抗議するものです。私自身、24時間、不当に警察本部の建物に身柄を拘禁され、パスポートを没収され、入管当局の取り調べを受けました。警察は私たちがショート・ビジティングのツーリストビザで貴国に入国し、会議に参加したことが「ビザの不正使用」にあたると述べていました。しかし、6月11日、入管当局に出頭した私たちは、私たちの行為がなんら違法なものでないことを確認された上で、パスポートの返却を受けたのです。警察が言っていた「国外追放」とか「一定期間の再入国禁止」といった処分はつきませんでした。このことは警察のわれわれに対する逮捕・連行・拘禁がまったくの不当弾圧であったことを証明するものです。
 問題は、まったくの言いがかりにすぎないことが明らかとなった「入管法違反」を口実に、言論・集会の自由が踏みにじられ、民主主義と人権がそこなわれたことです。警察当局は、会議への急襲の理由を「会議に参加していたブジマン・スジャトミコPRD議長らが、国民協議会の特別会期に合わせて騒乱を企てる危険があった」ため、とも語っています。しかしそれは合法政党であるPRDの活動、言論そのものに狙いを絞った不当弾圧にほかなりません。現に会議は、まったく平和的に進められていたのであり、国民協議会等の問題については議題にも上っていないのです。
 私は、インドネシアの民主主義と平和がさらに発展していくことを心から願う立場から、今回の不当な人権侵害に抗議し、こうした行為が今後二度と起こらないことを要請するものです。

2001年6月18日
国富建治
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