毎月2回の街頭宣伝が決まった時は「ハードだな」と思いつつ、何度か参加している。99年末から翌年1月にかけてのころは、丁度名護市長の受入れ表明があったこともあって、よくマスコミで取り上げられていたと思う。それに引き換えいまはそうでもないという事情もあって、街頭宣伝に参加した当初は、正直あまり反応が良くないのではないかと思っていた。 しかし、先日参加したときには、そのような予想があまり当たっていなかった事を実感した。「命どぅ宝ネットワーク」の人たちが琉球装束でエイサーや沖縄の民謡を歌っているというパフォーマンスも、道行く人の関心を集めていることも確かなのだが、それだけでなく署名をしてくれる人の真剣さがよく伝わってくる。もちろん圧倒的大多数は配っているリーフットに見向きもせず足早に通りすぎて行くだけだ。署名を集めている方が人の波に漂っているという場面も多々見られた。しかし、それでも米軍基地の沖縄内移設に反対するリーフレットを受け取り、署名をしてくれる人、エイサーを真剣に見つめる人もいるのだ。 印象に残っているのは「署名します」と真剣な表情で歩み寄ってきた女性だ。ただそれだけの会話だったのだが、ひしひしと真剣さ、怒りが伝わってくる。僕自身が問われているかのようだった。彼女は署名が終わると僕にお辞儀をして人ごみに消えて行った。 カンパだけをして「署名はいいわ」と言って、「でもやっぱり署名しましょう」と署名をしてくれた人もいた。どのように関わるかは人それぞれなのだろうが、沖縄への思いと日米両政府への怒りは同じなのだろう。 中学生くらいだろうか、3人連れの男の子が「やっぱこーいうのいけないと思うよ、オレ」といって署名してくれた。他の2人は少し戸惑ってはいたが。(署名ありがとう。でも今度からは市町村をすっ飛ばしていきなり町名から書きはじめないでね) 署名が終了して、少し離れたところで署名をしていた友人が「会社の人にあっちゃったよ」とすこしうれしそうに教えてくれた。会社の人は「署名してやろうか」と言って署名してくれたそうだ。友人は社会問題を話すような雰囲気の職場ではないと言っていたが、これが何かのきっかけにでもなればいいなと思う。 よくよく考えてみれば、街宣はたった2時間。ひと月が720時間あるとして、そのうちのたったの4時間なのだ(命どぅ宝の人たちは午前11時からやっているので大変だ)。 どのように沖縄に関わるのかは、人それぞれの方法がある。僕はこれからもその方法を模索して行くつもりだ。できる範囲で街頭宣伝に参加しながら。(H) |